急に腰が痛くなって病院に行かれる方は多いと思います。
整形などの医療機関に行かれる方の6割くらいが腰痛といっていいでしょうから、かなりの数になります。
多くの患者さんに医療機関でどう言われましたかと尋ねると
「余りはっきり教えて貰えなかった。」
「ぎっくり腰ですね。といわれました。」
「無理されたんですね。休んでください。」
といわれたりで、余り詳しく教えて貰えなかったといわれる方がほとんどです。
ではどうしてこういう状況になるのかを今回は書いてみたいと思います。
病院ではっきりと問題が何なのかいって貰えないので、どうしてかなと思っています。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
ぎっくり腰で病名つけること
「どこか痛い、動きが悪い、不快である」と感じるとき人は何とかしようと思い始められます。
たとえば、整形外科の病院を受診されます。
医師はこの症状に名前を付けようされます。
何〜炎、何〜症、何〜病と診断がつきます。
しかし、痛みのある場所を聞くとすぐに診断がついてしまうことが多いです。
手首が痛ければ〜炎、肘が痛ければ〜肘、肩が痛ければ肩の筋肉の損傷などの名前がつきます。
だから腰が急に痛くなればぎっくり腰と呼びますが、これは正式な診断ではありません。
便宜的に呼ばれるものです。
しかし本来の診断はそれがなぜ痛みを出しているかを考えることだと思います。
ですから、カイロプラクティックではもう少し踏み込んで、ライフスタイルや姿勢を考えた上で状況を説明することになります。
病名を聞くと悪いものじゃ無かったと思えて、ちょっと安心できるんです。でも、何も言って貰えないと逆に心配になります。
重篤な病気以外は余りはっきり言って貰えないですね。
ぎっくり腰の病名はなぜ曖昧
では、なぜちゃんとした名前をつけられない、あるいは教えて貰えないのでしょう。
一つは一般の方が医学に詳しくないから。一般の方は医学用語を使えば、わからない方が多いです。
それを簡単に説明するのが難しいです。
2つめは詳しく調べても処置に差が無いから。
もし、きちんとした検査をして、きちんとした診断をされた結果が異なる処置になるとすれば、もっと細かく検査されるでしょう。
でも多くの場合に、同じ処置になります。
3つめは忙しいから。
医療機関はとても忙しいところが多いです。
そのため長い間待って1〜2分で終わることも多くあります。
細かい説明をする時間がとれないのです。
たくさんの患者さんが待っておられたら、仕方が無いことかも知れません。
ぎっくり腰の病名は対処によって決まる
今の医療は保険のシステムによって決まっていると言っても過言ではありません。
同じ症状でもアメリカでは全く異なる流れになります。
もし日本でも細かい診断の整合性を求められれば、きっともっと細かい検査をされるでしょう。
でもしてもしなくても保険点数が変わらなければカットされるでしょう。
アメリカではもっと時間をかけて初診で問診します。
それがすべて医療費に反映されるからです。
日本では問診に長く時間をかけても医療費に反映されませんから長く時間を取られません。
その結果として、保険の点数が高いものに時間が使われ、点数の低いものには時間を使わない傾向が出来ます。
それだけしていても赤字になるのですから仕方が無いでしょう。
施術に関しても同じです。
点数が低いものは使われない傾向にあります。
もし、結果として痛み止めとシップ薬を出すことになったとして、細かく診断をつけても変わらないとすれば、余り深く調べることは無用という結果になるわけです。
つまり対処の仕方によって診断の名前が決まるといってもよいのです。
世界中どこでも同じでは無いんですね。
医療システムが違えば、流れは全く異なります。アメリカの人を日本の病院に連れて行くと大概驚かれますよ。
ぎっくり腰の病名が間違う理由
時々驚くような病名がついた患者さんがやってこられます。
最初の頃は何か私が知らないことがあるのかと驚いたほどでした。
多くの場合にX線の検査をされます。
異常は無いケースがほとんどです。
変形や脱臼や骨折などを見ておられるからです。
多くの急性腰痛でそういうものが見られることは少ないです。
その一方で、姿勢による腰痛はX線に反映されません。
腰のほとんどのX線は立位で撮りません。
仰向けで撮ります。
おまけにポジショニングといって姿勢をX線が写りやすいようにして撮りますから、実際の立位の状態とは違った画像になります。
それで姿勢を判断することが出来ないのです。
そのために姿勢による腰痛はほとんどわからないといえます。
その結果としてとりあえず痛み止めを出しておきましょうということになるのです。
ですから、いろいろな名前がついてもそれは方便としての診断ということが出来るかも知れません。
レントゲンでわかるのは形態上で変化のあるものです。機能的なものはわかりません。
ぎっくり腰の病名を知りたいときにカイロプラクティックが良いのは
ぎっくり腰になる場合、姿勢が問題になっていることが多くあります。
そのために姿勢について詳しいカイロプラクターが大きな働きをするといえます。
国際基準のカイロプラクターは医師と解剖学や生理学や病理学など同等の勉強をしています。
それと同時に生体力学、運動学を学び、ライフスタイルや姿勢についても深く学んでいます。
ですから、姿勢による腰痛についての問題を見つけることが出来るのです。
当然見つけた問題に基づいて施術や計画を立てますから、個々にカスマイズされたものになります。
関節異常であるサブラクセーションを取り除くことによって、神経の流れを整え、筋肉のバランスを取ることが可能になります。
その結果として姿勢が改善し、痛みも改善していくことになります。
サブラクセーションを取り除けるのはカイロプラクターだけですし、ライフスタイルについて教えてくれるのもカイロプラクターです。
カイロプラクターに見てもらうことによって、腰痛になりにくい体にするにはどうしたらよいかをともに考えることが出来るようになるのです。
63歳無職男性Mさんのケース
Mさんはぎっくり腰になって病院に行かれた。
特に無理した実感もなかったのに、ひどい痛みが出て先生から「少し休んでください」といわれて痛み止めが出ただけでした。
余りはっきりと病名も言われなかったので、知りたかったから聞いても先生はなにもいわれませんでした。
1週間して腰はすこし楽になったものの、不安感があって来院された。
Mさんは元々公務員で、体調を崩されて少し早く退職されました。
退職されて、家の農業や家事などもされるようになったそうです。
お父さんも歳をとられて、代わりにMさんが農業はかなりされるようになっておられました。
この痛みが出たときも、草刈りを丸3日されてから3日後でした。
疲れがあったのでよく休んだので特に無理したという気にもなっておられませんでした。
もともと腰に少し痛みがあって少し無理をすると痛みが強くなることがありました。
でも休むとよくなるので、今回もよくなるだろうと思っておられました。
姿勢についてお聞きするとコンピューターを座敷用のラックにおいておられて、あぐらで入力をしておられました。
インターネットでもかなり調べ物をしたりされるので、日頃からよく使っておられました。
そのときは町内の役職で配りものをされるためにちょっと根を詰めて長く座っておられました。
夏で非常に日中が暑いので、朝早く起きて農作業をされていて、夜も暑いために寝不足気味だったといわれました。
腰を見ると腰椎の前弯がなくなって、後弯気味になっていました。
また背骨を挟んで両側の筋肉が非常に固くなっていました。
もちろん腰から上も固く、肩甲骨の間を頂点とするねこぜになっておられました。
座卓コンピューターや農作業で腰の前弯がなくなり、後弯気味になったことから、忙しさや睡眠不足で柔軟性がなくなったために腰が痛みが出したものであることを説明すると納得されました。
カイロプラクティックの施術をして腰椎の前弯を回復するようにしました。
同時に、背をそらすような体操をしてもらいました。
コンピューターを座敷で座ってするのは腰椎の前弯がなくなるので、必ず椅子で座ってされるようにお勧めしました。
睡眠時間もゆっくりとるようにお勧めしました。
また、背筋をつけるために毎日30分は胸を張って早足であるよう習慣をつけるようにお勧めしました。
3週間する頃には、柔軟性が戻り、姿勢も変わり、腰に自信が持てるようになってきたと話されました。
無理をしておられても自分でそう思っておられないケースでした。
自分の状態は本当に自覚が難しいと思います。
それだけに第3者に客観的に見てもらうことが健康への早道だと思います。
自分の感覚に頼られるのは極めて危険だと考えられるべきだと思います。
まとめ
医療機関にいってぎっくり腰の細かい点について聞きたくなったら、是非カイロプラクターに尋ねてください。
あなたが知りたいことを教えてくれることでしょう。
またあなたが腰痛になりにくい体になるのを助けてくれるに違いありません。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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