夏が近づくと体形が気になってきます。
薄着になったり、肌を露出する機会が多いと思うと余計です。
毎年、様々なダイエット法や痩身法がはやっては廃れ、はやっては廃れします。
腰回りの脂肪は、ちょっと油断するとついてしまいます。
しかも、落とそうと思ってもなかなか落ちないと言われる方が多くあります。
体型の悩みはなかなかつきません。
腰回りの脂肪が腰痛と関係があると聞くと驚かれる方もあるでしょう。
実はとても関係があるのです。
今回は腰回りの脂肪と腰痛の関係について考えてみたいと思います。
スカートがきつくなるのと腰痛は関係があるんですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
腰回りの脂肪がつく
穀類や麺類、米や果物などの炭水化物を食べるとインシュリンというホルモンが膵臓から出ます。
インシュリンは大きく3つの働きがあります。
まず、血糖を細胞まで運びます。
脳を始め、臓器や筋肉はブドウ糖である血糖をエネルギーとして動いています。
そのため、血糖がいつも必要になります。
食べたものの50%のブドウ糖が細胞に運び込まれます。
次に10%はグリーコーゲンというエネルギー源として身体に蓄えるようにします。
炭水化物をブドウ糖として変換し、それを体内に蓄え、万一の時のエネルギーとするのです。
最後に40%が脂肪として蓄えられます。
この割合は年齢や個人によっても変わります。
年齢が上がるにつれてこの脂肪として蓄えられる割合が大きくなってしまうのです。
身体は大きく分けると脂肪か糖質を燃焼してエネルギーとして使います。
しかし、ストレスが多くあったり、脂肪が燃えにくい状態になっていると糖質に依存したエネルギー燃焼を起こします。
そのため糖質が必要となって、手っ取り早い炭水化物を余計に欲しくなってしまうのです。
そうなると逆に脂肪として蓄えるものも増えるのです。
その結果として脂肪がつくようになってしまうのです。
食べた炭水化物の40%が脂肪として身体につくとは思いませんでした。脂肪を食べるから脂肪がつくと思っていました。
そのあたりは誤解しやすいですね。人によってもっとたくさん脂肪につくようになっている人もあるから、困りますね。
腰回りの脂肪が腰痛と関係ある
単純に腰回りの脂肪がつくとサイズがきつくなります。
そのためにサイズを上げればいい話ですが、誰でもあげたくないものです。
そのために小さいサイズのままでいると締め付けるようになります。
その結果循環を阻害してしまいます。
筋肉の循環が悪くなるので、腰痛になりやすくなります。
この腰回りの脂肪がつくメカニズムの一つは前に説明しましたが、シンプルにいうと5つのホルモンが影響を持っています。
まずコルチゾルとインシュリンです。
これは脂肪の蓄積を促します。
逆の働きをするのが、テストステロン(男性ホルモン)と成長ホルモンとエストロゲン(女性ホルモン)です。
お腹周りに脂肪がつきすぎている人にはコルチゾルとインシュリンの値が高く、テストステロンと成長ホルモンとエストロゲンの値が低いというパターンが多いのです。
ストレスが多いときにこのようなパターンになりやすいです。
インシュリンが高くなるときには糖質・炭水化物の食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎなどが原因で起こります。
コルチゾルとテストステロンとエストロゲンは副腎から産生されますが、ストレスが多いのが続くと副腎が疲れてしまってホルモンの産生が追いつかなくなります。
経験的にわかっていることですが、副腎が疲れてしまうと縫工筋・薄筋という骨盤をサポートする筋肉が弱くなります。
その結果不安定になり、腰痛を起こすことになります。
ホルモンが関係あるとは思いもよりませんでした。
腰回りの脂肪がつくときに危ないこと
安易な取り組みは問題を生むことにつながります。
例えば、カロリーを気にする余り、非常に食事のカロリーが少なくなると、筋量が落ち、代謝のスピードが極端に落ちます。
食べていないのに体重も落ちないという状況になる方が後を絶ちません。
しかも、十分な脂質やタンパク質を摂らないということも多くありますので、ホルモンの産生が減少し、様々な健康上の問題に悩むことになります。
精神的に病んでしまう方もあるので、余りダイエットだけで痩せようとするのは危険なのです。
腰回りに脂肪がつくということはストレスがしっかりあるということです。
そのために、自分のストレス源が何なのかを理解しておかなければ、腰痛を改善することも、脂肪を取り除くことも出来なくなります。
ダイエットをしたために余計腰痛がひどくなって、腰回りに脂肪が増えたというような状況になることもよくあることです。
よく理解しないで取り組むことは極めて危険ですから注意して欲しいと思います。
食べるカロリーが少なければ痩せると思っていのですが危険なんですね。
腰回りの脂肪がつくときにすべきこと
食事
バランスのとれた食事を取り、カロリーを取り過ぎないことです。
出来れば、トータルのカロリーを4食か5食に分けて食べるのが理想です。
お腹がすいているときに甘いものを食べることや手っ取り早い炭水化物だけというのを避けた方が良いでしょう。
血糖値が急に上がると、インシュリンが大量に分泌され、血糖値が下がり始めるとコルチゾルが分泌されます。
この状況が脂肪蓄積を促すので、この上下は避けたい状況です。
運動
食べるものをコントロールするだけでは腰回りの脂肪は効果的には落ちません。
運動が不可欠です。
いろいろな情報がありますが、有酸素運動をウォームアップとクールダウンを含めてやることがとても需要です。
筋トレが大切ということもよく言われることの一つですが、筋トレで故障する人も多くあります。
運動で燃えるカロリーはそれほど多くありません。
そのためにいかに身体が脂肪を燃焼する身体になるかということが極めて重要になってきます。
睡眠
十分な休息が出来ていないとコルチゾルの分泌のパターンが変わってしまいます。
眠りが十分でないとコルチゾルの分泌も異常パターンになります。
成長ホルモンも11時から12時、2時から3時の間に熟睡していると最も分泌されるようになります。
成長ホルモンの分泌が足りないと身体の疲労が抜けにくくなります。
ストレスコントロール
ストレスをため込むとやはりコルチゾルの分泌が増えてしまいます。
ストレスコントロ-ルには瞑想や日記を書くことも含まれます。
積極的な言葉を使うことも効果的です。
例えば、
「今日は約束をキャンセルされた。」を
「今日は急に時間が空いてゆっくり出来た。」というのでは大きな違いです。
物事の良い面を見るようにする習慣は大切なものです。
神経の流れ
脊柱がバランスがとれた状態で無ければ、身体のホルモン分泌を始め、代謝は十分に行われません。
神経の流れを整えることが身体の最大の働きを可能にする方法です。
そのためにカイロプラクティックは非常に役に立つことでしょう。
54才スーパー経営女性Mさんのケース
Mさんはダイエットしたくて、食事をカットしておられました。
あるときに激痛の腰痛になられて来院されました。
急にものを持とうとしたときに腰に激痛が走りました。
病院に行かれて、痛み止めが効かなかったので来てみたと話されました。
Mさんは若いときから家業を一手に引き受けてスーパーを大きくされた方で、大柄で、豪快なところのある方です。
夜の睡眠時間は5時間。朝早くから仕事し、夜遅くまで働いておられます。
とても働き者のMさんです。40才くらいからだんだん太ってきたので、痩せようと思って決心されてダイエットを始められたそうです。
一日の摂取カロリーが900kcalと非常に少なかったです。
もちろん、揚げ物や肉は避けておられました。
Mさんの仕事を考えれば、2000kcalでも少ないぐらいでした。
「誰よりも食事の食べるのが少ないのに、太るってありますか?」と尋ねられました。
「食べることが少ないので代謝が低くなってしまうと食べるものが少なくとも痩せないことがありますよ。」
と答えるとびっくりしておられました。
体温も低くなっていて、代謝が下がっているのがわかりました。
腰の柔軟性がなくなり、腰椎は側弯ができていました。
骨盤は動きが悪くなっていて、筋力も落ちていました。
カイロプラクティックで柔軟性を回復し、筋肉のバランスを取りました。
食事を食べることによって代謝も上がります。
身体の機能を考えると良質の脂肪も取ってやることが必要であることをお話ししました。
睡眠を増やすようにお勧めし、腰椎の体操をしてもらいました。
ダイエットはやめられて、健康的に食べるように努力されました。
結果的に体重が少なくなり、動きやすくなったと話されるようになりました。
このままダイエットを続けておられたら危ないところでした。
代謝が落ちているだけで無く、甲状腺や副腎も問題を起こすところでした。
身体がむしろ症状を出してくれたことでひどくなることを防ぐことが出来ました。
まとめ
腰回りに脂肪がつくのはストレスを身体が感じている証拠です。
腰痛になるのは自然の成り行きといってもよいものです。
安易なダイエットでは無く、健康になるという寒天からアプローチをすることが大切です。
そんな時にカイロプラクティックは大きな力になるでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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