トレーニングによって同じ努力でもっとスピードが出せるようになることは可能です。これはトレーニングスピードだけでなくレースのペースも上がるようになります。
その際にハートレートモニターを利用してMAFテストを使い、客観的に能力を測ることができるようになります。
自分の改善を客観的に測定する
MAFテストはエアロビックベースをつくっているときに行います。エアロビックシステムが改善される時のエアロビックスピードの改善を測ることが出来ます。客観的な測定法がなければすべてはうまくいっていると考えて自分をごまかすことになるでしょう。
MAFテストは持久的なことならどのようなにも使うことが出来ます。あなたの目標は最大エアロビック心拍数でいかに速く走ることが出来るかを測ることです。または、決めた時間内でいかに遠くまでいくことが出来るかを測ることです。
MAFテストの間に使う最大エアロビック心拍数は180公式で算出します。その心拍数でトレーニングするときペース(km/分)、スピード(km/時間)を一定にして使うことに決めます。このテストをエアロバイクなどで行うとすれば、ワット数なども使うことが出来ます。
例
もし、ランニングでMAFテストをするとすれば、自分の最大エアロビック心拍数でトラックを走ってテストします。5kmのランニングは多くの情報を与えてくれます。(このテストは必ずウオームアップをしてから行いましょう)
以下にトラックでした5kmのランニングのMAFテストの結果を載せてみましょう。
1km 5:21
2 5:27
3 5:38
4 5:44
5 5:49
5km走る間に少しずつ遅くなるのは正常です。さいしょの1kmが遅ければ、最初の1kmと最後の1kmはもっと遅くなります。例えば、最初の1kmは5:17のペースであれば、5番目の1kmは6:20になるでしょう。もし最初が3:50であれば、最後の1kmは4:14になるでしょう。
MAFテストをする時には徐々にラップタイムが遅くなってきます。最初の1kmがいつでも一番速く、最後の1kmが最も遅くなります。もしそうならなかったとすると、ウオーミングアップが充分に出来ていなかったのでしょう。例えば最初の1kmが6:46で、2km目が6:39だったとき、そう疑ってみた方が良いでしょう。
さらに、MAFテストは週を重ねる毎にタイムが上がっていきます。しかし、これはエアロビックベースをつくっている間だけ起こります。以下に、実際に起こる進歩の様子を書いてみましょう。
4月 5月 6月 7月
1キロ 6:21 6:11 5:57 5:44
2キロ 6:27 6:18 6:05 5:52
3キロ 6:38 6:26 6:10 5:59
4キロ 6:44 6:33 6:17 6:09
5キロ 6:49 6:39 6:24 6:15
MAFテストのやり方
1年を通し、MAFテストを定期的にして、グラフにしましょう。これを3週間毎にするようにしましょう。それ以上すると精神的にストレスになりますから。エアロビックスピードは1週間では大きくは変わりません。このテストを頻繁にし過ぎるとアスリートに有りがちの、体重計に毎日のってみるのと同じような脅迫観念に捕われることにります。
不規則にテストをしたり、あまり行わないのもこうかてきではありません。いつトレーニングが本来の状態からそれているかを知ることが出来なくなります。進歩が見られないときはトレーニング、食事、ストレスなど何かがうまくなされていないことを意味しています。レースで失敗してからでは遅すぎます。
MAFテストの特徴
MAFテストの利点は自分が怪我をしたり、成績が落ちるののずっと前からそれを知らせてくれることです。評価するときに何が正常で何が異常かを知っていることは非常に大切です。持久系のトレーニングの間に3つの段階を経験します。それは進歩、伸び悩み、後退です。
エアロビックシステムをうまく伸ばしていくとエアロビックスピードを伸ばすことが出来ます。これは進歩の段階です。時によっては何年も悪くなることなく伸びていくかもしれません。しかし、もしかしたらいまの段階は伸び悩みの段階かも知れません。
最初、非常に大きな改善が見られます。1kmを少ない時間で走ることが出来たり、1時間でたくさんの距離を走ることが出来るようになります。時間の経過や進歩してくると、進歩はゆっくりとなってきます。
伸び悩み
いつかは改善が頭打ちになるときが来ることでしょう。伸び悩みはふたつの種類があります。一つは正常、一つは不健康なものがあります。
MAFテスト成績状況 | 正常な頭打ち | 異常な頭打ち | テスト成績の低下 |
理由 | 数週間から1−2ヶ月
特に問題はない。 |
ストレス、オーバートレーニング、脱水症状、不適切な食事、栄養のアンバランス | ストレス、異常な頭打ちの理由が長期間続いた結果 |
対処法 | 特になし | 専門家、原因を取り除く | トレーニングを50%減らす。
アネロビックトレーニングを完全にやめる。 |
MAFテストの成績が落ちてくる最初のころには、怪我をしそうな感じや調子悪いなどと感じないことも多いものです。ただ、おかしいと感じさせてくれるのはMAFテストだけかもしれません。
自分のからだの感覚を無視していると、ついにはカイロプラクターに応急処置を頼むことになります。大抵、疲労、怪我、病気、もしかしたら精神的な問題までも起こすかもしれません。持久能力が低下すると健康も害するようになっていきます。
MAFテストに影響する要因
テスト結果にはいろいろな要因が影響します。
トラック 全天候型→改善 土→低下
インドア 400m→改善 200m→低下
天気 風 →低下 雨/雪 →低下 湿度→低下 低気圧→ 低下 高温/低温→低下
高度 高い→低下 低い→改善
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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