肩こりやのぼせや疲労などを女性が訴えられることは非常に多くあります。
このような症状が続いて、病院の先生に診断を仰ぐと更年期の問題といわれることがよくあります。
しかし、この更年期の問題というのがわかるようでわからない問題です。
なぜなら、臨床像が幅広くて、どこが悪いのかよくわからないと感じるからです。
また、多くの方が持っておられるので、それは普通だろうかと思われる方もいらっしゃいます。多くの人が経験するからといってそれが正常というわけではありません。
肩こりで、更年期の問題といわれるときに理解しておきたいことがあります。
今回は更年期の問題で肩こりが出ていると言われる状態について解説してみましょう。
肩こりで見てもらったら、更年期の問題だと言われました。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
肩こりは更年期の問題なの?
肩こりは皆さんがお悩みの症状です。
女性では一番悩んでいる方の多い症状です。
多くの医療関係者にとって、概念的にはわかっていても、解決方法がよくわからないものの一つです。
検査結果に数字や画像として現れないからです。
そのためにとりあえず診断名をつけられることも多くあります。
50才前後の女性が不定愁訴でお悩みなら、多分更年期の問題といわれるでしょう。
症状が重症で、生活に大きな支障を来しているという場合には、さらに深く検査されることもあります。
しかし、多くの場合はそこまでで終わります。
もし薬が効果無いとするとほかには打つ手がありません。
メカニズムは大まかにわかっているものの、薬で変化がなかなかつかないために難しいと考えておられる方が多くあります。
なかなか変化がつかないから難しいんでしょうね。
更年期の問題ってなに?
女性がなぜ肩こりをはじめとする更年期の問題を経験することになるのでしょう。
これを理解するには副腎と卵巣の働きを理解する必要があります。
女性ホルモンは副腎と卵巣から分泌されています。
女性が45才から55才くらいになると卵巣の働らきが落ちて、女性ホルモンの分泌が少なくなってきます。
これはその年齢になると子供を新たにもうけることはないため女性ホルモンの必要が減ります。その需要に合わせて卵巣が女性ホルモンの分泌を少なくしていくのです。
副腎も女性ホルモンを分泌している臓器です。
ですから、卵巣が分泌しなくなって、全く女性ホルモンの分泌がなくなってしまうという状態がないようにバランスを取ろうとしているのです。
副腎はとても忙しい
女性が45才から55才といえば、子育てもお仕事をしておられる方であれば仕事もとても忙しい時期です。
金銭的にも家族に一番お金のかかる時期に当たります。
副腎というのは女性ホルモンのほかに、自律神経のコントロール、糖質のコントロール、塩分のコントロールなど、非常にいろいろな役割を持っている臓器です。
小さい臓器ですが非常によく働きます。
そのよく働く臓器が、忙しい時には過剰に働くことを求められます。
一時的には体はその要求に合わせて、過剰にホルモンを分泌してその急場をしのごうとするのです。
でもそれが常時続くと副腎は無理を続けます。
それでも頑張ってくれるのです。
その結果、あるレベルまで来ると副腎が働けない状態が来ることになるのです。
こんな時に卵巣が、女性ホルモンの分泌を落としてしまうと副腎にさらにホルモンを分泌するように要求するので、痩せ馬にむち打つような状態になってしまうのです。
ですから悪くなってしまう方は例外なく、無理をしていた方々です。
のんびりしていた方はそのような症状に悩まれないのです。
無理をずっと続けておられるために副腎が働けない状況になっているかも知れません。
肩こりで更年期と言われるのは危険です
更年期の症状といえば、のぼせ、めまい、疲れやすさ、腰痛、吐き気、肩こり、頭痛などあります。
これ以外にも原因がよくわからない不定愁訴を総称して更年期の問題としています。
ストレス性疾患とも呼ばれるように、ストレスとは切っても切り離せません。
それは先ほど説明したように副腎と密接な関係があるからです。
ストレスを受けたときに自律神経のコントロールや炎症のコントロールがうまくいかなくなるだけでも、体中にいろいろ症状が出てくるようになるのです。
このメカニズムを無視して、ただ症状を抑えるような薬では、問題が起こります。
ホルモン療法や抗うつ剤などが使われますが、原因を取り除かなければ、改善は難しいです。
原因というのは元々働きすぎや無理のしすぎという点です。
その状況を変えないで薬で対応しようと思っていると原因を取り除くことになりません。
改善しないだけでなく、問題がさらに重症化してしまうことになりかねないのです。
無理がいけなかったんですね。
更年期に肩こりならこうする
このような状況で、改善できることはたくさんあります。
改善すべきこと
睡眠不足、栄養バランスの悪い食事、刺激の多い飲み物、
食べ物を摂っている、夜更かし、完璧を目指す、
ストレス解消法がない、板挟み状態に自分がいる
などが問題を深くするようなことです。
こんな時にねこ背になり、浅い呼吸をするようになると肩がこるようになります。
すると良いこと
10時半に寝る。
笑う。
楽しいことをする。
感謝することに気付く
体を動かす。
調子の悪くなる食品を知る。
バランスよく食べる。
緑黄野菜をふんだんに食べる。
やめると良いこと
カフェイン・砂糖・アルコール・精白したものを避ける。
夜更かししない。
中毒になっている食品をやめる。
身体が重くなるような食品やめる。
朝食抜かない。
何よりもカイロプラクティックで神経の流れを整え、疲れを回復し、リラックスできるようにすることが、肩こりを含めてほかの症状を根本から改善することを可能にしてくれます。
50才主婦Eさんのケース
Eさんは肩こりがひどく、頭痛やめまい、吐き気がありました。
病院に行ったところ更年期の問題だと言われました。
抗うつ剤が出されました。
無理をしないように言われましたが、良くならず、来院されました。
元々肩こりだったEさんはちぎり絵を習い始められ、長時間うつむいて作業をされるようになりました。
寒いところでしておられるので、肩が余計緊張して、首が硬直するようになりました。
だんだん頭痛が起こるようになって、後頭部から側方に向かって痛みが出るようになりました。
作品を展覧会に出すことになり、普段以上に根を詰めてされました。
昼間では途中で邪魔が入るので、夜みんなが寝静まってからいつもされるので、睡眠時間も少なくなっていたようでした。
程なくめまいや吐き気が出るようになったそうです。
病院に行った後も、ちぎり絵はずっと続けてやっておられて、自分でも無理をしていると思っておられました。
無理をずっと続けておられるために、よくならないだけでなく、症状が悪化していることをお話ししました。
少しちぎり絵をお休みされるようお勧めしました。
カイロプラクティックの施術で首肩周りの関節の動きを整え、柔軟性を回復するようにしました。
首の体操や胸を張る体操をしてもらいました。
15回の施術で症状はなくなりました。
食事にも気をつけられるようになって、元気になられました。
ご自分でも悪いと思いながらライフスタイルを変えられなかったために改善しない状態が続いていたケースでした。
良くなるためにはマイナスを減らして、プラスを増やす必要があります。
そうすることによって加速度的に改善することが可能になります。
まとめ
体力落ちてくる更年期。
そんな更年期を乗り切るためには、自分の生活を整えて、回復できる体にしておく必要があります。
そうするときに体はいつも余裕があるようになって、元気でいることが出来るようになります。カイロプラクティックはそのお役に立つことが出来るでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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