いつも腰痛に悩まされるようになると皆さんが何かの責任にしたくなります。
枕が悪いとかベッドが悪いとか、時には方角が悪いとかおっしゃる方もおられます。
しかし、多くの場合、それが見当違いであったということが多いのです。
腰痛になったときに大切なのは自分の腰痛が何が原因で起こっているかという点です。
それを知らずに、痛み止めやマッサージをしても原因を取り除いていなければ根本的によくなることはあり得ません。
そうならないためにも重要なポイントを書いてみたいと思います。
腰痛になるとすべてが悪い感じがします。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
ベッドで腰痛になる?
ベッドが合わない気がするからベッドが悪くて腰痛になっているのではないかと考える方があっても私は驚きません。
人間、自分以外のものが問題だと思いたいのが人の性ですから。
もちろんベッドが問題になる時もあるのですから。
しかし、今まで全くそういうことを感じていなかったのにある時を境に痛みを感じだしたから、ベッドのせいだと考えるのはちょっと無理があるように思います。
体重が増えて、スラックスがきつくなったのに、きついスラックスが悪いといっているように聞こえます。
どちらからといえば、体の状態が悪いのでベッドが合わなく感じる方が多いのです。
そんなに急にベッドが悪くはなりません。
もちろん買ったときからよくなかったという場合もあるでしょうし、20年以上も同じベッドを使っているためにへたっているという場合もあるでしょう。
腰痛でベッドが問題になるとき
腰痛でベッドが問題になるときは多くの場合に、ご自分の背骨の柔軟性がなくなってしまっているときです。
そのために多分、どんなベッドでも合わないと感じられるはずです。
腰痛は多くの場合、姿勢が問題で起きています。
そのために姿勢習慣を変えないでいると徐々に柔軟性がなくなり、ベッドに合わせて体を寝かせることが出来なくなります。
本来は背骨はしなるように出来ていますから、ベッドに合わせることが出来るはずです。
十分に柔軟性がある方であれば、フローリングの上でも寝ることが出来るはずなのです。
しかし、柔軟性がなくなっている方は、フローリングどころか布団でも寝ることが出来ません。
すごく柔らかい布団やマットレスが不可欠になっていることでしょう。
じゃあ柔らかいものの上に寝たら良いじゃないかと思われるでしょうが、そこが問題なのです。柔らかいものの上に寝ることで、腰が沈み、余計に腰の歪みを誇張するような状態になるのです。
改善しているのではなくて、隠しているといったらよいでしょうか。
だから問題を先送りしているだけなのです。
痛みを感じなくなったから良いとはいえないんですね。
そうですね。問題を先送りしているだけの場合もあります。
腰痛でベッドが合わないと感じる時の危険性
腰痛でベッドが合わないときには、脊柱に特定の歪みが出来ています。
だからまずは脊柱の柔軟性を改善する必要があるのです。
そんな時には脊柱の配列異常、脊柱の動きの異常であるサブラクセーションを取り除くことが柔軟性を回復する早道です。
しかし、薬やマッサージではサブラクセーションは取り除くことが出来ません。
ですから、その場はいいようであってもすぐに元通り。
そのサブラクセーションがあるので、ベッドやマットレスや布団を変えても何も問題は変わっていないのです。
大概の場合に寝具を変えられるときには非常に高価なものを購入されます。
高価なものはいいだろうと思われるからです。
それだけにマットレスを使って少し眠れたりするとこれでよいのだと考えてしまわれるのです。
姿勢習慣はそのまま残っていますし、柔軟性もさらになくなっていくのです。
結局ひどい腰痛をするまでそのままになってしまいます。
時には椎間板の問題に移行したり、神経が麻痺したりするまでそのままになる方もおられるのです。
長い時間をかけて少しずつ悪くなっていくために、本当に悪い症状が出るまで、腰に対する自信は無くなり、外に出かけるのがおっくうになり、スポーツやカラオケのような楽しいことでもしたくなくなります。
仕事でも前向きな考えが出来なくなり、最低限で済ませようとするようになります。
そんな状態になったら、自分は鬱ではないかと心配されるようになります。
そこまで行くとどうして良いかわからなくなられる方もあるのです。
腰痛でベッドが合わないと感じるときのチェックの仕方
ベッドが合わないと感じるときに以下のことを試してみましょう。
-
別の布団やベッドに寝てみる。
ベッドが問題であるなら、違う状況で寝てみるとよく感じるでしょう。
ただ、余り柔らかすぎるものを使うとわからなくなりますから、同じくらいの固さのものを使うようにしましょう。
-
ベッドの頭側と足側を逆にしてみる。
マットレスは長い間使っているとへたってきます。
へたった状態は逆さにして寝てみると全く別の感じがするようだったら、マットレスがへたっている証拠です。
余り変わらないと感じるならマットレスは大丈夫でしょう。
-
マットレスを裏にして使ってみる。
2)と同じ理由です。
裏返して全く感じが異なるものはへたっているでしょう。
低反発のマットは一時的にはよいですが、長期的に使うのはお勧めしません。
適度の固さが睡眠するときには必要です。
柔らかすぎると寝返りが打てないから、体のいろいろなところ循環が悪くなってしまいます。
適度な固さがあると寝返りが打てるので循環を妨げることが少なくなります。
広告でよく見るのでいいものなんだろうなと思っていました。
腰痛でベッドが合わないときにカイロプラクティックがいい理由
ベッドが合わないと感じるようになったら、一番最初にすることは自分の体の柔軟性を回復することです。
それをした上でベッドが問題があるかどうかをチェックすべきです。
体の柔軟性がなければ、どんなに良いベッドでもよいと感じないでしょう。
それだけでなく柔らかすぎるベッドがよいと勘違いしてしまいます。
サブラクセーションを取り除けるのはカイロプラクターだけです。
サブラクセーションを取り除くことによって、関節の動きがよくなり、神経の流れがよくなり、筋肉のバランスがとれるようになり、柔軟性を回復することが出来るようになります。
しかもカイロプラクターは姿勢の専門家です。
姿勢習慣やライフスタイルについて適切なアドバイスをくれます。
姿勢習慣を変えることによって腰痛になりにくい体を手に入れることが可能になります。
45歳男性会社員Mさんのケース
腰痛がひどく、夜なかなか寝付けず、朝起きたときには腰が痛くてすぐに立てませんでした。
何度かひどい腰痛をされて腰に自信が持てなくなっていました。
ベッドが古くてマットレスが固いせいでそうなるんだと思うようになりました。
高いけど前からテレビで宣伝していた低反発のマットレスを購入しました。
とってもよくて、夜も痛みで眠れないということや朝起きたときの痛みが少なくなった。
これは良いと低反発のマットを使い続けていました。
仕事が忙しくなって、ちょうど奥さんの病気もあって、ストレスが非常にたまったときにまたひどいぎっくり腰になりました。
這って歩かなくてはならないほどでした。
病院に行くと椎間板の問題だと診断を受けました。
いわれたことは痛み止めと安静しかなく、痛み止めも効きませんでした。
そこで人に聞いて来院されました。
腰が伸びず、おじいさんのような前屈みの格好で来られました。
見てすぐにわかるほど腰椎が後弯していました。
もともとしゃがんだ姿勢が苦手で、しばらくすると立つのが辛くなっておられました。
家に帰ると座椅子でテレビを見られるのですが、すぐにお尻が前の方に滑ってしまって、ヘソが天井を向くような格好になっておられて、しばらくすると必ず寝てしまうといわれました。
だからすごくリラックスできていると思っておられました。
実は座椅子で首が直角の角度になって伸びないために血液が循環しにくくなって酸欠状態で眠くなっておられました。
肩口も非常に強いねこぜになっていました。
職場でいつもヘソが天井を向くような格好で座っていると指摘されるそうですが、良い姿勢を続けることが出来ず、結局その姿勢になってしまうといわれました。
長い間同じ姿勢を取るのが元々苦手で、座って立ち上がると腰が伸びなかったといわれました。
背中の筋肉の柔軟性もなくなっていて、これでは普通のベッドで寝るのは難しいけど、ベッドのせいではなく腰の柔軟性がないためだと考えられました。
また低反発のマットを使われたので、腰の柔軟性が無いのをごまかすような働きをしていたことをお話ししました。
目標は腰の前弯を取り戻すこと、柔軟性を取り戻すこと、姿勢を改善することを決意していただきました。
後屈運動をするようにお勧めし、背もたれをきちんと使って座るようにアドバイスしました。
あぐらや座椅子は使わないようにお勧めしました。
背筋力をつけるために毎日30分胸を張って歩くように勧めました。
カイロプラクティックの施術で柔軟性を取り戻すようにしました。
かなり柔軟性がなくなっていたので少し時間がかかりました。
2ヶ月もすると柔軟性が戻って、顔色がすごく良くなられ、姿勢も見違えるほどよくなりました。
ベッドが合わないと思って低反発のマットを購入されたことで、自分の本当の問題をごまかしてしまっておられたケースでした。
痛みを緩和するよりも、痛みが起きている原因を取り除かなければ、問題は解決しません。
問題の解決を先送りにして満足しないように気をつけてほしいものです。
まとめ
腰痛が出たときにまず最初にされるべきはカイロプラクターに見てもらうことです。
そうされることによりいらない出費を避けられるだけでなく、根本の原因を取り除くことが可能になります。
あなたもカイロプラクティックを試してみてはいかがでしょうか。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
コメント