春になると毎年、新聞にトレーニングジムの広告が入ったり、何らかのトレーニングを始めようとされる方が増えます。
夏で薄着になる前に、クリスマスやお正月でついた余計な体重をそぎ落としたいと思われる方が増えるからです。
これはとても良いことである一方、トレーニングを始めるようになって腰を痛める方も増えるのはよくあることです。
トレーニングを始めてなぜ腰痛が出るのかと不思議に思われる方もあると思います。
今回はトレーニングの中でも一般的なエアロバイクと腰痛について解説したいと思います。
エアロバイクでトレーニングをして腰痛が悪化することがあるんですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
腰痛の原因
腰痛の原因は姿勢習慣とライフスタイルです。
姿勢習慣が悪くなっているときに、寝不足、ストレス過剰、過労、食事のアンバランスなどが加わったときに腰痛になります。
丁度身体の悲鳴のようなものといってもよいでしょう。
難しいのは自分が無理をしていることを認識することがなかなか出来ないことです。
人が無理をしているのはよくわかりますが、自分が無理をしていることは、なかなかわからないものです。
さらに、自分には悪いことは起こらないのでは無いかと裏付けの無い自信のようなものがあったりします。
何も身体に良いことをはしておられなくても、暴飲暴食をしたとしても胃腸は大丈夫とか、草取りを何時間もしていたとしても腰は大丈夫と皆さんが思っておられます。
無理をすれば、悪くなるのが普通ですが、自分の時だけそうは考えられません。
確かに、自分が無理しているのはわかりませんね。
腰痛でエアロバイクを使う
腰痛になって身体を鍛えたいと思われるのはとても良いことです。
エアロバイクは手軽に運動を始められ、天候に左右されないという利点があります。
もちろん欠点もあって、私がエアロバイクを購入したときに、居間だとテレビの音声が聞こえないと不平がでたことがありました。
なかなか難しいものですね。強度を変えることもできるし、心拍数を管理できるし、時間の管理も出来ます。
そういう面では良いマシンといえるでしょう。
しかし、いくら良いものであっても、上手に使わなければ、宝の持ち腐れです。
心拍数で管理する
心拍数が管理できるものであれば、
180−自分の年齢—5=ターゲット心拍数
このターゲット心拍数を上限にして、それ以上にならないように管理します。
30分のトレーニングをするとすれば、最初の15分はウォーミングアップ、最後の15分間はクールダウンに当てます。
ウォーミングアップとは平常の心拍数から15分かけて徐々にターゲット心拍数まであげていきます。
クールダウンは15分かけて心拍数を平常の心拍数まで落としていきます。
客観的に自分の身体を評価することは難しいことですから、心拍計を使うことは非常に優秀なコーチをつけたようなものです。
最初は少し頑張るとすぐに心拍数が上がることがあります。
身体がまだできあがっていないために、弱い負荷でも敏感に反応するからです。
しかし、徐々に身体ができあがってくると頑張っても心拍数が上がらなくなってくるでしょう。
そういうときにはギヤを重いギヤにしていくようにすると丁度良いでしょう。
心拍計が教えてくれるのは良いですね。
腰痛の種類
腰痛もいろいろな種類があります。
外傷と自然となった場合では、対応が異なります。
外傷で腰痛になる場合には、その外傷のメカニズムがはっきりしています。
骨折もありますから、医療機関での評価が重要になります。
外傷の場合には痛めた部位の周りの筋肉をサポートのために強化する必要がありますから、どこが問題かを明らかにすることが重要です。
自然となる場合には、姿勢習慣で起こっている場合がほとんどです。
腰椎に後弯が出来ている場合、側弯ができている場合、前弯が出来ている場合に大きく分かれます。
いずれにしても弱くなっている筋肉パターンが存在します。
そのパターンは鍛えることによって強くはなりません。
むしろ逆に痛めてしまうことが多くあります。
それは神経の伝達がうまくいっていないからです。
ブレーカーが落ちた状態で、いくら電球を替えても電気がつかないように、神経伝達の状態を改善することが必要になっています。
鍛えることが害になることもあるんですね。
腰痛でエアロバイクを効果的に使う
先ほど心拍数を管理してトレーニングをする方法を説明しましたが、腰痛がある段階でも可能です。
ターゲット心拍数をリハビリ用ターゲット心拍数に調整する必要があります。
180−自分の年齢—5−10=リハビリ用ターゲット心拍数
トレーニングの仕方は同じですが、上限をリハビリ用ターゲット心拍数として行います。
身体の状態が良いわけではないので、それほど大して頑張っていないのに心拍数が上がる可能性があります。
心拍数を上げたくなるのが人情ですが、そこはグッと我慢しましょう。
最低でも3週間はその心拍数で行います。
『控えめに、控えめに』が原則です。
痛みが全くなくなって、運動も問題なければ、元のターゲット心拍数に戻しても大丈夫です。
腰痛からの回復でエアロバイクが生きるために
腰痛になってエアロバイクが生きるためにはすべきことがあります。
神経の流れ
腰痛になっているのは神経の流れが悪くなっているからです。
サブラクセーションという関節の機能異常があるために起こります。
そのサブラクセーションを取り除くことが最も重要なことです。
ぐっすりと寝ること
睡眠不足や休息不足ではトレーニングの意味がありません。
例え軽い運動でも筋繊維の傷をつけます。
それを修復しないでは、腰痛を回復することが出来ません。
食事のバランス
しっかりと野菜や果物を食べましょう。
グリーンスムージーは非常に良いものです。
リンゴを入れればとてもおいしく飲めるでしょう。
3食食べましょう。
食事の間を開けすぎたり、抜いたりするのを避けましょう。
糖質の摂取を控えましょう。
日記を書いたり、瞑想をしましょう
静かな時間を持つことはとても重要です。
一日に一度はそういう時間を持ちたいものです。
ジャグリングのようなスケジュールをしている人は、本当に大切なものとそれほど大切でないものの優先順位をつけて、時には大胆にカットするような勇気を持ちましょう。
スケジュールの断捨離も大切です。
Oさんは腰痛があるので運動をしようと思われて、エアロバイクを購入されました。
早く鍛えたいと思って始められたら、1週間ほどで腰が痛くなって、仕事にも支障を来すようになって来院。
元々自転車を購入されたけれども、雨が続いてなかなか外を走れず、エアロバイクだったら雨でも大丈夫と新たに購入されました。
話を聞くとそれまでは余り運動はされていませんでした。
急に運動を始められて、一気に1時間エアロバイクを使われたそうです。
軽いと汗もかかないので、ギヤをかなり重くしたら、すごく辛かったそうです。
ただ、辛いぐらいでないと効果が無いと考えられていたので、続けて毎日されました。
ウォーミングアップもされず、いきなりトップギヤに近い強度で始められ、クールダウンも無く、急に終わっておられました。
Oさんの腰椎は後弯があり、エアロバイクに乗っているときの姿勢も後弯がひどくなるような姿勢でした。
朝早起きをされますが、夜の就寝時間は変えておられませんでした。
カイロプラクティックの施術で柔軟性を回復するようにして、腰椎の伸展の体操をしてもらいました。
1週間だけトレーニングをお休みしてもらいました。
再開されたときには、15分間のウォーミングアップ、15分間のクールダウンだけをするように勧めました。
ターゲット心拍数は125拍/分を超えないようにしてするようにしてもらいました。
汗をかかなくとも運動の効果があることを説明しました。
1ヶ月もすると結構早くなってきたと喜ばれるようになり、自転車でも走られるようになりました。
ベルトの穴が一つ小さくなったと言われるようになりました。
身体の状態を考えないでトレーニングをされたために、過剰に負荷をかけ過ぎられたケースでした。
エアロバイクというと無理は無いという思い込みがあったために腰痛を経験されるようになっていました。
まとめ
腰痛になるときには、無理があったということを物語っています。
無理があったのはどういう所かを探し当て、それを改善することで、身体が余裕が出来るようになるでしょう。
余裕がある身体でトレーニングすると非常に効果的なトレーニングが出来るようになるでしょう。
カイロプラクターに相談すれば、あなたに合ったトレーニングをアドバイスしてくれることでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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