腰痛にもいろいろありますが、鈍い痛みが続くというのもやっかいなものです。
いつも腰に気持ちが行き、いろいろなことを楽しんでやるというようになりません。
残念ながら、鈍痛だと医療関係者も含めて、ご自分も余り真剣になられることがありません。
鈍い痛みはいつかひどい激痛に変わることもあり、さらに進行した問題になることもあります。
そんなことになってさらに苦しむことは誰でもしたくないことです。
そんなことにならないように皆さんにもう少し理解をしていただくために書いてみたいと思います。
長い間鈍い腰痛が続いていますが、原因もわからないのでそのままになっています。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
鈍痛の腰痛は?
鈍痛の腰の痛みは何でしょう。
多くの場合には姿勢による筋肉のアンバランスが原因で、腰の関節が柔軟性を失ったものです。
この姿勢による鈍痛の腰痛は、西洋医学で姿勢による腰痛の概念があまりないので、ほとんど認められません。
レントゲンでも血液検査でも尿検査でも異常はありません。
もちろんMRIなどでも異常は見つからないので、異常なしといわれることも多いものです。
次には内臓から来る痛みがあります。
これも、軽度なものから重篤なものまで様々です。
例えば、生理が原因で腰痛になる女性は非常に多いです。
また、虫垂炎などでも腰痛になることもあります。
通常は痛みが強いですが、中には鈍痛の人もあります。
転移性のガンや腫瘍があっても腰痛になることもありますからやっかいです。
鈍い痛みでも悪いものがあるんですね。
鈍痛の腰痛の危険性
鈍痛の腰痛は、皆さんが余り深刻に考えられないことが一番の危険です。
もちろんすべての鈍痛の腰痛が重篤な問題だというわけではありません。
中には重篤なものがあるという意味です。
鎮痛薬を飲めば楽になるというような場合は大方心配はありません。
以前来られた患者さんで、一年前に姿勢から来る腰痛で来院されたご年配の方がありました。
その方はかなりの激痛でしたが、一度の施術ですごく楽になられました。
今回も同じような痛みだと言って来院されました。
「どういうきっかけで痛みが出ましたか?」と尋ねると
「それがわからないんです。朝寝ていて起きようとしたときにはもう痛かったです。
それからずっと痛いです。」
どういう姿勢をしてもらっても痛いということと寝ていて痛みが始まったということで、私の検査前に病院に行ってレントゲンをとってもらうようにお勧めしました。
患者さんは、「昨年の痛みと同じですから」といわれますが、昨年の痛みは体をひねってものを持とうとしたときに痛みが出て、寝ていれば痛みが楽だったことを話して、病院に行ってもらいました。
その後その方から電話が来て「圧迫骨折でした。」とおっしゃいました。
安易な判断が危険なケースでした。
自己判断は危険です。
原因がはっきりしない痛みや楽になる姿勢が見つからないような場合には注意が必要です。
そういう場合に自己判断はやめて、病院での診断を仰ぐべきです。
鈍痛でも注意が必要な腰痛があります。安易な判断は危険です。
鈍痛の腰痛のポイント
鈍痛の腰痛は我慢が出来てしまうところが問題です。
激痛なら、皆さんがすぐになんとかしなければと考えられるはずです。
鈍痛の痛みだから軽い問題であるとは必ずしもいえません。
ポイントは筋肉骨格系の痛みか、それともそれ以外のものから来る痛みかという点です。
いくつかの点は判断のポイントになります。
- 筋肉骨格系の痛みは、痛みが始まったきっかけがある場合が多いです。
例えば、しゃがんで作業をしていて、立ち上がった瞬間痛みが出たとか、車から出ようと一歩を踏み出したら痛みが出たといったきっかけがあるはずです。
もちろん姿勢が原因の場合には徐々に悪くなっていくという場合もありますから、筋肉骨格系の痛みでも例外もあります。
- 筋肉骨格系の痛みは姿勢によって痛みが楽になる姿勢があります。
特定の筋肉や関節の問題があれば、そこに負荷をかけるような姿勢があります。そうすると痛みが増します。
逆に負荷をかけないような姿勢もあります。そうすると痛みが軽くなります。
座っていると痛いが、横になっていると楽というような場合です。 - レントゲン検査、MRIで異常が見つからない場合。
骨折や靱帯損傷のような外傷がなければ、画像診断ではほとんど筋肉骨格系の痛みはわかりません。
鈍痛の腰痛にカイロプラクティックは、どうするか?
カイロプラクターは筋肉骨格系の痛みに関して特に効果的な対応が出来ます。
なぜなら、カイロプラクティックの検査は体の機能を見る検査だからです。
問診や視診もお医者さんの観点と異なります。
質問も異なる点が多々あります。
問診も姿勢やライフスタイルまで考慮する質問をします。
そういう質問がない場合にはカイロプラクティックという名前がついていてもカイロプラクティックではないかもしれません。
質問から大まかに頭の中でいくつかの可能性を考えています。
検査も整形外科的検査、神経学的検査、姿勢分析、筋力テスト、関節の評価を含むカイロプラクティック検査をします。
そういう検査を通して可能性のある問題を絞っていきます。
その結果に基づいて施術を組み立て、計画をたてます。
ですから筋肉骨格系の鈍痛の原因を見つけて、腰痛を改善させます。
ライフスタイルのアドバイスをすることによって、腰痛になりにくい体にしていくことが可能になります。
38歳女性事務Kさんのケース
Kさんはいつも鈍い腰痛があるといって来院されました。
病院に行っても、特に悪いところが無いといわれてきました。
これまで3回別の病院に行っても原因はわからないでいます。
もう3年苦しんでいるといわれます。
痛みは腰全体にあって最初はだるい感じだったそうです。
天気によって症状が変わり、雨の前日には腰に鉛の板が入っているような感じだといわれます。
長い時間座ったり、その後立ち上がったときに腰がすっと伸びなくなったりすることもあるといわれます。
しゃがんだ作業をすると腰が特に痛みます。
ひどい便秘になっているともいわれました。
腰を見てみると腰椎の前弯がなくなっています。
腰の両側の筋肉も固くなっています。
前屈をしてもらうと手が床につくくらいなのでご自分は体は柔らかいと思っておられましたが、後ろにそらす方は全く出来ません。
仕事で座るときには必ず背もたれは使わず、足を組んで座っておられました。
もともと体は柔軟な方だったといっておられました。
カイロプラクティックの施術で背骨の柔軟性を取り戻すような施術をしました。
また、仕事で座るときは、深く腰掛けて足を組まないように勧めました。
また、背をそらすような運動続けるようにお勧めしました。
3回ほど施術しただけでも腰の感じが全く違うと話されました。
5回施術したときには、
「最近は足を組みたくなくなりました。その方がいい気持ちがするようになっています。」と話をされました。
Kさんのケースは腰が後弯になっているために起こっている鈍痛でした。
元々柔軟性がある方だったのが幸いでした。
もう少し忙しくなられたり、そのまま放っておかれたりすれば、必ず椎間板の問題で、足に痛みが出たり、激痛の腰痛に移行するところでした。
ギリギリの所でした。痛みがなくなったらそれで終わりではありません。
続けて後屈運動が苦も無く深々と出来るようにならなければ、また同じ習慣が帰ってくるでしょう。
まとめ
なんとかしたいと考えておられる鈍痛の腰痛も、西洋医学でわからない痛みだとそのままになってしまいます。
多くの場合にそれは徐々に悪化していきます。
悪化した結果、精神的に問題が出たり、手術が必要な問題を作ってしまったりすることがあります。
そうならないために、少しでも早くカイロプラクターに相談しましょう。
体をトータルに見ることによって、腰痛になりにくい体を手に入れることが出来るようになるでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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