最近はファッショナブルな椅子も多くあり、通販などでも高価な椅子が売られています。
残念ながら、そういう高価な椅子がショウルームに置いてあるケースはまれで、写真を見てオーダーすることになります。
事務系の人は腰痛になると座っているのが苦痛になります。
だから、高級な椅子を買えば楽になるのではないかと思われて購入される方も多くあります。
高級な椅子は研究されて、楽になるように作られているという思い込みがあります。
高い椅子が良い椅子とは必ずしもいえません。
確かに、安い椅子は、クッションも悪く、すぐにへたったり、材質が通気性が悪かったりして、座り心地もあまり良くないということもあります。
だからといって腰痛のある人が、高い椅子を購入すれば腰痛が改善するというわけでもありません。
腰痛の原因を知り、その原因に合わせて身体を根本から変えなければ、腰痛から解放されるようには成りません。
今回は腰痛と椅子の関係について考えてみたいと思います。
椅子も高いものから安いもまでピンからキリですよね。どれが良いか迷います。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
腰痛で高い椅子を買う理由
腰痛の時には座る姿勢は、あまりよくありません。
通常、腰の前弯がなくなります。
だから、腰の柔軟性がなくなり、動きが少なくなる分、栄養がいきにくくなります。
関節にある椎間板は、動きがあるときのみ栄養が行くようになっているからです。
ただでさへ調子悪いのに、一層悪くなるような状況を作ってしまうということです。
だから、少しでも高い椅子を買えば、調子の悪い腰に良いのではないかと考えられるのです。
しかし、高い椅子が腰椎の前弯を回復してくれるわけではありません。
腰椎の前弯を回復してくれるような椅子でなければ、腰痛を助けてくれるようには成りません。
高くクッションの効いたふかふかの椅子では、バランスが取りづらく、反対に疲れるようになります。
デザインを優先すると身体を合わせなければならなくなり、身体は辛くなります。
本来であれば、身体に合わせて椅子を作るというのが理想ですが、そういう椅子を聞いたことがありません。
190cmの身長の人と150cmの身長の人が同じ高さの椅子で快適には過ごせないでしょう。
しかし多くの場合現実はそうせざるを得ません。
会社の椅子は私の身体に合っていないと思います。
そう感じられるなら、合っていない可能性が高いですね。
椅子で腰痛になる人がいる?
椅子によっては、余計に腰痛になる場合もあります。
腰椎の前弯がなくなり、後弯気味になっている人は、オットマン付き(足をのせるクッション)の安楽椅子はよくありません。
余計に後弯が出来るからです。
ずっと続けていると腰が痛くなるでしょう。
また、椅子の上で正座をする方が楽といわれる方もあります。
ふくらはぎの高さ分高くなります。
また、腰を背もたれにつけることが出来なくなります。
何か書き物をすれば前傾になり、腰も首も前弯がなくなる姿勢になります。
これも腰痛や肩こりを引き起こす姿勢になります。椅子自体の問題と座り方の問題とあります。
椅子の上で正座したくなるんですけど、ねこぜになってしまいます。
座る姿勢が悪いと一日でも肩がこったり、腰が痛くなることもあります。
腰痛に良い椅子とはどんな椅子?
海外で作られた椅子は高いですが、足の長い外国人用です。
足の短い日本人が使うには身体に合っていません。
長い足に合わせ、座面が広く、高さも高くなっていることがあります。
では国産の椅子ではどうでしょう。
ある国産の家具メーカーの人と話をしたときに「どのように椅子をデザインしていますか?」と聞いてみました。
驚く回答が返ってきました。
「売れ筋の他社の椅子をまねて、少し素材などを変えて作ります。」でした。
椅子を研究しているのではなく、売れる椅子を作るというものだったのです。
つまり、人間工学などを考えているわけでなく、うけのいい椅子をつくっているのです。
腰痛を改善する椅子があるわけではないのですが、それでも助けになるものはあります。
座ったときに、膝が90度で若干膝の方が座面より高いもの。
また股関節が90度で、座ったときに腰が前弯になるようになっていて背もたれにフィットするもの。
通気性も大切で、皮の椅子は見た目には良いものですが、通気性は良くありません。
適度な硬さも重要な点です。
柔らかすぎる椅子は座っている間に筋肉を使い続けなければならず、疲れます。
しかし、このような椅子でも身体がねじれがあったり、腰椎の後弯が強くなっていたり、側弯があったりすれば、あまり快適とは感じないでしょう。
身体の柔軟性があることも大切です。
身体を柔軟にすることが出来れば、椅子をあまり選ぶ必要がなくなるでしょう。
実際に座って試してみる必要がありそうですね。
腰痛に高い椅子を買わなくても、カイロプラクティックなら椅子を選ばなくなる。
腰痛を避ける意味で高価な椅子を買うのは、全くの対処療法。
からだが良くなっていくことはありません。
痛みの感じ方をマイルドにする程度です。
むしろ、痛みの出る原因を解決しないままにしてしまうので問題があるといえるでしょう。
実は身体を整えて、柔軟性を回復するなら、大概の椅子は問題が無いと感じられるようになるでしょう。
腰痛があるときにサブラクセーションと呼ばれる関節の配列異常や動きの異常があります。
このサブラクセーションを取り除くことが必要なのです。
腰痛の原因は姿勢が原因。
カイロプラクティックで腰痛になりにくい身体作りが必要になります。
腰痛になる人の多くが、姿勢の問題で腰痛を感じています。
朝、腰が痛いという人が、「寝方が悪いのだろうか」と疑問を持たれます。
しかし、多くの場合に寝返りを打つので、同じ姿勢をしているわけではありません。
だから、寝ている間に問題が起きるのは珍しいことです。
起きている間に取っている姿勢が、原因で腰痛が起こっていることが非常に多いのです。
へそが天井を向くような座り方姿勢、
腹ばいで本を読んだりコンピューターを使う姿勢、
坐位が長く腰を丸くする姿勢、
横になって肘をついてテレビを見る姿勢などは
腰にサブラクセーションが出来ます。このサブラクセーションは、薬でもマッサージでもストレッチでも取り除くことが出来ません。
高価の椅子を買ったとしても、取り除けないのです。
カイロプラクティックはこのサブラクセーションを取り除くスペシャリストです。
腰痛があるときはもちろん、無いときでも、サブラクセーションが存在しています。
サブラクセーションを取り除くことが出来ると腰痛になりにくい身体を作ることが出来るのです。
日中座り通しなので、夜楽な椅子が欲しいと数十万のオットマン付きの革製の安楽椅子を購入。
Dさんは椅子にリクライニングが付いていて、テレビを見ながら寝てしまうので、これはリラックスできて良いと思っておられました。
慢性的な腰痛で来院。
朝は特に腰が伸びないほど痛むようでした。
特に身に覚えがないのに腰が痛くなったと言われます。
検査してみると腰の前弯がなくなっています。
お話を聞くと毎日日中は背中を丸くしてコンピューターを使い、夜は安楽椅子を倒し、オットマンを使ってテレビを見ておられました。
ただでさへ仕事で腰が丸くなっているのに、夜は余計に腰が丸くなるように椅子を使っておられたのです。
これでは腰が悲鳴を上げるには時間の問題でした。
オットマンを使わず、リクライニングにしてテレビを見ないことや腰に前弯が出来るように座るとき腰に丸めたタオルをかませること、腰を伸展させる体操をお教えしました。
サブラクセーションを取り除くようにカイロプラクティックの施術を続けると痛みを感じずに朝起きられるようになられました。
腰の前弯の無くなった方が、腰を丸くするような座り方になる椅子を使うのは悪くなるように努力しているようなものです。
高いからよいというのではなく、自分がどんな腰つきになっているかを知って、それを改善する助けになるような椅子を選びたいものです。
まとめ
高価な椅子が身体に良いとは限りません。
椅子は体が良い状態の時にそれが悪く成らないように助けることは出来ますが、悪い状態を改善することは難しいです。
逆に使い方によっては悪くする原因になることもあります。
高価な椅子を使って、身体が悪くなるのはなんとも情けないことです。
カイロプラクティックは、腰痛の原因を見つけて助けるお手伝いが出来ます。
原因を知らないで腰痛を改善させることは出来ません。
カイロプラクティックでサブラクセーションを取り除き、身体の柔軟性を取り戻し、腰痛になりにくい身体作りをしましょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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