夏になると体型が気になる季節になったと感じる方は多いでしょう。
実際に、スポーツジムの広告やダイエット商品の広告も増えます。
痩せることが大きなビジネスになっているのが今の世の中です。
なんとかして痩せたいと思っておられるときに腰痛になったといわれる方は結構多くあります。
一体腰痛と肥満は関係があるのでしょうか?
あるとすればどんなことが大切なのでしょうか?
今回は腰痛と肥満の関係について話してみたいと思います。
肥満と腰痛って関係あるんですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
肥満と腰痛
体重が増えるときにはパターンがあります。
ライフスタイルが乱れたときに体重が増える傾向にあります。
ライフスタイルの乱れは身体の叫び声を生みます。
時には腰痛、時には頚部痛、時には頭痛、時には膝の痛み、時には足首の痛みとたくさんの症状を生む原因になります。
しかし、多くの方がそれがライフスタイルの乱れと関係があるとは思われません。
因果関係がはっきりしないからです。
そのためにそのままにしておられることが多いのです。
体重が増えるときには脂肪が蓄積するようなライフスタイルになっています。
脂肪の燃焼が妨げられる様になっていればさらに蓄積します。
さらに代謝が落ちる、つまり細胞の入れ替わりがゆっくりになることによってダメ押しになります。
これらのことについて説明していきましょう。
脂肪を蓄積するようなライフスタイルがあるんですね。
肥満から腰痛になるメカニズム
脂肪が蓄積するようなライフスタイル
身体は主に脂肪と糖質を燃やしてエネルギーを産生しています。
脂肪は燃焼はゆっくりですが、長くエネルギーを産生します。
糖質はすぐに燃焼しますが、すぐにエネルギーが無くなります。
そのために脂肪を燃焼したいのですが、ストレスが多いときには糖質を先に燃焼するようになります。
そのために糖質が不足するので、また甘いものが欲しくなるのです。
甘い物を食べると急に血糖値が上がりますから、身体は下げようとします。
血糖値の乱高下が始まるようになるのです。
血糖は脳や臓器のエネルギーでもありますから、不安定になると身体にとってストレスになります。
そのためにさらに甘いものが欲しくなるようになるのです。
糖質の40%は脂肪として身体に蓄えられます。
糖質を多く食べれば食べるほど脂肪が身体に蓄積していくことになるのです。
脂肪の燃焼が妨げられるようになる
脂肪はストレス下ではなかなか燃料として燃焼する割合が減ってしまいます。
ですからストレスが多いような生活をしていると脂肪の燃焼を妨げることになるのです。
寝不足や過労や食事のアンバランスはストレスとなって脂肪が燃焼しにくいライフスタイルといえます。
過去のことをくよくよしたり、未来のことを過剰に心配することや余りに現実的で無い目標を持つこともストレスとなってしまいます。
こういうライフスタイルをしていると脂肪の燃焼が妨げられるようになっていくのです。
新陳代謝がゆっくりになる
バーベキューをしたことのある方は経験があるでしょうが、脂肪を燃やすのに炭が十分に火力が無ければ燃えません。
火力が強ければ、すぐに脂肪を燃やし尽くします。
同様のことが脂肪の燃焼にもいえます。
体重の増えた方が考えられるのはカロリー制限です。
カロリー制限すると脂肪の燃焼がゆっくりになります。
火力の弱い炭でバーベキューをするようなものです。
焦げるどころか肉が硬くなってしまいます。
しかも油の摂取も控えられます。
脂肪が燃焼するのに良質の脂肪の摂取は不可欠なのです。
カロリー制限をすることで、新陳代謝のスピードがゆっくりになると、細胞の入れ替わりがゆっくりになって、食べていないのに太るという現象が起こるようになるのです。
食べなければ良いんだと思っていましたけど違うんですね。
肥満から腰痛になって考えられること
先ほど説明したように、太ったから、食べるのを減らせば良いという考え方は生理学を無視しています。
人間は機械ではありませんから、プラスマイナスすれば良いというものではありません。
肉100cal とパン100calは同じ100calですが、同じように消化されて利用されるわけではありません。
それぞれに分解される方法が違うのです。
ですから、食べるのを減らすだけでは、ダメなのです。
脂肪の燃焼がうまくいくようなライフスタイルをしていなければ、体重が増えるのと同時に、腰痛になりやすいライフスタイルになっていくのです。
また、運動すれば痩せるだろうと考えられる方も多くあります。
このときにどのような運動するかで、ストレスになったり、脂肪を燃焼しやすい身体になったりします。
追い込むようなタイプのトレーニングをする方は糖質を燃焼するような身体になります。
その一方でゆっくりとした動きをするような運動をすると脂肪を燃焼しやすくなります。
腰痛になりやすいライフスタイルとは、
寝不足、
働き過ぎ、
食事を抜く、
ドカ食いする、
食事の時間が不規則、
食事のバランスが崩れている、
コーヒーの飲み過ぎ、
アルコールの飲み過ぎ、
甘いものの食べ過ぎ、
脱水症状、
ストレスが多い、
姿勢が悪い、
呼吸が浅い、
追い込むタイプの運動をしている、
ウォーミングアップやクールダウンをしない、
一日中デスクワーク、
長時間の運転などです。
これらのライフスタイルはそのまま太りやすいライフスタイルといえます。
肥満から腰痛になって危険なこと
太りやすい身体になっている時には、身体が糖質を求めるようになっています。
さっき食事をしてお腹がいっぱいになったのにまたお腹が減っている。
そんな経験は皆さんがあると思います。
身体が求めるままに食べると糖質を食べることになり、ますますストレスを増やすことになります。
簡単に腰痛になります。
ストレスが過剰なときに、骨盤を安定させるために働く縫工筋が弱くなることが経験的にわかっています。
そのためにストレスが多いとき、糖質を燃焼するような身体は腰痛になりやすくなるのです。
しかしこのようなメカニズムをご存知ないと身体が求めるままに生活されるので、どんどん身体にストレスをかけていくような生活になっていくのです。
糖質が先に燃えると血糖が安定しません。
血糖は脳にとっても大切なエネルギー源です。
脳にとってのエネルギーの供給が安定しなくなるために、身体がものすごくストレスを感じるようになることが最大の危険といってよいでしょう。
そのままにしていると精神的にも不安定になってくるからです。
ウツになるときにこのパターンで悪くなっている方がたくさんあるのです。
肥満から腰痛になったときにすべきこと
身体が太ってきたときには以下のことを考えたいところです。
食事
甘いものの食べすき、炭水化物食が中心になっていないでしょうか?
タンパク質や良質の脂肪、野菜や果物を摂取することは脂肪が燃焼しやすい身体にするにはとても必要なことです。
食事をきちんと食べることや食事を抜かないことも大切です。
お腹がすいたときに甘いものを食べることは特に慎みたいことです。
睡眠
睡眠をきちんととっておられなければ、脂肪の燃焼を十分に出来るような身体になることは難しいです。
寝不足では、甘いものが欲しくてしょうがなくなります。
十分に寝ることは脂肪の分解に関係する成長ホルモンやコルチゾルを理想的にコントロールすることになるので、脂肪燃焼しやすい身体になることが可能です。
ストレスコントロール
日記を書くこと、瞑想すること、ご自分のストレス解消法を持つことです。
歌を歌うことや自然の中に身を置くことや、身体にとって優しい運動をしてやることなどいろいろな方法があります。
それがうまくコントロールできると脂肪が燃焼しやすい身体になります。
適度な運動
1日30分程度運動することは脂肪燃焼しやすい身体になる一番の方法です。
しかし、睡眠を削ってやるとか、ウォーミングアップやクールダウンを省略してすると糖質を燃焼しやすいトレーニングになってしまうので注意が必要です。
神経の流れを整える
何よりも身体の機能を整えることが大切です。
脊柱の両脇には自律神経が通っています。
そのため、脊柱の動きが悪くなると自律神経の働きも悪くなっていくのです。
カイロプラクティックの施術によって神経の流れや自律神経のバランスを取ることは身体にとっても最も大切なことといえるでしょう。
39才室内工事管理男性Kさんのケース
Kさんは近頃太ったと思っておられました。
あるときに前屈みになって腰痛になりました。
3日ほど仕事を休んだら、痛みは収まったものの不安な感じが残りました。
1週間ほどして、少し腰痛のことを忘れかけていたときに、ひどい腰痛になりました。
病院に行き、レントゲンを撮ってもらいました。
「骨に異常は無い」といわれ、薬がでましたが、薬は飲んでもほとんど変わりませんでした。同業者に聞いて来院されました。
体重が増えたのは食事が朝抜きで、昼はお腹がすくのでドカ食いをして、夜は酒を飲むので、シメのラーメンが良くないのだろうと話されました。
缶コーヒーは3本くらい飲むと言われました。
ジュースは1L位飲むと話されました。
夜家に帰ってくるとコンピューターを使っていると話されました。
そのときは、椅子に座ってあぐらをかいてコンピューターを使っていると言われました。
職人さんに指示することがとてもあるので、非常にストレスがかかると話されましたが、話しながら興奮される感じでした。
通常は大阪で仕事をしておられますが、ガールフレンドがこちらの方で、毎週週末にこちらまで300kmを運転してこられると話されました。
姿勢はとても悪く、腰が後弯しており、肩甲骨から上もねこ背になっていました。
皮膚が非常に荒れていて、吹き出物がとてもたくさん背中中に出来ていました。
唇の色も紫色で、血行が悪いのがわかるほどでした。
ライフスタイルを変えないと身体がダメになることを説明して、ご自分でも危険を感じておられたので、変えようと努力されました。
食事をキチン整えることをお勧めして、缶コーヒーやジュースを控えるように話しました。
コンピューターをあぐらでするのをやめてもらい、腰の伸展体操をしてもらいました。
カイロプラクティックの施術で柔軟性を回復し、筋肉のバランスを取るようにしました。
3ヶ月すると顔色も良くなり、皮膚の荒れた感じが改善しました。
その頃には笑顔が自然にでるようになって、顔色も変わりました。
腰の痛みも無くなり、仕事をしても疲れ方が少なくなったと言われるようになりました。
仕事で怒こることがなくなったのは驚きだと話されました。
何よりもウエスト周りが細くなって、ベルトの穴が二つ小さくなったと話されました。
生活の乱れが肥満につながり、さらに姿勢やストレスが柔軟性の欠如につながり、しつこい腰痛を起こしていました。
ライフスタイルを改善しなければ、腰痛の改善も無かったでしょう。
まとめ
脂肪の燃焼しやすい身体にすることは、実は腰痛になりにくい身体を作るのと同じ意味です。
健康的な身体を作ることが理想の身体になるために必要なのです。
脂肪の燃焼しやすい身体を作るように努力して、健康的な身体を手に入れましょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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