サプリメントについて
多くの人が何らかの期待を持ってサプリメントを摂っておられます。
時には過剰の期待をかけておられる方もおられます。
それが効果的かどうかを分かっておられる方はそう多くありません。
良く患者さんが特定のサプリメントを摂っておられると『そのサプリメントを使ってみられてどうですか?』と聞いてみます。
『さあ?いい値段だったし、効いているんじゃないですか。』といった回答をもらうことが良くあります。
サプリメントはどんな摂り方をしても、どんな製品でも大丈夫と思っておられるように思います。
薬に関しては神経質な方もサプリメントになるととたんにハードルが低くなります。
でも、サプリメントも薬並みに慎重になる必要があります。
サプリメントの摂り方
サプリメントを摂る時にこの症状に効果的だから摂るということが多いのではないでしょうか。
しかし、この様な摂り方は全く薬的な発想です。
食品を食べる時に毎日この野菜はこの症状に効くと考えることをあまりしないなら、食品であるサプリメントもその様に考えることは危険です。
サプリメントはどの様に摂っても害はないと思っておられる人も多くありますが、実は害があります。
ミネラルを例に取ってみれば、いくつかのミネラルはお互いに拮抗関係にあります。
カルシウムとマグネシウム、カルシウムと鉄などは一つのミネラルを摂りすぎると、反対のミネラルが不足を起こすようになってしまうものの例です。
また、ビタミンAなどは脂溶性のビタミンのため分解して体外に出すのが難しいので、摂取量をコントロールしなければならないものの一つです。
吸収についても考える必要があります。
たとえばカルシウムを摂れなくするものがあります。
過剰な炭水化物の摂取は繊維やシュウ酸を含んでいる為、カルシウムの吸収をブロックします。
カフェインは血中のカルシウムレベルを減少させます。
リンは非常に害があります。
カルシウムを筋肉や骨から取り去ってしまうからです。
大抵の炭酸飲料は多量のリンを含んでいます。
だから炭酸飲料を飲む人は歯や骨からカルシウムを失う可能性があるのです。
だから、過剰に炭酸飲料を飲んだり、コーヒーを飲んでいる人がカルシウムを飲むのは効果的とはいえないわけです。
サプリメントの選び方
サプリメントを選ぶ時に、どんな原料から出来ているのか?どんな方法で出来ているのか?ということは大変重要なことです。
時には値段は品質をあまり表していません。
高いからいいとはいえないのです。
ラベルが同じであれば皆同じ商品だと思っておられる方も多いのではないかと思います。
たとえばカルシウムを考えてみると、原料が石であったりすることもあります。
人間の体が石を効果的に消化できるかというと難しいでしょう。
多くのサプリメントが熱を使っていて、加工の途中で、重要な栄養素が破壊されたりすることもあります。
理想的には、フリーズドライを行っている製品が望まれます。
また自然な食品を自然のままに錠剤にしたものが最高です。
サプリメントの落とし穴
アメリカではサプリメントの先進国らしく、多くの人がサプリメントを摂っています。
中には大きな壺のような大きさのビンから豪快にサプリメントを口にほおりこむ人も見られます。
しかし、多くの人が逆に特定の栄養素の欠乏症になっていたりします。
そういう患者さんを結構見ました。
通常のサプリメントの分量はかなりの高分量が一定に入っています。
たとえば、ビタミンCのサプリメント一錠摂ると、グレープフルーツ50個分と同じなどと宣伝されています。
通常、一日に50個のグレープフルーツなど食べることは不可能です。
ですからかなりの高分量といえます。
余り高分量のものは合成であることが多いということを注意して下さい。
低分量のものをお薦めします。
一般的に食品からでもサプリメントからでも少量の方が多量よりもよく吸収されます。
腸の中に少量のカルシウムが存在するとき70%が吸収されます。
一方で多量に存在すると30%の吸収率になります。
だから一度にたくさん一回だけ摂取するよりも数回に分けて摂取する方が効果的です。
以上見てきたように、簡単にサプリメントを摂ることは気を付けなければなりません。
また、定期的に評価しなければ、必要かどうかも変わることがあるのを覚えていて欲しいと思います。
サプリメントを摂る時に考慮すること
- きちんと食事を摂り、サプリメントは食事の代用にならないことを理解しましょう。
- 体が必要かどうか評価しましょう。
- 原料、作り方などカタログやラベルを読みましょう。
- バランスを考えましょう?
- 高分量のサプリメントは注意しましょう
- 一度のまとめて摂るより、数度に分けましょう。
- サプリメントは薬ではなく食品です。食品と同じように噛みましょう。

鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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