腰が痛いのは、いつも意識がそこにいくので、不快なものです。
やる気がなくなったり、いろいろなことをするのが億劫になって、すっかりネガティブになってしまう方もあります。
中には痛みのために夜眠れなくなって、精神的にも変調を来す方もおられます。
それだけに痛みが我慢できるからと放っておいたり、諦める必要はありません。
今回は特に右の腰が痛む時に、どんなことを考えたら良いのか、どんなことが心配なのかを考えてみたいと思います。
腰が痛む場所って意味があるんですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
右の腰痛む
右の腰が痛むといっても、筋肉が痛む場合があれば、神経が痛む場合があれば、靱帯によって痛む場合があれば、関節が痛む場合もあります。
それ以外にも内臓の問題がありますから、なかなかシンプルにというわけにはいきません。
筋肉が痛む場合には、その筋肉によっても違います。
脊柱起立筋、腰方形筋、腹横筋、大腰筋、縫工筋、四頭筋、内転筋、大殿筋、中殿筋、大腿筋膜張筋、ハムストリング、梨状筋などがあります。
神経にしても、座骨神経を始め、腰椎から出ている神経はみな問題を起こす可能性があります。
靱帯も腸腰靱帯などをはじめ各関節にある靱帯が関わる可能性多あります。
関節の腰椎、椎間関節、仙腸関節、股関節などいろいろな関節が関わっています。
内臓では、腎臓、尿管、大腸、小腸、虫垂などほかにも関係する臓器があります。
大動脈瘤や腫瘍、感染症など、病気にしても多くのものがあるのです。
これだけのものが関係しているということを理解しておくことが必要です。
まず一番危険なものから考えることが必要です。
熱があるか?
腰痛以外の症状があるかどうか?
姿勢によって痛みが楽になるか?
痛みが悪化していないか?
理屈にかなわない痛みで無いか?(寝ていて痛みはじめた。夜間痛がある。)
排尿、排便がコントロールできない。
このような痛み一つでもある場合には速やかに医療機関を受診すべきです。
これはとても大切です。
医療機関でレントゲン検査や血液検査、尿検査をして問題が見つからない場合には、機能異常が疑われます。筋肉、神経、靱帯、関節などすべて機能異常が起こります。
その機能異常がなぜ起こっているかを分析することが大切です。
危険な腰痛もあるんですね。
そうですね。意外と軽く考える方が多いですね。
右の腰が痛むときの処置
腰が痛む時に、病院では痛み止め、筋肉の弛緩剤、湿布薬、体操が主な方法です。
特に右の腰が痛むかどうかは関係がありません。
ただ、どうしても対処療法になってしまって、問題の改善を目指すのは難しいです。
ですから、同じような問題を繰り返してしまうという方が非常に多いのです。
右の腰痛むときすること
機能異常になっている場合には、姿勢習慣をはじめとするライフスタイルの問題が存在しています。
その場合には、習慣を改めることが大切になってきます。
右側の腰が痛む場合には右側の側弯ができていることが多くあります。
これは私たちの多くが右利きであることが原因です。
ズボンやスカートをはくときも右足から、ボールを蹴るときも右足で蹴ります。
椅子に座るときも足を組んで右に側弯ができるように座っていますし、テレビを見るときも寝転んで右手で頭を支えて右に側弯ができるように見ているはずです。
女性であれば床に座るときも横に足を崩して座りますが、多くの方が左側に足を崩すように横座りで座られるはずです。
こういう習慣が長い間続くと脊柱が側弯したまま固まってしまいます。
こういうときに寝不足、ストレス、運動不足、食事が不規則、過労になるとてきめんに右の腰が痛むようになってきます。
ストレスが強い場合には右の骨盤に、姿勢が体型化していると右の腰に痛みが出るようになります。
こういう場合にはライフスタイルを改善することが必要です。
睡眠をきちんと取るようにすること、ストレスコントロールすること、歩くような運動をすること、食事をきちんと取ることなどが非常に重要になってきます。
さらに右に側弯ができているときには、その側弯が改善するように右側向けて側屈をしてやることが大切です。
肩幅に足を開く
右手を右の腰に置く
左手を伸ばして、右側に向かって曲げていく。
10回を3分かけてするくらいゆっくり時間を取ってする。
カイロプラクティックは関節や筋肉のアンバランスを解消するために非常に効果的です。
体操と合わせてすれば、効果はさらに上がります。
ライフスタイルが大切なんですね。
右の腰が痛むときの注意
右利きの方は右に曲がる側弯になることが多いのですが、人によっては左側に曲がることがあります。
ですから、体操も自分がどちらに向いての側弯になっているかを確認することが大切です。
人によっては若い年齢から症状が出ます。
どうしてでしょう。
運動もせずに座ってばかりの生活が続いていると背骨の柔軟性がなくなります。
ご自分は柔軟性があると自負がありますから、柔軟性がなくなるなどとは夢にも思われません。
こういう方が運動をしないで姿勢に注意しないでいると、体が硬い方では考えられないような姿勢習慣をされるようになるのです。
痛みが出るのが遅くなる傾向があるので、痛みが出た段階では取り返しがつかないほどひどいゆがみになる場合もあるのです。
若い方で側弯のために痛みに悩まされる方は、どちらかといえば身体の硬い、柔軟性の無い方でしょう。
それだけに姿勢に注意されることはとても重要になってくるのです。
ポイント
側弯の向き
ほとんどは右側ですが、左の方もおられます。
確実にチェックしてください。
足を開いて、左右に側屈するとカーブのある側には曲がりにくいです。
姿勢習慣
自分がどんな姿勢習慣をしているか知ることが重要です。
その習慣をやめない限り痛みが再発したり、様々な別の症状が出るようになるでしょう。
側屈体操
前述。症状が出なくなったら、予防のための体操として続けるべきです。
雨の日に足を取られて転ばれて、その後痛みが出るようになった。
我慢強い方で、病院に行かず寝ておられた。右の腰が痛くて、寝たり起きたりも、歩くことも不自由だった。
2週間経ってご家族が病院にいくように言われて、やっと行かれると腰椎の右側が骨折していると診断がつきました。
3ヶ月入院されて問題ないということで退院されましたが、やはり歩くのが辛く、寝たりおきたりが辛かったそうです。
そのために来院されました。
一歩が足の長さの半分程度の歩幅しか出来ないほど、よちよち歩きになっておられました。姿勢を変えることも難しく、背中はねこ背でかばっておられるせいで側弯もできていました。
骨折は腰椎3番横突起の骨折でしたが、4番の関節と仙腸関節が動きが悪くなっていました。そのせいで筋肉のアンバランス、痛みが続いていたようでした。
しばらく施術を続けると腰の痛みが無くなり、歩くことも寝たり起きたりも出来るようになりました。
ものすごく老け込んだ感じでお越しになりましたが、とっても元気になられて、若々しさも戻って来ました。
骨折があったので、その骨折のせいですべての問題が出来ていると思われていたのですが、実は同時に別の問題があったケースでした。
同じようなところに問題があると外形上の変化があるところに目を奪われてしまいますが、このようなケースでは機能的な問題を分析しないと問題の所在を突き止めるのは難しいものです。
まとめ
右側に痛みが出る場合に、まれに重篤な問題が隠れています。
それを除外できれば、機能異常であることが多いです。
中でも側弯を作るような姿勢習慣が問題です。
ご自分の姿勢習慣を十分に吟味してみることによって、繰り返し起こる痛みを克服できるようになるでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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