肩こりはうれしくないものです。
重苦しくて辛くなります。
多くの人が辛い思いをしておられますが、それを感じておられない方もあります。
誰かが肩を触ったら、ものすごく硬いといわれることもよくあります。
患者さんの中でも、腰が痛くて来院された患者さんの肩を触るとものすごく硬くて柔軟性もなくなっている人があります。
「肩こりもひどいですね。」というと「肩は全く気になりません。」といわれる方がよくあります。
果たして、自分が感じてない肩こりは問題がないのでしょうか?
今回は自覚のない肩こりについて書いてみたいと思います。
良く肩がこってますと言われますが、全く自覚がないです。
症状がなくても悪い状態であることはよくあります。30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
肩こりを感じないので大丈夫?
人は症状を感じないなんてあり得ないと思われる方も多いと思います。
しかし、感じない人もあるのです。
無痛症と呼ばれる問題を持っている人は症状を感じません。
これは遺伝的な問題だと言われています。
指を切っても痛みを感じないのです。
痛みを伝えるチャンネルがうまく働かず、神経の信号が伝達されないのです。
同様に症状を余り感じないという人もあります。
悪い状態になれてしまって肩こりを感じにくくなっている人もあります。
例えば腰が痛いために意識が腰の方に集中して肩の方にいかない方。
忙しすぎて、自分の身体に気持ちが向いていない方。
肩こりが何かわかっていないために、肩こりの認識がない方。
こんな状態の方は今お読みの方の中にもあることだと思います。
実はこういう肩こりを意識していない方も、施術によって血流や神経の流れが改善すると肩がこっているのを実感されるようになります。
「サイレント肩こり」とでも言い表しましょうか。
症状があるはずなのに感じないというのは実は危険なことなのです。
サイレント肩こりチェック
1)壁を背中に当てるように立ってみましょう。
後頭部を壁にくっつけ、顎を引き、両肩を壁につけ、お尻を壁につけてみましょう。
その姿勢が余り意識しなくても出来るようであれば、サイレント肩コリではないかも知れません。
2)首の可動域を確認してみましょう。
右を向き、左を向いてみましょう。
左右均等に60度。
次は上下です。
制限があったり、痛みを感じるようであれば、サイレント肩こりかも知れません。
3)鎖骨から後ろ向かって手をすべらせて、親指と他の4指で僧帽筋をつかむ。
これが痛みを感じたり、硬くなっていると感じるならサイレント肩こりです。
結構首の動きは違いが出来ていました。
サイレント肩こりですね。
なぜ肩こりを感じない?
感覚というのは絶対的なものではなくて、相対的なものです。
分かりやすくいうといつも同じものでは無いということです。
例えば、痛みもうれしいときには痛みを感じにくく、悲しいときや怒っているときには余計に痛みを感じます。
全く同じ痛みであっても。試合で骨折をしたのに、試合中はわからなかったというような話を聞きますが、興奮状態で感じなくなっていたからです。
日頃から自分の身体に目を向けることをしない方は、自分の身体のことがわからなくなります。
基本的に肩こりはねこ背で運動不足です。
最近では仕事で動かない人がとても増えています。
指先や目だけが酷使されている状態です。
そのために血流が悪くなりやすい環境にいるのです。
夏でもクーラーがかかっていたりすると肩や首が冷えて、血流も悪くなり、筋肉も凝り固まった感じになってしまいます。
しかしそれがわからないとすると警告ランプがついているのに見ていないようなものですから、危険な状態といえるでしょう。
肩こりを感じない危険
肩こりを意識されなければ、肩こりを改善しようとは思われないでしょう。
肩こりはいろいろな問題の入り口のようなものです。
肩こりを意識しないまま、ねこ背を続けているとねこ背が姿勢化して、自分で改善できなくなってしまいます。
肩の痛み、肘の痛み、手首の痛み、指の痛み、腕のしびれ、指のしびれ、頭痛、顔の神経痛、顔の神経麻痺、顎関節の問題、寝違え、肋間の神経痛、心臓の症状、喉の弱さ、咳が止まらない、胃の不調、潰瘍などほかにもまだまだたくさんあります。
頚椎から出た神経が肩から指まで走っています。
頚椎に問題があるために神経の流れが妨げられて、上肢の痛みやしびれとなって出てきます。
脊柱の脇には自律神経が走っています。
交感神経と副交感神経が興奮と修復のバランスを取っています。
しかし、ストレスがありすぎる状態になると戦闘状態で、交感神経が優位になりすぎてしまいます。
自律神経は内臓に神経支配を送っていますから、交感神経が優位になりすぎると内臓の働きに問題が出ます。
ですからねこ背を改善しないと非常に多くの症状が見られるようになってしまうのです。
しかも、その多くが肩こりの原因のねこ背から来ているという認識がないので、ねこ背に対して無頓着になられるのです。
その結果として症状が改善しないために苦労なさることになってしまうのです。
症状がないから良いというわけでは無いんですね。
逆に危険ですね。
無自覚な肩こりがあるときにすること
サイレント肩こりチェックで問題を認められたなら、即座にねこ背改善に励みましょう。
自分で姿勢を改善することが出来るのであれば、ストレッチや体操も効果があります。
・頚椎のカーブを回復する体操
タオルを首の後ろに当て両手でタオルの両端を持ち、ゆっくりとタオルを前に軽く引張りながら頭を反らせます。
・巻き肩を改善し、ねこ背を改善する体操
背中で両手を組み、まっすぐ後ろに伸ばします。
両肩が後ろに行くように両肩を後方にゆっくり引っ張ります。
引っ張りきったところで首をそらします。
自分で姿勢を正そうと思っても正せない場合には、カイロプラクティックが必要です。
カイロプラクティックで背骨の柔軟性を回復することによって、神経の流れを整えます。
神経の流れが整うと筋肉の柔軟性が戻ってきて、バランスが整うでしょう。
そうすると自然に姿勢が改善します。
さらに悪い姿勢習慣に戻らないために、姿勢習慣についてのアドバイスやライフスタイルについてのアドバイスをもらうことによってねこ背になることなく、肩こり知らずの身体になることが出来るでしょう。
お休みもいろいろなところにいかれるアクティブな方です。
良く風邪をひくようになって調子が悪いと来院。
肩や背中はとても硬いとヘアサロンで言われるけど、そんなにひどいとは思わないと言われました。
食事は朝はギリギリまで寝ているので、朝食抜きで、昼は普通に食べ、夜は9時から10時くらいに食べるので、たくさん食べてしまうと言われました。
晩ご飯の時にはアルコールが欠かせないと言われました。
お休みの時にはポテトチップスとかスナックをよく食べると言われました。
スイーツは目がないと言われます。
食事は味が濃い方が良いと言われます。
いつも寝るのは2時くらいで、お風呂に入った後、ボーとする時間が必要と言われます。
姿勢を見るとねこ背になっていて、壁に背中をつけようとしても肩が前に丸くなっていて、つけることが出来ず、つけようとすると辛いと言われました。
頚椎の左右回旋も制限がありました。
伸展屈曲は制限があり、伸展は痛みを伴いました。
僧帽筋は硬く、頚椎の筋肉も凝り固まった感じになっていました。
2回施術をした後、なんだか肩がこったような気がすると言われました。
ライフスタイルを整えるようにお勧めし、食事の時間を変えるように勧めました。
睡眠をもう少し摂るようにお勧めしました。
首のカーブが回復する体操と両肩が後ろに下がるような体操をしてもらいました。
足を組む習慣があったけど、施術を受けるようになったら足を組みたくなくなったと話されるようになりました。
姿勢がかなり変わって、いろいろな人に言われると話されました。
自分の肩こりがわからなくなっておられるケースでした。
問題が深刻化してしまう可能性がありました。
体調が悪くなられたのが不幸中の幸いでした。
来院されずにそのままで過ごされるといろいろな問題が起こってしまうところでした。
まとめ
肩がこっているのに肩がこっているのがわからない場合にはとても危険な状態にいるといえるでしょう。
そういう指摘を受けたら、まず身体の姿勢がどうなっているかを確認し、姿勢が改善するように努力されることをお勧めします。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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