夜寝るときに痛みも何も感じずに、赤ちゃんのように眠れたらと思われる方は決して少なくありません。
眠りの質は実は身体に大きな影響を与えるのです。
睡眠が少ないのは大きなストレスを抱えているのと同じ働きがあります。
腰痛になって夜痛くて眠ることが出来ないといわれる方によくお目にかかります。
夜、床で寝たくないといわれる方も多くあります。
しかし、夜、床で寝ることが難しい状態は非常に危険な状態であるサインです。
今回は腰痛と床で寝ることとの関係について話してみましょう。
床で寝ると背中が痛いんですよね。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
腰痛で床に寝ることが出来ない
最近ではフローリングの部屋が多くなったせいで、畳の部屋が無くなりました。
そのため、ベッドで寝る方は多いのですが、中にはフローリングに布団を敷いて寝ておられる方も意外に多くおられます。
そのために床で寝るのがいやという声をよく聞きます。
そういう方はベッドで眠れば、眠れるのでしょうか?
それとも柔らかな布団であれば良いのでしょうか?
それともほかに方法があるのでしょうか?
こんな悩みを抱えておられる方は少なくないでしょう。
自分で考えて自己流で対処したら、逆に悪くなったといわれる方もありますし、最初は良いようだったけど、だんだん悪くなったといわれる方もあるのです。
ではなぜそういうことになるのか考えてみましょう。
柔らかいマットレスが良いと思ったんですけど、だんだん腰が痛くなって。
腰痛で床に寝ることができないのはなぜ?
そもそも床で寝ることが出来ないのはなぜでしょう。
いくつかの原因が考えられます。
床の柔軟性がない
フォローリングはもちろん、畳でも柔軟性がすごくあるというわけではありません。
そのため骨が当たるので、痛みを感じます。
痩せた人はなおさらですが、太った方は重量がありますので、その分負荷もかかりやすくなるので同じです。
床の通気性
床は通気性がありません。ベッドやまだ畳は通気性があります。
夜には思っている以上の汗をかいています。
そのために湿気がこもってしまいます。
布団の上げ下ろしをする方は良いですが、しばらく敷きっぱなしにしているような方は、布団にカビが生えることもあります。
通気性が無いと熱や湿気がこもるので快適に寝ることが出来ません。
背骨の柔軟性
背骨は本来柔軟性があって、いろいろな床の状態に適応できるようになっています。
しかし、背骨の柔軟性がなくなっていたり、歪みが大きくなっていると床の状態に適応できず、浮くようなところが出来てしまいます。
表面積が広ければかかる負荷も少ないですが、点で体重を支えようとすれば、とても重くなって身体に負荷をかけるようになるために眠れなくなります。
最後の点が一番大きい理由となるでしょう。
自分の背骨が柔軟性がないなんて思ってもみませんでした。
腰痛で床に寝ることが出来ない人が考えられること
床に寝ることが出来ないといろいろなことを考えられます。
低反発のマットレス、ふかふかの布団
身体の歪みがあって、その歪みをカバーするくらい沈み込めば、余り痛みを感じることがないのではと思って購入されます。
確かに身体に歪みがあって点で身体を支えるような形になる方は痛みを感じることが少なくなるでしょう。
しかし、柔らかいために寝返りをなかなか打てなくなることがマイナスになるでしょう。
寝る時間を少なくする
痛みで長く眠れないので、短い時間だったら痛みを感じることが少ないと考えられます。
そして睡眠時間をカットするようになります。
これは最悪のパターンです。
ただでさへ、身体がアップアップしているのに、余計にむち打つような状況を作るわけです。
横寝やうつぶせ寝をする
仰向けで寝ると辛くなるので、横に向いて寝たり、うつ伏せで寝たりするようになります。
調子が悪いときには寝返りを余り打ちません。
寝返りを打つと痛みで目が覚めるからです。寝返りは意味がないものでは無く、寝返りを打つことによって身体の血液の流れが悪くならないように、自然と調整しているのです。
寝返りを打てないのは循環が悪くなってしまいます。
低反発のマットレスも熱がこもりますね。
腰痛で床に寝ることが出来ないときに危険なこと
これまで考えたように考えられて、対処されると一時的には良くても、結果的にはさらに問題を作っていくこともあるのです。
背骨や骨盤の歪みは、腰痛があるということだけが問題なのではありません。
その状態がそのままになっているとほかの問題を作っていくのです。
例えば、
膝の痛みや
水がたまること、
生理痛や
下腹部の痛み、
下肢のしびれやうずき、
踵の痛み、
尾骨の痛み、
下痢、
便秘、
胃や腸の不調など
様々な問題を引き起こすようになっていくのです。
脊柱の横には自律神経が走っており、
内臓を司っています。
そのために内臓の不調も起こすようになるのです。
一見関係ないようにみえる症状が実は腰椎や骨盤の歪みがそのままになっているために起きているということが非常にたくさんあるのです。
こういう症状は、いったん薬で静まったと思えるような場合でも、すぐにまた同じ症状が出てきます。
病院に行っても対症療法しかありませんから、根本的に改善せず、いろいろな症状に悩まされるようになるのです。
腸の調子が悪くなると精神的にも影響が出てくるようになります。
ウツのような症状や不眠の症状が出てくると正常な生活が出来なくなってしまいます。
そうなる前に問題を解決することが必要になるのです。
腰痛を放っておいて精神にまで来るというのは怖いですね。
腰痛で床に寝ることが出来ないときにすべきこと
神経の流れ
背骨や骨盤の歪みを取り除くことが一番の早道です。
そうすると神経の流れが整い、筋肉や内臓のバランスがとれます。
これをせずに問題を解決することは出来ません。
カイロプラクティックは最も効果的に対応できる方法です。
適度な運動
動きが無いことは大きな問題です。関節にある椎間板を始め、動きが無いと栄養が行かない場所があります。
一日中椅子に座っているという方は、ことあるごとに動かなければ、栄養の届かないところを作っていきます。
すぐに問題が出なくても積み重なると大きな問題になります。
運動をすることはストレス解消にもなります。
ただし「適度な」という言葉は非常に重要です。
やり過ぎもいけないし、やらなさすぎもいけないのです。
まずは歩くことから始めましょう。
毎日浅い呼吸になっていませんか。
バランスのとれた食事
食事を軽視する人は年々増えています。
手間をかけない出来るものは何かを失っています。
人の作ったものを信じてはいけません。
手間をかけることを惜しまないようにしたいものです。
果物や野菜をしっかりと食べましょう。
スムージや自分で作るジュースはとても価値があります。
ぐっすりと眠る
このテーマの寝ることですが、ぐっすり寝るためには出来ることがたくさんあります。
当たり前のことを当たり前にするとぐっすり寝ることが出来るようになります。
10時半前に寝ること、
真っ暗にして寝ること、
スマホやテレビやコンピューターは寝る前は使わないこと、
寝るちょっと前にお風呂に入ること、
晩ご飯以降に水分を摂り過ぎないこと、
カフェイン・アルコールを取り過ぎないこと、
定期的に運動すること、
メラトニン増やすこと(バナナ、オレンジ・パイナップル、ブドウ)、
寝る前に日記を書く
こんなことが助けになります。
56才土木設計男性Wさんのケース
Wさんは元々腰痛があって、時々痛みが強くなっていたけれど、休むと良くなるのでそのままにしておられました。
ものすごくお酒が好きでよく飲まれるのですが、飲み始めて30分ぐらいで意識がなくなるそうです。
そうすると何もわからなくなっていて、次の朝に目が覚めるまでは記憶がなくなります。
ある日起きてみると玄関の土間の所に寝ておられました。
一晩中寝ていたのだろうと言われました。
奥さんの話によれば、布団の所に行くように何度も言ったけど嫌がって動かないので、夏でもあるし放っておいたそうです。
次の日から腰がものすごく痛くなったそうです。
そこで家族に聞いて来院されました。
夜眠れなくなったので、柔らかいマットレスをかったら良いだろうかと考えておられました。
お酒は毎晩飲まれますが、かなりの量を飲んでおられました。
食事は家で作られたものを食べておられました。
検査の数値は悪くないので、問題が無いと思っておられます。
お酒では今までもたくさんの失敗をしているので、朝起きたときに何があったか聞かないことにしていると話されました。
仕事は設計の仕事なので、現場に出られることもありますが、多くの時間は座って図面を書いておられます。
家ではほとんどあぐらでいると言われました。
運動はほとんどされることが無く、歩かれることもそれほどありません。
睡眠時間は8時間程度はいつもとっておられますが、いつも飲んで寝てしまうと言っておられました。
脊柱をみてみると腰椎は後弯が出来ていて、骨盤はかなり歪んでいました。
柔軟性もなくなっていて、背骨全体が一本の鉄のように感じる背中でした。
元々柔道をしておられたので、身体はがっちりとしておられますが、筋肉も硬くなっていました。
カイロプラクティックの施術をして、脊柱や筋肉の柔軟性をつけるようにして、体操をしてもらいました。
また、胸を張って30分くらい毎日歩くように勧めました。
お酒も休刊日を設けられることと、量を減らすように勧めました。
マットレスは使わず、むしろ薄い布団でも眠れるくらい柔軟性を取り戻すように話しました。
腰の柔軟性がなくなると布団で寝ることが苦でなくなったと話されるようになり、朝起きたときの腰のこわばりが無くなったと話されるようになりました。
不摂生が招いた腰のつらさでした。
検査結果でも悪ければ、なんとか考えられたのでしょうが、検査にでないので安心しておられました。
本当はすごく不安を感じておられて、現実をお話ししたときになんとかしなければならないと真剣に考えられるようになりました。
まとめ
腰痛になって床に眠れないとお悩みなら、一刻も早く身体を整える必要があります。
カイロプラクティックはその助けになるでしょう。
原因を取り除いて、ゆっくりと寝ることの出来る身体を取り戻しましょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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