腰痛になった方はいろいろな本を読まれたり、雑誌を読んだりしてにわか知識をつけようとされます。
しかし、多くの書籍や雑誌は一般的に多くの人をカバーできるような症例に関してだけしか扱っていません。
ですから、余り一般的でないものは含まれません。
腰痛の原因もたくさんあります。
一般の方が読まれるものでそれをすべてカバーするようなものはあまりないのです。
筋肉が問題だと感じる方も多くありますが、一般の方が出来る方法が限られているために、対処できないことも多くあります。
自分でよかれと思って行われたことが余計な問題を作ったり、悪化させることも結構見られます。
今回は腰痛の原因が筋肉でないかと思われるときを想定でして書いてみたいと思います。
筋肉が原因で腰痛が起こっているのでしょうか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
腰痛の原因が筋肉
骨格は骨だけでは動きません。
必ず筋肉が動かしていますから、骨格の問題があるときに筋肉が問題であることもよくあります。
筋肉は体のバランスを取る一方で、体の動きを司っています。
一番重要なのは神経です。神経が体の動きを制御しています。
体のバランスが狂うことによって、神経の流れが滞り、特定の関節や筋肉に負担をかけることになり、痛みにつながるようになります。
丁寧に腰痛の方の筋力を見ていくとバランスが崩れている方がほとんどです。
姿勢を見るとそれぞれの筋肉に特徴があり、弱くなっているために独特の姿勢になっていることがあります。
ですから姿勢から特定の筋肉が働いていないと推測することも可能です。
姿勢のパターンを見れば特定の筋肉が働いていないのがわかるんです。
筋肉が腰痛を起こすメカニズム
筋肉バランスは非常に重要です。
体の左右のバランス、前後のバランスが重要です。
どちらかがバランスが崩れると反対が過剰に緊張することになります。
一般的には筋肉は付着部が関節を超えるようになっています。
その前後左右でバランスが崩れると関節のアライメントが狂うので関節がスムーズに動くことが出来なくなります。
無理に動かそうとすると痛みが出るようになります。
関節自体の可動域の制限も起こります。
それが筋肉が問題になる理由です。
もちろん問題を起こしているのは神経です。
神経がバランスをとれなければ腰痛を改善することが出来ません。
腰痛の原因になる筋肉
腰痛の原因になる筋肉はいろいろあります。
起立筋、殿筋、大腿四頭筋、縫工筋、腰筋、ハムストリング、大腿筋膜張筋、梨状筋などがメジャーな筋肉ですが、細かくいえばもっとあります。
起立筋は弱い側の肩が上がり、骨盤が下がります。
殿筋は弱い側の骨盤が上がります。
大腿四頭筋は腰椎の前弯がなくなります。
縫工筋は弱い側の膝が外反膝になります。
腰筋は弱い側に凹の側弯ができます。
ハムストリングは弱い側の足が回旋します。
大腿筋膜張筋は弱い側の骨盤が上がり、内反膝になります。
梨状筋は弱い側の逆に足の外旋が起こります。
そのため、姿勢を見ることによって特定の筋肉の弱化パターンがありますから、そこを見ていくとすべての筋肉をチェックする必要はなくなります。
筋肉が腰痛を起こすときの危険
多くの場合に筋肉には対立する働きのある筋肉があります。
そのために過剰に緊張している筋肉があるということは、理屈無く筋肉が緊張しているのではないということです。
つまり、反対の筋肉が力を出せないために、その筋肉が過剰に緊張するようなバランスになっているかも知れません。
そのときに単純に緊張をほぐしてあげればよいと考えられると思います。
しかし、緊張をほぐすようにすると二つの筋が同時に緊張できなくなってしまうこともあります。そのために不安定を作ってしまうことがあるのです。
改善しようと思って行おうとするにもかかわらず問題を作ってしまうのです。
こういう場合、どこの筋肉が原因で問題が起こっているかをきちんと理解しなければ、それに対する対処をすることが出来ません。
安易な判断は極めて危険です。
緊張があるから緩めるのではなく、なぜそのような問題が起こっているのかをよく判断した上で対処する必要があるのです。
緊張があるからと無理に緩めてもダメなんですね。
腰痛の原因が筋肉だと思うときカイロプラクティックは
医療機関を訪問すると特別筋力をチェックされるでもなく、痛み止めや湿布薬を詳報されることになります。
そのために問題を感じていても変わらないと思われる方が非常に多くあります。
カイロプラクターは筋力検査はもちろん、骨格の機能異常を見つけることが出来るように訓練を受けています。
姿勢分析をすることで大まかに問題のある筋肉を想定することが出来るのです。
さらにはカイロプラクターは神経機能や内臓との関連性も見ることが出来ます。
ライフスタイルの分析も可能です。
その上で、バランスを崩している関節や筋肉を改善するためにカイロプラクティックの施術をします。
多の療法の多くの施術は過剰に緊張している筋肉を緩めて弱くするようなものが多いです。
弱くなっている筋肉を強くするような施術を出来るのはカイロプラクティックだけです。
カイロプラクティックで十分にバランスを見ることにより、適切な処置をすることが可能になるのです。
41歳スポーツ用品販売男性Fさんのケース
Fさんは仕事柄スポーツマンと接することが多いのと自分もサッカーをしておられて人の体を触って緊張を取ってあげるのが好きな方。
もともと少し忙しくて無理をしていたところ、自分が腰痛になりました。
人にしてあげるように自分で自分の大腿の緊張のあるところを一生懸命に緩めました。
緩めた後から余計に調子が悪くなってきました。
そこで来院されました。
Fさんは右の大腿の全面がものすごく緊張していて、そこを一生懸命マッサージしておられました。
かなり長い間マッサージして少し緩んだと思ったので、立ったら余計に腰痛がひどくなったといわれました。
筋力チェックをしてみると大腿四頭筋(大腿の前面の筋肉)もハムストリング(大腿の後面の筋)も非常に弱くなっていました。
骨盤を見てみると大きく歪んでいて、元々はハムストリングが弱かったと考えられるものでした。
四頭筋とハムストリングは拮抗筋(対立してバランスを取っている筋肉)ですから、ハムストリングが骨盤の歪みで弱くなっていて、そのせいで四頭筋が過緊張を起こしている状況でした。
そこを一生懸命マッサージして緩められたのでリラックスさせるというより、不安定な状況を作ってしまわれたのでした。
カイロプラクティックの施術で骨盤の歪みを取り除き、自分でマッサージはしないようにお勧めしました。
よく聞いてみると最近お腹の調子も悪く、それも一因だったと考えられました。
ハムストリングと関連のあるビタミンEの含まれているアーモンド、たらこ、モロヘイヤなどがとれるようにお勧めしました。
休息を十分取ってカイロプラクティックの施術を続けたところ、全く痛みもなくなり、筋肉に変な緊張が出なくなったといわれました。
Fさんはなまじ日頃人の体を触っておられたために変な自信がありました。
しかし残念なことにきちんとした知識になっていませんでした。
結果的に悪化させるような状態を作ってしまわれました。
素人判断は危険の例です。
例え見た目が同じような症状であっても、全く違う状況から来るものであることがよくあります。
体に対しては正しい知識を持ちたいものです。
まとめ
腰痛で筋肉が問題だと疑う際にはカイロプラクティックが一番です。
問題の可能性を調べながら見つけていきます。
また、問題を明らかにした後、それを取り除く方法を持ち合わせています。
あなたもカイロプラクターの元に相談に行くことによって、今までわからなかった自分の問題を明らかにしてみませんか。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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