アスリートの苦労した姿のテレビとかを見ると必ず、血を流すようなリハビリをしているような映像を見ます。
そのために、故障はトレーニングによって改善するものというイメージが定着しています。
しかし、故障をしてそのままトレーニングをして一層悪くなったり、引退しなければならなくなったアスリートは数知れずあります。
いい指導者がいることはとても大切です。
障害のメカニズムを知っている人が特に必要です。
ジムのトレーナーなどは訓練についてよくご存知ですが、障害のメカニズムについてよくご存知ないので、自らが故障される方もよくあります。
障害のメカニズムを知っているカイロプラクターにアドバイスを求めることは非常に大きな安心につながります。
ただむやみにトレーニングしても腰痛はよくなりません。
上手にトレーニングして初めて効果的なトレーニングになるのです。
鍛えると腰痛はよくなるというわけではないんですか?
上手にトレーニングすると回復しますが、下手なトレーニングは故障につながります。
腰痛でトレーニングはどう?
腰痛は一体なんでしょう。それを考えると答えは自ずと明らかになるでしょう。
腰痛は、体の叫び声です。無理をしていたり、何らかの問題があってそれ以上は無理をしないでといっているのです。
そのときにトレーニングをするのは、フルマラソンを走りきった後にもう一度フルマラソンをしなさいというようなものです。
無理に無理を重ねることです。
トレーニングをするとよい筋肉が出来ると単純に思っておられる人が多いです。
実はトレーニングをすると筋肉の繊維に傷をつけているのです。
その傷が回復するときにより強い筋繊維が出来るのです。
ですから、すでに余りよくない筋繊維をさらに傷つければ故障になってしまうので、安易なトレーニングは危険です。
状況によってはトレーニングが可能です。
よく体のことがわかっている指導者の指示に従うことが大切です。
No pain No gain(痛めつけなければ、意味がない)的な指導者は注意した方がいいです。
腰痛でトレーニングをするときの危険性
腰痛でトレーニングするときに、多くの人が自分の経験や週刊誌などで得た知識を使います。
しかし、多くの場合に間違っています。
書かれた内容は正しくても、引き出してきた内容が間違っているということはかなり多くあります。
自分の勝手な解釈です。
元気なときには問題のない強度も、調子が悪いときにはすごく強い強度のトレーニングになります。
そういう意味で客観的な目安になるものが必要です。
それがないと自分の勘に頼ることになっていい加減なことをしている場合もあります。
でも客観的に見るのは難しいですね。
腰痛でトレーニングをする方法
腰痛でトレーニングするにはハートレートモニターを使われるようにお勧めします。
ハートレートモニターは、自分の今のトレーニングが体にどれほど負荷をかけているかを教えてくれます。
自分が大して疲れていると思わなくとも、心拍数が上がっていれば、疲れているし、トレーニングの強度が強すぎることを教えてくれます。
腰痛があって、トレーニングしようと思っても、ハートレートモニターが自分のターゲットゾーン以上になるときには、やめることも必要です。
また、回復しようと思っているときは特に痛みが目安になります。
痛みがあるのに無理矢理は危険です。心拍数に極めて従順であれば、トレーニングによって回復することも可能です。
腰痛でトレーニングする注意
結果を出そうと焦らないことです。
どうしても元々していたトレーニングのレベルにならないとだめだと考えて無理をしてしまう方が多くあります。
強度も時間もです。ゆっくりにする方が体の修復にはよい効果があります。
時間も長いトレーニングが必ずしもよいというわけではありません。
回復できるレベルを行うことが必要です。
30分から45分で十分かも知れません。
ハートレートモニターをいつも使うことによって、問題があるときには心拍数が上がってわかるようになります。
天気や温度、風の状況などが心拍数にも影響することがありますし、風邪気味の時など何もしなくても心拍数が上がっています。
客観的な指標になるものがなければ、いつも同じようにトレーニングをしてオーバートレーニングになってしまいます。
控えめにするということが大切です。
腰痛になっている時点で、体は余裕がない状態になっています。
鍛えてやろうと思うよりもむしろ、循環をよくして老廃物が早く取り去れるようにしようと考えた方がよいでしょう。
腰痛があるときトレーニングよりカイロプラクティックを
腰痛があるときには体がアップアップしているときですが、そんな時には早く体を腰痛から回復させる方が早道です。
カイロプラクティックは体のこと、トレーニングのこと、障害のこと、回復についてよく理解しています。
カイロプラクターに相談しながらトレーニングするときには腰痛になりにくいだけでなく、運動もパフォーマンスアップが図れます。
自分の勘に頼って、意味のない問題を繰り返すのはやめましょう。
43歳男性会社員のDさんのケース
Dさんは腰痛、ふくらはぎの攣りで来院。
Dさんはマラソンやトライアスロンをしておられたのですが1年半前レースをリタイアしてから調子が悪く、練習も出来なくなっておられました。
2度復活しようと思って痛みがひどくなったそうです。
しっかり休んで再開するとすぐに足がつり、腰が痛くなって走れなくなります。
「引退する必要があるかと思っている。」と話をされました。
Dさんは営業職で、結構残業もある方です。
そのため以前から練習時間を見つけるのが大変でした。
1年半前に仕事がかなり忙しくて、余り練習できないでレースに出たら、腰が痛くなり、足がつって途中でリタイアされました。
その後練習を3ヶ月休み、病院に通院して、また練習を始めるとすぐに腰が痛くなって、足がつるようになりました。
今回はなかなか回復しないため、6ヶ月練習を休んで、病院から許可をもらって練習を再開、1週間で同じ症状が出るようになりました。
トレーニングして何とかしようと思って、ジムにいったり、マッサージや整骨院にも行かれましたが、余り変わりませんでした。
いくら休んでも軽い練習でも症状が出るので来院したといわれました。
腰から骨盤にかけては柔軟性が全くなく、骨盤には大きなズレが出来ていました。
足関節にもズレがあり、この二つが原因と考えられました。
仕事で責任が大きくなって、部下も増えたため、ストレスが非常に強くなっているようでした。
レースでリタイアしたことも自信をなくす原因になっていて、それを引きずっている感じでした。
睡眠時間は6時間、食事は朝抜き、夜は10時くらいに食べておられました。
練習が出来るときには追い込むタイプの練習を多くしておられて、無理をしておられました。
レースに出られる頻度も多く、1ヶ月に2度のフルマラソンなどをしておられました。
カイロプラクティックの施術をして骨盤や腰のズレを矯正しました。
睡眠時間を増やし、食事の時間をきちんと食べるようにお勧めしました。
練習はハートレートモニターを使ってするようにお勧めして、ご自分の体調をトレーニングダイアリーに記録されるようにお勧めしました。
痛みがなくなってからトレーニングをするようにして、127拍/分以上にならないレベルでするようにお勧めしました。
3週間もするとゆっくり走っても痛みが出なくなり、足もつらなくなりました。
徐々に走れるようになって、3ヶ月して132拍/分にあげるようにアドバイスしました。
毎日45分走ることが出来るようになられました。
Dさんは昔のように走る楽しみを感じているといわれるようになられました。
腰痛で苦しまれたケースでした。
回復したと思っては悪くなるのの繰り返しで、精神的にもかなり落ち込んでおられました。
ストレスの多い仕事をしながらトレーニングをする難しさを感じた症例です。
自分で一人で判断すると自分について客観的に判断することが難しいです。
いいコーチがあることは、本当に大切です。
Dさんにとってはそれがハートレートモニターとカイロプラクターでした。
ハートレートモニターとカイロプラクターは最高のコーチです。
まとめ
腰痛の時にトレーニングをすることがよくあります。
特に痛めるぐらいでなければ、効果がないと思っておられる方にとっては、鍛えて改善しようとされます。
外傷の場合には鍛えることによって周りの筋肉を鍛えることが必要ですが、自然と悪くなったものに関しては、原因を見つけて取り除かなければ、元気になることは難しいです。
そんな時にトレーニングやライフスタイルに理解のあるカイロプラクターがそばにいることは大きな安心につながります。
トレーニングと健康に関してのコーチとしてカイロプラクターに話をされることをお勧めします。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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