最近では様々なテープをアスリートが貼っているのを見かけるようになりました。
そのためにスポーツ用品店や薬局に行くと所狭しとテープが並んで販売されています。
このテーピング、果たして効果があるものなんでしょうか?
そういう疑問をお持ちの方も多いと思います。
実はテーピングもいろいろあるので、すべてを同じように評価することは出来ません。
個々にその効用について見る必要がありますが、限りがありますから、出来る範囲で書いてみたいと思います。
腰痛になぜテーピングするの?
テーピングには大きく分けると2つのタイプがあります。
- 固定するタイプ
- 筋肉をサポートするタイプ
固定するタイプは伝統的な伸縮の効かないテープです。
捻挫や筋断裂などの時に動かないように圧迫、固定する目的で使います。
動きが必要な所に応急処置で使ったり予防で使ったりします。
これはかなり昔から使われているので、使い方がある程度定説になっています。
伸縮するタイプは関節可動域の制限や固定圧迫などの目的で使います。
筋肉をサポートする目的でも使われ、筋肉の保護や動作をサポートするという考えから使われています。
これは伸縮性のないテーピングと比べると比較的新しいテーピングですから、貼り方もまだまだ進化中で、定説になっていません。
貼る人ごとに違った貼り方をしているのが現実です。
テーピングを利用するときに知っておくべきこと
効果のあるテーピングをするには、いくつかのポイントがあります。
原因が特定できていること
腰痛は関節の問題で起こる場合もあれば、筋肉のバランスで起こる場合もあれば、ライフスタイルから起こる場合もあります。
原因をよくわかっていないのにテーピングをしても、けがをしている場所でないところにカットバンを貼っているようなものです。
原因にあったテーピングをしなければ意味がありません。
とりあえず貼ってみるは間違い
わからないからとりあえず貼ってみると考える方も多くあります。
とりあえず貼っておけばどれかが役に立つだろうというのは、お互いが打ち消し合って全く効果の無いテーピングになることもあります。
専門家でも悩むことがあるので、自己判断でするには無理があるでしょう。
なぜ貼るのかが重要です。
貼り方にコツがある
貼り方が間違っていれば、効果がありません。
微妙な違いが大きな違いにつながります。
よく学んでから貼るべきでしょう。
テーピングは補助
テーピングは筋肉の補助だったり、関節の安定を助けるものだったりします。
あくまでも補助で、その筋肉や関節を正常にしてくれるのでありません。
根本を改善しなければ、テーピングをずっと使い続けることが必要になります。
一本は安くても毎回使うとなれば高くつきます。
本来は一時的に使うべきものですが、問題をすぐに解決できないときの補助と心得ましょう。
腰痛にテーピングを使うときの害
テーピングは害がないと思っておられる方はたくさんおられます。
一番よくあるのはかぶれ。
肌の弱い方はかぶれることもあります。
汗をかくととりわけそうなりますから、スポーツをする人で肌の弱い人は注意する必要があります。
張り続けないで、貼っている間を置くことが大切です。
外傷に使う際には注意
外傷の場合には痛みが出たら、もっと重篤な問題だと考えてみることが大切です。
捻挫であれば、骨折の可能性もあるのですから安易に考えてテーピングでその場をしのごうとすべきではありません。
適切な医療機関で見てもらうことが大切です。
理屈にかなわない痛み
特にこれといって身に覚えがないのに痛みが出る場合は注意が必要です。
軽くくしゃみをしてから腰が痛くなったと言われるご年配の方が、2週間後ご自分でテーピングをしてみえたことがあります。
軽いくしゃみで腰痛になるということは普通ありません。
痛みが骨の上にあったので病院に行ってみていただくと圧迫骨折しておられました。
知識のない人が見よう見まね、独自の判断でテーピングをすると重篤な問題を見逃すことがあるので危険です。
腰痛にテーピングよりカイロプラクティックがよい理由
多くの場合、基本的に腰痛は姿勢習慣から来る場合が多いです。
柔軟性がなくなり、神経のバランスが乱れ、筋肉のアンバランスが出来、痛みを出すようになります。
その場合には固定したり、筋肉をサポートするテーピングは効果的ではありません。
関節の柔軟性をつけて、神経の流れを整え、筋肉のアンバランスを調整することによって体を整えることが早道です。
そのためにカイロプラクティックは非常に大きな力を発揮します。
しかも、ライフスタイルや姿勢習慣についてのアドバイスを受けることにより、姿勢から来る腰痛になりにくい体を作ることが可能になります。
姿勢習慣について何も知らずに関節だけを柔軟性をつけても、痛みが出るのは時間の問題です。カイロプラクターは姿勢の専門家です。
適切なアドバイスはほかのどこでも受けられないものです。
テーピングはカイロプラクティックの調整やアドバイスを受けた後にとても役に立つものといえるでしょう。
テーピングとカイロプラクティックの比較
41歳自営業男性のYさんのケース
腰痛になっていつも使っているテーピングで改善しようとしたYさん。
原因はスポーツをして腰を痛めてテーピングをしようと思いました。
普段からテーピングの心得があり、他の人にもしてあげていたYさん。
自分で張ってみました。
いろいろ張ってみましたが、余り楽になりませんでした。
次の日にはもう少し多めに使って張りましたが、大きな変化がありませんでした。
次の日からだんだんかぶれてあちこちが真っ赤になっていました。
とってもかゆくて血がにじむようになってしまってYさんはテープを剥がしました。
友人に紹介を受けて来院されました。
Yさんはサッカーを熱心にしておられました。
ジュニアのサッカーチームなどを見てあげていたのでテーピングはお手の物でした。
テープでかぶれたあとはかなり広範にありました。
かなり痛々しい状態でした。
もともとアトピーがあって、皮膚が敏感でした。
今まではそれほどテープは使っておられなかったようです。
かなり痛かったので使おうとされたようです。
「自分でどこが悪いのかよくわからなかったので、とにかく知っているテープングをみんなした」といわれました。
筋力を検査してみると大腿の後方の筋肉が弱くなっていました。
骨盤もそれに合わせた歪みがありました。
残念だったのは、されたテーピングは、一番の問題に対応したものでなかったことです。
たくさんのテーピングをされていましたが、どれも体の問題を補うようなものではありませんでした。
骨盤をカイロプラクティックで施術すると痛みはかなり楽になりました。
また弱かった筋肉も改善しました。
5回ほどのカイロプラクティックで骨盤も筋肉も正常に戻り、元気な表情になられました。
テーピングが害になったケースでした。
人にするのと自分でするのでも差がありますが、特に自分でする場合には自分の問題がどのような問題かを確認した上でテーピングを使いたいものです。
よかれと思ったことが悪化につながらないために注意したいです。
まとめ
テーピングは上手に使えば価値がありますが、下手に使うと意味が無いばかりか害になることもあるということを覚えておいてほしいと思います。
独りよがりのテーピングは危険なのです。
国際基準のカイロプラクターは筋肉や骨格についてもしっかりした知識を持っています。
ライフスタイルや姿勢についてのほかに、適切なテーピングについてのアドバイスをもらうことが出来るでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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