「ぎっくり腰」というのは、突然に痛みが来るから名前が「ぎっくり腰」とついたユニークな名前です。
欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれて、なんともおどろおどろしい名前がついています。
ふとした瞬間、急に何かしようとした場合、重い荷物を持とうとしたとき、体をひねったときに立っていられないほどの痛みが走ります。
余りお目にかかりたくない腰痛の一つです。
どんなときにもなる可能性がありますが、朝になる方は比較的に多いです。
夕方ではなく朝になるにはなる理由があります。
だから朝注意すればよいというものではありません。
原因を知っているとそうならないようにすることは可能です。
今回は寝起きに起こる腰痛について書いてみたいと思います。
ギックリ腰は痛いですよね。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
寝起きに腰痛になる?
どうして寝起きに腰痛になるのでしょうか?
寝ているときには動きも少なくなり、血液の循環が悪くなっています。
病人の方が床ずれを起こすのも血液循環がなくなっているからです。
ですから、体の柔軟性がなく、筋肉が硬化している人は、大きな血管は流れますが、小さな血管は流れが極端に悪くなっています。
その方が寝るとさらに循環が悪くなるために、筋肉が余計に硬化してしまいます。
だから朝には循環の悪い状況が出来ているといえるのです。
元々柔軟性がなく、関節の悪い方は、体の動きについて行けないぐらいになっていることも多いです。
その結果として体が悲鳴を上げることになるのです。
ご自分でも朝危険だなと感じられることがあるかも知れません。
また、腰痛にならないように気をつけているという方もあるでしょう。
寝起きに腰痛になる時の問題
残念ながら、寝起きになる腰痛も含めて、「ぎっくり腰」のリスクというものがわかっていないと西洋医学のリサーチではいわれています。
これだけ多いのにそれがはっきりとわかっていないとされていることは驚かれると思います。
筋肉骨格の機能低下という概念がないために、わからないといわれることが多いです。
病院では病理、つまり形の変化を伴うものを探します。
骨折や脱臼や変形などがそれに当たります。
しかし、多くの腰痛にはそのような病理を伴いません。
そのためにわからないといわれるのです。
機能異常の概念はカイロプラクティックでは非常に当たり前に使われます。
例えば、健康と病気を一本の線の右と左に置くとその間はたくさんあります。
西洋医学のモデルは白と黒です。
検査に引っかかれば黒、つまり病気です。
検査に引っかからなければ白、つまり健康であると考える考え方です。
カイロプラクティックでは白と黒の間には無数の灰色があると考えます。
黒に限りなく近い灰色から、白に限りなく近い灰色までたくさんの灰色があると考えます。
病気ではないがそのまま放っておけば、黒になっていく状態を機能異常と呼びます。
腰痛にはこの灰色の状況が非常に当てはまります。
検査では陽性に出るものはほとんどありません。
だから病気ではありませんが、うまく機能が出来ていない状態が多くの腰痛と考えても良いでしょう。
検査に引っかからなくてもグレーゾーンにいることがあるんですね
寝起きに腰痛になると困ること
病院に行くとレントゲン検査や血液検査などをされるかもしれませんが、どれも特に異常ないと結果が出ます。
そうすると「痛み止めを出しておきますから様子を見てください」といわれるでしょう。
痛み止めが効いても効かなくても、痛み止めは問題を解決するものではなく、痛みを感じないようにしているだけです。
もちろんそれによって、休息がとれたり、痛みから一時的にも解放されるなら、それはそれで価値のあることです。
しかし、ボヤが出て火災報知器が鳴っているときに、「うるさいから火災報知器の電源を切ってしまえ」というのはまだ火がついている問題に対して何もしていないので、大火事になるかも知れないのです。
同様に痛みを抑えただけでは、原因を取り除くことが出来ないのです。
そのために何度も同じような痛みを経験していき、だんだん腰に自信がなくなるという方も少なくありません。
痛みが無くなったら治ったと思っていましたが、違うんですね。
寝起きに腰痛になる人がカイロプラクティックを必要とする理由
前に書いたように、カイロプラクティックは機能異常の認めて、それを見つけ、改善する方法を持っています。
機能異常の鍵となるものが関節の機能異常で、サブラクセーションと呼びます。
このサブラクセーションを取り除けるのはカイロプラクターだけです。
マッサージや薬では改善しません。
灰色のたとえでいえば、灰色を見つけて、白に変えていくスペシャリストがカイロプラクターです。
またカイロプラクターはライフスタイルに注目します。
ライフスタイルは一人一人違っていて、独特のものがあります。
それをよく考えて、現在の問題が出来たメカニズムを考えることがカイロプラクターの得意分野です。
だから、カイロプラクティックの先進国では、カイロプラクターは腰痛の専門家とまで呼ばれています。
それだけ機能異常を見つけ取り除くことが出来るからです。
もし、寝起きに腰痛になったという人があれば、カイロプラクターに相談してみるべきでしょう。
きっとあなたの腰痛の解決策をともに見いだしてくれることでしょう。
42歳会社員男性Eさんのケース
Eさんは朝起きたときに寝床から立ち上がろうとして腰に激痛が走りました。
病院に行き注射を打ってもらって、仕事を休みました。
3日経っても痛みがよくなりませんでした。
そこで困って知人の紹介で来院されました。
今までも何回か腰痛になって会社を休んだことはあるけれど、今回みたいな激痛は初めてだといわれました。
ずっと前から腰は重かったそうです。
特に朝が悪かったので、いつも気をつけて起きておられました。
痛みの出た日には急ぎの用事があって、不用意に起きたといわれました。
ただ、普通であれば、立ち上がるだけで痛みが出ることはないはずですから、もういつ腰痛になってもおかしくないようなお膳立てが出来ていたのでしょうと話しました。
Eさんは車に乗られることが多く、いつもシートを倒して乗っているといわれました。
食事は朝は抜いて、昼休憩に昼食をとるけれど、お腹がすいていて大食いになるといわれました。
食べて1時間くらいするととても眠くなるといわれます。
夜は8時くらいに食べておられました。
晩酌をされるので、飲んだ後は眠くなって枕を高くして寝ながらテレビを見ているといわれました。
そのまま寝てしまうこともよくあるとのことでした。睡眠時間も5時間ほどでした。
姿勢を見ると腰椎の前弯がなくなり、後弯気味になっていました。
背骨の両側の筋肉も硬化していて、柔軟性がありませんでした。
骨盤も歪みが出来ていて、筋肉のアンバランスがありました。
会社でも上司とうまくいかず、いじめられているような気がすると話をされ、ストレスのレベルもかなりでした。
柔軟性が戻るような施術をし、腰椎の後弯が改善するように背屈の運動をするように勧めました。
食事をちゃんと食べるように勧め、少しの間晩酌を週末だけにするように勧めました。
睡眠時間を7時間くらい取るように勧め、寝ながらテレビはやめるようにアドバイスしました。
腰痛は骨盤と腰椎が動くようになると痛みが急激に楽になりました。
ライフスタイルを変えたためにイライラしなくなり、上司との関係もよくなってきたと話をされました。
姿勢やライフスタイルが原因で柔軟性がなくなり、腰痛のカウントダウンが始まっていたケースでした。
寝起きに痛みが出るということは健康ならありません。
そんなことで痛みが出るようであれば、何も出来なくなります。
そんなことで痛みが出るのは、もう何をしても痛みが出る状態だったことを意味します。
Eさんもストレスや姿勢、ライフスタイルで体がいっぱいいっぱいだったから、寝起きに激痛の腰痛が出ていました。
ライフスタイルが本当に大切であることを再認識するケースでした。
まとめ
寝起きに腰痛になるほど辛いものはないでしょう。
多くの場合に腰痛は激痛です。そういうときに助けになるのがカイロプラクターです。
ご自分のライフスタイルが原因で腰痛が出来ていないかを一緒に考えてくれることでしょう。
腰痛になりにくい体を勝ち得るためにはカイロプラクターは心強いコーチといえるでしょう。
あなたもカイロプラクティックの門を叩いてみませんか?
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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