運動をされると身体が鍛えられて、問題が起こりにくくなると考えられる方は多いでしょう。
しかし、鍛えられる一方で故障する方もとても多くあります。
運動をしていて故障されると皆さんが休まれるのですが、どういう形で復帰するかというのは専門家でも難しいことの一つです。
身体が鍛えられることと故障をしないということは同義語ではありません。
オリンピックの選手などは極めて身体が鍛えられていますが、故障する選手もたくさんあります。
では、なぜなんでしょう?
今回は、ギックリ腰になった人が、運動を再開するときに重要なこと一緒に考えてみたいと思います。
早く運動を復活させたいのに、やろうとすると痛みが出るんです。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
ギックリ腰の運動再開
ギックリ腰になって運動を中断しなければいけなくなることがあります。
ダイエットだったり、競技をしておられたり、健康のためだったりと理由はいろいろあります。
再開するときにはいろいろなことを考える必要があります。
なぜなら、ギックリ腰になって運動を中断することになったのは、そうなる理由があるからです。
身体は通常、精神的ストレス、化学的ストレス、身体的なストレスの中のどれか、あるいはすべてに適応しようとします。
ある段階までは、身体も柔軟に適応してくれます。
しかし、その状態がいつも続くようになると、身体が適応できなくなってしまいます。
その結果としてギックリ腰のような症状が出るようになってしまいます。
休むことによって身体の適応力が復元できれば良いのですが、身体にずっと無理をかけていると復元する力が落ちてしまっています。
そういうときには復帰するとすぐにまた症状が出るようになります。
だから、自分はもう運動できない身体なのだとかもう引退するような歳なのだと考えられるようになります。
何度休んでも良くならないから、運動はダメかなと思うようになります。
ギックリ腰の運動再開の気持ち
運動をギックリ腰などで中断しなければならなかったときには、なんとか早く運動を再開したいと思われるのが常です。
ですから、自分の状態について甘く見てしまうことが多いのです。
焦る気持ちとこれぐらいであれば大丈夫という気持ちがそうさせてしまいます。
さっき書いたように身体が適応できなくなって症状が出ている場合には、少々休んでも変わっていないことがあるのです。
もともと運動をしているのにギックリ腰になるときには、なんかの問題があるのです。
その問題を解決して上げることが必要になるでしょう。
また、再開が遅れていると焦ることにもなりますから、できるだけ元のレベルに早く近づけたくなります。
故障する前のレベルはすでに無理をしている状態ですから、それよりもかなり下のレベルでしばらくの間、運動を続けることが必要です。
焦りが禁物ということですね。
これがとっても大切なことですが、同時に難しいことですよね。
ギックリ腰の運動再開の危険
ギックリ腰になってしっかり休みました。
さあ、運動を再開しました。
5日ほどでまた痛めてしまいました。
こんなシナリオは非常によく見られるものです。
実は、こういうときには問題が何も解決されていないのです。
ギックリ腰になるときには、過労、ストレス、寝不足、不良姿勢、食事のアンバランスなどがあります。
仕事が忙しくて、睡眠時間を削っている、朝早起きをしてジョギングをしている、そんな人を考えてみるとただでさへ身体が疲れているのに、睡眠を削って運動する時間を作ろうとしています。
この場合に睡眠時間を確保できなければ、また同じようにギックリ腰を起こしてしまうのです。
運動はいつでもやれば身体が鍛えられるわけではありません。
同じように腰椎に側弯ができている人であれば、側弯ができる姿勢習慣を改善しないでいると少し疲れがたまればすぐにギックリ腰になります。
二度三度と繰り返すうちにやる気がなくなってしまうようになるのです。
自分の問題が何で起こっているのかを考えることが非常に重要だとお分かりになると思います。
ギックリ腰の運動再開に考えるべきこと
まず、悪くなる前の状況を振り返って、原因を考えましょう。
無理をしていませんでしたか?
ストレスを感じるような状況がありましたか?
睡眠はとれていましたか?
腰の脊柱がバランスがとれた状態になっていましたか?
食事の間があきすぎたり、食事を抜いたり、ドカ食いをしていませんでしたか?
トレーニングは無理になっていませんでしたか?疲れを引きずっていませんでしたか?
トレーニングの強度は強すぎませんでしたか?トレーニングの長さは長すぎませんでしたか?
以上のことを考えてそれを改善することが必要です。
そんな時に頼りになるのが国際基準のカイロプラクターです。
ライフスタイルの分析や姿勢習慣の分析を助けてくれるでしょう。
自分にとってふさわしい運動の強度を客観的に自分で判断することは極めて難しいです。
そこで役立つのがハートレートモニターです。
ハートレートモニターで、180−年齢−10の心拍数を上限として、それ以上にならないように運動をすることです。
もちろん、ウォームアップやクールダウンを最低でも10分はするべきです。
安静時の心拍数からターゲットの心拍数までゆっくりと10分かけて上げていきましょう。
ハートレートモニターを使えば、自分の勘に頼ること無く、身体の状態を的確に判断できるようになります。
無理をしていれば、たいした運動をしなくても心拍数が上がるようになります。
身体が出来ていない間は、以前に出来たことでも出来ない状況が出来るでしょう。
そんな時に我慢しながら続けているとだんだん身体が適応してきて心拍数が上がらなくなることでしょう。
急にギックリ腰になって腰が痛くなって、我慢していたところ足まで痛くなられました。
病院に行ったところ、休むように言われて2ヶ月休んだけれど良くならないので来院されました。
ジョギングが好きで、いつも朝走っておられ、1年にフルマラソンを何度かされるほどよく走っておられました。
急に痛みが出て、休んだけど、走らなくちゃダメだと思って走られた。
足の方にまで痛みが出たとはなされました。
お話を聞くと仕事で役職がついて、ストレスが増したと話されました。
前と比べて少し残業も増えて帰るのが遅くなるようになったそうです。
そのため夕食も遅くなるようになって、食べて寝るような状態だったそうです。
朝は疲れが抜けないのでなかなかジョギングに出るのが辛いけど頑張っていたとはなされました。
身体は腰椎に後弯が出来ていて、柔軟性がなくなっていました。
会社で座るときには浅く腰掛けて、変な格好をしていると話されました。
カイロプラクティックの施術で柔軟性をつけ、腰の後弯を改善するように背中を反らす体操をしてもらいました。
ジョギングもやめてもらっていました。
食事の時間を調整されるようになったら朝の目覚めが良くなったと喜ばれました。
改善が出てきたので、歩かれるようにお勧めしました。
徐々に改善してきたある日、Kさんが尋ねられました。
「初詣に歩いて行っても良いでしょうか?」
もうかなり改善していたので、「大丈夫だと思いますよ」と話しました。
次に見えたときに『余り良くなかったです。』といわれました。
「そんなに悪くなるような状態では無かったですけどね。その日はどんな天気でしたか?」と聞くと
「雪が途中から降ってきました。」
「それでも歩かれて悪くなるような状況では無かったですけどね」とはなしました。
松江の患者さんでしたが、行かれたのが出雲大社でした。
「どうしてそんなことを考えられたのですか?」と聞くと「
いつもは走って行くので、歩くのだったら良いかなと思いました。」
「では雪の中何時間も歩かれたんですね。」
「そうです。」
まさか何時間も歩いて出雲大社まで行かれるとは思いませんでした。
それだけよくなられたということですが、コミニュケーションの難しさと運動再開の指示の難しさを感じた経験でした。
まとめ
ギックリ腰になった後、運動を再開して、また問題が起きないようにすることは難しいです。
ハートレートモニターやカイロプラクターに助けてもらうと、安全に運動を再開させ、なおかつギックリ腰を予防することが出来るようになるでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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