ぎっくり腰になったときに湿布を貼ることは多いです。テレビで宣伝もしているし、病院でももらうけど、何をしているんだろうと思われる方も多いです。ぎっくり腰になられた人が湿布を貼っても良いかどうかを聞かれることが非常に多くあります。ぎっくり腰に湿布は役に立つのかどうかさへ定かでないという人もあります。また冷湿布と温湿布があるけどどう違うのだろうと思われる方も多くあるでしょう。湿布薬が何をしようとしているのか、どんな弊害があるのかをよく知っていないと痛い目に遭うこともあることを知っておくべきでしょう。基本的に湿布は根本に働きかけているわけではありません。あくまで対処療法です。それで良くなると安心しているのは安易な考え方です。湿布を使っても、原因を取り除かなければ、良くならないだけでなく、悪くなることもあります。それなら、カイロプラクティックで原因を明らかにし、その問題を取り除き、柔軟性を取り戻して、ぎっくり腰になりにくい身体を手に入れる方が、遙かに効果的です。
湿布薬はとても手軽なので、よく使うんですけど理由はわかりませんね。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
ぎっくり腰になって病院に行くと湿布をもらうけど効くの?
ぎっくり腰になって病院で湿布薬は当たり前のように処方されます。少しひんやりする気持ちがするけど、あれは冷やしているのだろうかと思う人は多いです。実際は冷やしているような気がするだけで、冷やしているわけではありません。冷やすのが必要な場合には水と氷を一緒に使うのが一番効果的です。温湿布といわれるものは表面に唐辛子の粒子が練り込まれています。これが温感を感じる原因です。暖めているわけではありません。基本湿布は消炎鎮痛剤です。炎症を収めて、痛みを鎮める目的があります。最近は薬が皮膚からしみこむようにしてあるものもあり、インドメタシンやNSAIDsなどが含まれています。そのため、痛みを抑える働きが強くなりましたが、同時にその副作用も経験される人が出てきました。そのためヨーロッパなどでは販売を禁止する措置を執っている国もあります。つまり、安易な利用は危険だということを知っておくべきでしょう。NSAIDsは、薬局で処方箋無く変えるような薬にも入っている非常に一般的なものですが、軟骨を再生する細胞の働きをブロックすることが研究で分かっており、痛みを抑える代わりに軟骨の再生を阻害してしまいます。しかも痛みの原因を取り除くのではないので、危険です。実は正確なメカニズムははっきりとは分かっていません。
副作用もあるんですね。
ぎっくり腰に湿布するのは気持ちの問題?
痛みが出たときに非常に良く処方されるので、湿布は効果があると思われる方もあるでしょう。しかし使っている人でそれが効果的だと思っている人はあまり多くありません。気休めだと思っておられる方も結構あります。これは気持ちの問題なのでしょうか?そういう側面もあるでしょう。実際多くの効果は望めません。でも、他に方法を知らないので湿布を使っているという方が多いのではないでしょうか。身体は非常に優秀なものです。炎症を起こすのは、起こす理由があるからです。炎症を起こすことにより、その部位に血液を集めます。修復して再生しようとするからです。身体がきちんとした神経の流れがある状況ではきちんと修復していきます。それまで関節を動かして欲しくないので、腫れたり、痛みを出してそれ以上問題を深めないようにしようとします。それを消炎鎮痛剤を使って炎症を抑え、動かそうとすることがどういう意味を持つか分かるでしょうか。動いて欲しくないところを改善しないで動かすわけですから、火災報知器がうるさいから取ってしまって、音が鳴らなくなったから火事は大丈夫と思っているようなものです。場合によっては極めて危険です。炎症が実は再生を促す身体の賢明な力だということは覚えておいて欲しいと思います。
炎症も大切なものなんですね。
ぎっくり腰ではどんな湿布が良いの?
実は湿布には市販の冷湿布や温湿布の他にもいろいろな湿布があります。冷やしたご飯を広げてそれを患部に置くもの、コンニャクを暖めてそれを患部に置くなど昔ながらのものがあります。最近では保冷剤などを利用するのも新しいタイプの湿布と言って良いでしょう。冷やすことが必要なら、水と氷を入れたビニール袋を患部に当てて冷やすのが効果的です。暖めるのもホットパックのように湿度のある温熱を当てる方が効果的です。市販のものは便利ですが、それ自体が問題の解決につながらないこと、さらなる問題を引き起こすこともあることを考えると安易に使うのはお勧めしません。
いろいろな方法があるんですね。
湿布はぎっくり腰の根本を改善するわけでないけど、改善する方法がある?
ぎっくり腰の根本を改善するのでなければ、どんな方法があるだろうと思われるでしょう。ぎっくり腰は、関節の配列の異常、動きの異常、筋肉のアンバランスなどが原因で起こります。カイロプラクティックでいうサブラクセーションです。サブラクセーションは、神経の流れを妨げて、痛みや動きを妨げ、機能を失わせます。このサブラクセーションは薬で改善しませんし、マッサージやストレッチでも変わりません。もちろん湿布もそれを改善しません。カイロプラクティックの施術だけがサブラクセーションを取り除くことが出来ます。サブラクセーションを取り除けば、神経の流れが整い、筋肉のバランスがとれ、動きが正常化し、機能を回復します。もちろん、サブラクセーションは症状があるときだけに見られるものではありません。まだ症状はなくとも存在することはよくあります。そういうときにサブラクセーションを取り除くことによって、ぎっくり腰になりにくい身体になることが可能なのです。
ぎっくり腰で湿布を貼って大変になった45才女性事務員のケース
45才の女性事務員のCさんが来院。Cさんは慢性的に睡眠不足があって、お休みでもあんまりのんびりすることがない方です。ぎっくり腰になって、病院に行って湿布をもらわれました。「度々ぎっくり腰にはなっていて、朝は腰がこわばっている。ちょっと無理するとガックッと悪くなります」といわれました。もらった湿布を貼って次の日になったらすごくかぶれました。かぶれたところが熱を持つようになってしまいました。Cさんは「大体、湿布でもテープではかぶれる」と言われます。「腰が痛いのにどうしたら良いか分からない」と言われました。皮膚はかぶれて、膿を持っているところも出来ていました。湿布を使って刺激が強すぎてかぶれたケースでした。
胃の調子も悪いとおっしゃっていました。含まれている薬剤の副作用と思われました。睡眠をきちんととるようにお勧めし、普段にしたいこと、しなければならないことを優先順位をつけてするようにアドバイスしました。Cさんは食事もあまり気にしておられず、水分も十分にはとっておられませんでした。食事が身体を作ることをご説明し、水分をしっかりとるように勧めました。
カイロプラクティックの施術を続けられ、朝起きたときのこわばり感がなくなり、腰が痛くて眠れないということがなくなりました。湿布のお世話になることも必要なくなりました。
まとめ
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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