腰痛はみなさんが悩まれる健康上の問題のナンバーワンです。
しかし、その割にはわからないことだらけで、みなさんが苦労されます。
今回は腰痛の原因についてまとめてましょう。
腰痛が姿勢で起こるというのは本当でしょうか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
腰痛を繰り返してお悩みの人は多いです。
腰痛は起きて欲しくないときに限って、急にやってきます。
多くの場合に姿勢が原因になっています。
それに気がつかないので腰痛を繰り返すようになるのです。
だから自分がどんな姿勢の特徴があるのかを知って、それにふさわしい対処方法を身につけることによって腰痛知らずになることが可能になります。
腰痛の原因は姿勢
腰痛の原因はいろいろありますが、最も多い原因は姿勢です。
一見そう思えないような腰痛でも、実は姿勢が原因で腰痛になっていることがあるのです。
姿勢が悪くなると関節に動くが無くなり、特定の関節に栄養が行かなくなります。
関節は動きによってのみ栄養が行くようになっているからです。
関節の動きが悪くなるときに、神経の流れが悪くなります。
その結果として筋肉のアンバランスが起こってきます。
弱化している筋肉は働いてくれませんから、その筋肉を使うときに痛みが出るようになり、腰痛になるのです。
姿勢によって筋肉のアンバランスが出来るんですね。
腰痛の原因になる3つの姿勢
腰痛の原因には大まかに分けると3つの姿勢があります。
①脊柱側弯
②腰椎後弯
③腰椎過前弯
この一つ一つが別々の症状や対処法があります。
チェックの仕方、予防法をそれぞれに説明します。
姿勢からの腰痛①:脊柱側弯
腰の片側に痛みがあるという経験をする人は結構おられると思います。
もちろん痛みの場所はおへその裏側の片側だったり、骨盤の片側だったりするでしょう。
この理由はいろいろありますが、姿勢習慣によるものが大きいです。
多くの方が右側弯ができます。右利きの方が多く、体の右側を主に使います。
ドアを開けるのも右、箸を持つのも右、ペンを持つのも右、靴を履くのも右から、お風呂に入るのも右足から入られるでしょう。
反対側を使うとぎこちなく感じるでしょう。
これは大きな違いを作ります。
座るときには右肘掛けを使って右に凸になるように背骨がカーブします。
女性が足を崩して床に座る時も左向きに足を崩すことが多くなります。
その結果として右に凸が出来るようなカーブになるように座ります。
横になって肘をつく姿勢も右手をついてすることが多くなり、同じカーブが出るようになります。この右側弯ができることが右側に痛みが出る理由の一つです。
いったん右に側弯ができるようになって、それが習慣になると、徐々に体型を作るようになり、右の側弯を自分の力だけは改善することが出来なくなります。
よく、「じゃあ反対側になるような姿勢にすれば良いですね。」といわれる方がありますが、いったん体型になってしまうと、反対側にカーブを作ろうとしてもS字カーブが出来るようになります。
うまくまっすぐにはならないのです。
自分で改善することが出来ないので、困ります。
しかも、今の西洋医学では姿勢についての概念はあまりなく、悪いとよくない程度の認識なので、それがどれほど大きな影響を持っているかがわかりません。
ですから、病院に行ってもそれが大きな問題とは考えられないだけでなく、原因はわかりませんといわれることが非常に多くあります。
そのために多くの方がどうして良いかわからずに過ごされることになり、どうにもならなくなって来院されることになります。
医学では姿勢については余りわかっていないんですね。
残念ながら一般的なことしかわかっていませんね。だから、原因がわからないと言われるんです。
側弯姿勢からの腰痛の症状
この側弯が原因の腰痛は、腰全体が痛むというよりも、どちらかに痛みが出ることが多くあります。
必ずしも右に出るとは限りません。
起き上がるときや身体の曲げたり伸ばしたりすると痛みがでて辛いといわれます。
突然激しい痛みが出て歩けなくなることもあります。
柔軟性がなくなった背骨が叫び声を上げるようなものです。
足の付け根の痛みが出ます。痛みがひどいと横にもなれなくなります。
下肢のしびれがでます。
よく椎間板の問題と間違われることがあります。
大腿神経の痛みやしびれです。
尾骨の痛みがでて、座る、腰掛ける、触ることでも痛みが出るようになります。
踵の痛みが出て、歩くと響くため、骨折では無いかと思われる方もあります。
下痢が出るようになります。自律神経のアンバランスで起こりますが、食後にトイレに駆け込むようになります。
食べると恐怖を感じる人もあります。
結構いろいろな症状が出るんですね。驚きです。
脊柱側弯による腰痛のチェック
まずはどんな問題かを確認することが大事です。
問題が違うのに同じような方法で対処しても効果はありません。
自分でチェックする方法です。
- 裸になって全身が映る鏡の前にまっすぐ立ってみます。
両脇腹からなで下ろしてみると骨盤の膨らみが右側に寄っている。 - 鼻とヘソをむずぶ線は床に垂直でなければならないのに、ヘソがなんとなく右より。
- 両足を少し開いて左右の側屈を試してみる。膝は曲げないで真横に深く、左右に曲げてみる。右側が曲げにくい。
- 夜寝るときに必ず右側を下にして寝ている。
脊柱側弯の腰痛矯正体操
右側に向かってのみ側屈をする。
左手を挙げてゆっくり息を吐きながらゆっくり右に向けて10回繰り返します。
10回するのに3分間かけてゆっくりするのが秘訣です。
姿勢からの腰痛②:腰椎後弯
腰椎の後弯による腰痛は、腰の柔軟性がなくなってしまっていることが多いです。
しかも腰椎が後弯しているときです。
腰にかかる負担は前傾姿勢になる時に立位と比較して1.5倍の負荷がかかると言われています。
立っている方が座っている姿勢よりも負担がかかると言われています。
頭、肩、股関節足が一直線に並ぶような姿勢は負担が少ないのです。
そのために前にかがむと想像以上に腰に負担をかけるのです。
座るときには腰椎の前弯のカーブが小さくなり、しゃがむ姿勢では逆に後弯になります。
腰椎のカーブが無くなる状態では背筋は伸びたままになり、前屈すると筋肉にかかる負荷も強くなるために緊張を起こすようになります。
緊張状態が続くと毛細血管の血流が妨げられるため、筋肉の柔軟性がなくなってしまいます。
柔軟性を失った筋肉は姿勢の変化に柔軟に対応することが出来なくなります。
そのために腰痛を起こすようになります。
柔軟性が鍵なんですが、姿勢が悪いと筋肉が硬化していきます。
腰椎後弯姿勢からの腰痛の症状
徐々に腰の関節の柔軟性が失われていって、全体的に腰が痛むという症状を感じるようになります。
天気に左右されて、雨の前日などは鉛の板を入れたかと思うような重い痛みを感じるようになります。
それがさらにひどくなっていくと長時間座ったり、しゃがんだりしていると腰が伸びず、すっと立てなくなるようになります。
便通も悪くなり、便秘がちになることが多いものです。
こういう状態が続いて、非常に忙しい生活が続くとすると腰が痛み始めます。
そのうち激痛になって動けなくなります。
しばらく休むと痛みは軽くなりますが、少し無理をすると腰痛になるという状況を繰り返します。こんなことには自分の腰に自信がなくなっていることでしょう。
腰の痛みを感じなくなり、お尻や太腿の後ろにかけてしびれを感じるようになります。
だんだん足がうずくような痛みが出て、中には切り取ってしまいたいと言われるようになる方もあります。
だんだん歩行が出来なくなったり、身体がくの字に曲がってしまうようになります。
こうなると排便や排尿にも影響が出るようになり、男性機能も働かなくなるようになります。
こんな症状が姿勢から来るとは夢にも思いませんでした。
腰椎後弯からの腰痛の予防
後屈運動
両足を開き両手を腰に当てて、てこのようにして後ろに徐々に曲げていきます。
腹ばいになってお腹を床から離さないで、反っていっても同じ効果があります。
一度反ったら、しばらくそのままで、ゆっくりと元に戻します。
姿勢
足を組む、あぐら、体育座りはしないようにします。
背筋力をつける
腰の部位の背筋が弱いので、歩くことが大切です。
胸を張って颯爽と30分程度歩いてみましょう。
姿勢からの腰痛③:腰椎過前弯
通常、人というのは緩やかな曲線の腰椎の前弯があるのが普通です。
見た感じで言えば、背中曲がりのお腹突き出し姿勢といったらよいでしょうか?
見方によればバランスがとれた姿勢のように見えるかも知れません。
欧米人には多い姿勢ですので、良い姿勢と思う人も多いのですが、そうではありません。
脊柱全体のS字の弯曲が強まっています。
腰の部分だけを見ると、正常な腰椎の前弯が強まった状態です。
この骨盤の角度がお尻の格好をよく見えさせるのです。
腰椎過前弯の腰痛の原因:ハイヒール
この姿勢になりやすいハイヒールについて考えてみましょう。
最近では普段着に中学生や高校生まで踵をあげるこのハイヒールを履くようになっています。
踵を高くすれば、つま先立ちの状態で前のめりになるために、お腹を突き出してバランスを取ろうとしてしまいます。
そのままでは倒れるので、ねこ背にしてバランスを取るようにします。
このときに身長が低くなることがわかるでしょうか。
S字カーブの弯曲が強まるために身長が低くなるのです。
健康診断で身長を測ってもらって、身長が知人でいると言われたら、姿勢が悪くなっている証拠です。
格好良くハイヒールを履こうと思うと意識してお腹を引っ込め、胸をぐんと張り出すようにすることが必要です。
最近はハイヒールを履いて膝を曲げて歩いている人をよく見ます。
特に若い人やハイヒールを履くのが初めての方は皆さんそうなります。
膝にも負担をかける姿勢ですから、膝を伸ばすようにしたいものです。
ハイヒールは姿勢が良くなると思っていました。確かに冷静に見ると変な姿勢になっている人は多いですね。
腰椎過前弯からの腰痛を起こす習慣
最近は子供をおんぶすることが非常に珍しくなりました。
ほとんどのお母さんが前抱きです。
荷物を持つときにもお腹で持とうとするとそり腰になります。
腕を胸の前で組む姿勢もお腹を突き出すようになります。
堂々とした姿勢に見えますが、実はれっきとしたそり腰です。
体重が増えた方、妊婦さんもお腹が大きくなってくるとそり腰になります。
腹ばいで読書をする習慣もそり腰になる姿勢です。
これはリラックスした姿勢だと思っている人もありますから、肩こりも腰痛にもなる姿勢と聞くと驚かれます。
特に腰痛を訴えて来院される方には多い習慣です。
腰椎過前弯からの腰痛の問題
そり腰が習慣になるとだんだん柔軟性がなくなって、体型化してしまいます。
柔軟性がなくなってくると畳のような硬いところでは仰向けに寝ることが出来なくなります。
仰向けに寝ると腰のところがしっかりと空間が出来てしまいます。
こういう腰つきになっている方は前屈しようとすると前に余り曲りません。
ひどい方になると膝までも手がいかなくなっています。
こういう方は低反発のマットレスで身体が沈むと眠れるので、それが良いと思われるのですが、そのままにしていると余計に柔軟性がなくなってしまうのです。
さらに、そり腰になるとお腹を突き出すようになるので、お腹がぽっこり出ているように見えます。
さらに股関節が回旋を起こすので、見かけ上でお尻が大きくなったように見えます。
女性として余りうれしくないスタイルになってしまうのです。
腰椎過前弯からの腰痛の危険性
そり腰があるときには筋肉のアンバランスも存在します。
こういうときにはハムストリングが弱くなっていたり、腹筋が弱かったりします。
この弱い筋肉の拮抗筋である反対側の筋肉は過剰に緊張しています。
しかし、こういう筋肉を緩めると不安定になって腰痛が出るようになってしまいますから注意が必要です。
腰痛が出るときには腰全体の痛みと言われます。
腰の両側から締め付けられるような、いやな痛みと言われます。
長い間立つというような場合には辛い思いをすることになります。
長時間座っているのもだんだん辛くなってきます。
立食パーティーやアトラクションの行列なども苦手です。
激痛になることはありませんが、それだけに我慢してしまわれる方もたくさんあります。
我慢している間にだんだん体型化して自分では改善できなくなってしまうのです。
下痢気味になる方も多く、自律神経が過剰に反応しておきます。
腹痛を伴うことは滅多にありません。
大概は肥満気味でお腹突き出し姿勢になっている方に多く、危機感が少ないために、対処されることがないので、悪くなるまでわかりません。
腰椎過前弯からの腰痛予防
前屈体操
床に手がつくようになることが大切です。
しかし、腰を丸めないで背中を丸くするようになる方が多いので注意が必要です。
この場合に腰の部分を丸めるようにすることが必要です。
胸はり体操
背中が丸くなることが多いので、背中の柔軟性を取り戻すために胸を張る体操をすることが必要です。
このときはお腹を突き出さないようにすることが大切です。
姿勢習慣
自分がなぜこのような姿勢になっているかをよく考えることが必要です。
必ず生活の中に腰を反らすような姿勢習慣があります。
それを改善しなければ、反り腰を改善することは出来ません。
まとめ
姿勢が原因で腰痛になることは非常に多くあります。
それがわからないで何度も腰痛を繰り返す方があるのです。
自分の姿勢習慣を知ることで、姿勢からの腰痛を克服することが出来るでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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