梅雨はただでさえ雨が多く、ジメジメして、気分的にもいやな気持ちになるもの。
そんな時に腰が痛くなるというのは追い打ちをかけるような状況です。
しかし、こういう方は決して少なくないのです。
「梅雨と腰痛の悪化が関係あるのですか?」という質問が出そうです。
その通りに梅雨と腰痛の悪化には関係があるのです。
今回は腰痛と梅雨の関係について書いてみたいと思います。
梅雨と腰痛の悪化が関係あるのですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
梅雨と腰痛
雨が降るときに腰痛が悪化するという人を一人や二人見たことがあるのでは無いでしょうか。「雨が降る前に雨が降るのがわかるから、自分は天気予報より正確だ」などと豪語される方もあります。
痛みがひどくなるときというのは身体のストレスに対する適応によるものです。
何らかのストレスがあるときに、身体は身体を守ろうとして痛みを敏感に出そうとするようになります。
実は気候は身体にとってのストレスになり得るものです。
この場合のストレスというのは、精神的なものでは無く、身体が対応するのに負担に感じる状況と考えられると分かりやすいかも知れません。
ほかにも、肉体的なストレスや化学的なストレス、皆さんがよく知っている精神的なストレスもあります。
ストレスがあればあるほど、身体は余裕が無くなっていきます。
その結果として痛みを出すようになるのです。
気候がストレスになるなんて考えたこともありませんでした。
梅雨が腰痛をもたらすメカニズム
身体にとって温度調節は非常に重要な働きです。
私たちの体温は暑いときでも寒いときでも上下変動は余りありません。
それは非常に大変なことです。
小さな部屋でも温度を一定に保とうとするのは苦労されると思います。
私たちの身体は数度も下がったり上がったりすることは滅多にありません。
それだけに体温の維持は大事業なのです。
湿度が上がると汗を蒸発することが出来なくなります。
汗は体温を一定に保つ重要な機能です。
汗が蒸発できないような湿度では、汗をかいても体温を下げることが出来ず、非常に体温調整が難しくなってしまうのです。
神経を包む硬膜、軟膜、くも膜の3つの膜があります。
気圧が下がるときには、これらの膜が膨らんで神経が周りの組織と当たるようになります。
水の中に入れた風船が、水の外に出すと少し大きくなるのと似ています。
これが痛みの閾値が下がる正体です。
閾値が下がるというのは簡単な刺激で痛みが出るようになることをいいます。
身体は適応しますから、同じ状態が続くと平常に戻ろうとします。
ですから、雨の降る前や雨が終わるときに症状を感じやすくなります。
梅雨には降ったりやんだりが小刻みに来るために、余り悪くなかった問題でも痛みが出やすくなってしまうのです。
身体も梅雨には大変なんですね。
梅雨に考えるべきこと
ここで重要なことは、元々の状態です。
元々の状態が非常に良い状態であれば、例え気圧や湿度や温度が変化しても症状は出ないのです。
症状が出る時というのは、季候が良いときには、ギリギリ症状が出ていないだけの人です。
もうお膳立てが出来ていて、少しのストレスがかかっても症状が出る状況になっているときです。
つまりからだが悪い状態になっているということです。
多くの腰痛は姿勢習慣から起こります。
天気の影響を一番に受けるタイプは、腰をいつも丸くしている人です。
あぐらをよく組んだり、足を組んで椅子に座ったり、割座り、横座り、ヘソが天井を向くような椅子の座り方をよくする方は要注意です。
すぐには出ませんが、だんだん症状が出るようになってきます。
腰が全体的に痛むようになります。
雨の前の日や雨が終わる頃に悪くなり、腰に鉛をつけているようだといわれる方もあります。
腰を丸くしているとダメなんですね。
腰を丸くしている方はだんだん悪くなりますね。
梅雨に腰痛になる危険
その危険性というのは、痛みが悪くなってもまた天気が良くなると収まるから大丈夫と考えてしまうことです。
人は切羽詰まらないとアクションを取りません。
喉元過ぎると熱さ忘れるということです。
そのままにしておけば、悪化していくのです。
姿勢が問題になっているときには姿勢が原因だとはほとんどの方が考えられません。
そのために、少し休んで症状が軽くなったりすると、原因は取り除けているわけでは無いのに、そのままにしてしまわれるのです。
その結果ドンドン悪化していき、そのうちちょっと無理すると激痛が出るようになります。
そうなると身体にも自信がなくなり、怖くて何も出来なくなってしまうのです。
中にはウツになってしまわれる方もあるほどで、早いうちに姿勢を改善していくことが非常に大事なのです。
早いうちに自分の問題を探して、対処することが鍵ですね。
梅雨に腰痛になるときに出来ること
梅雨に腰痛が悪化するときに出来ることが5つあります。
神経の流れを整える
カイロプラクティックは神経の流れを整えるのに最適な方法です。
同時に姿勢を改善するように努力することが大切です。
神経の流れが悪ければ、姿勢を変えてもすぐに筋肉のアンバランスが戻ります。
睡眠
十分に睡眠を取ることは最も軽視されていることの一つです。
ただ睡眠を取っているだけではいけません。
身体が休み、修復できるようで無ければなりません。
食事
きちんとした食事をすることは、身体が必要としている材料を取り入れることになります。
偏った食事では、身体もパフォーマンスも思考も良いものになるわけがありません。
運動
適度な運動は、血液循環を促進し、老廃物を運び去ることが出来ます。
身体を使うと筋繊維に傷がつきます。
それを修復して、新しい筋繊維が出来るときに良い筋繊維が出来ます。
瞑想、日記
考え方が偏っていたり、ネガティブになっていると行動そのものもネガティブになります。
どちらもすごく助けになります。
37才教員男性Hさんのケース
Hさんは前から痛みがあったものの、梅雨に入って余計に腰痛がひどくなりました。
症状は、腰全体に痛みがあって、雨が降る前の妃には腰に鉛の板が入っているような感じだったと言われました。
くたびれたときには腰が痛んで、長い時間座ったり、腰掛けたりした後立ち上がるとすっと腰が伸びないという現象が起こっていました。
便通ももともとあまりなく、特に最近になって余計ひどい便秘に苦しむようになったと言われました。
梅雨に入る前から忙しく、夜寝る時間も短くなりました。
日に日に痛みが募ってきて、ついに激痛で動けなくなりました。
1週間程度静かにして過ごしたら、痛みも取れて動けるようになりましたが、慢性的な痛みがいつもあり、何かしたら激しい痛みが来るのでは無いかと恐怖感があると話されました。
腰は腰椎が後弯していて柔軟性がなくなっていました。
カイロプラクティックの施術で腰の柔軟性をつけ、後屈体操をしてもらいました。
また座るときには足を組まないこと、椅子は深く背もたれ通りに腰掛けること、あぐらを避けるようにお話ししました。
また睡眠時間をきちんと取ることもお勧めしました。
腰の背筋が特に弱かったので、背中を伸ばして、胸を張り、早足で歩く習慣をつけるようにお勧めしました。
3週間すると姿勢はかなり改善し、腰の不安感が無くなったと話されるようになりました。
天気の影響を受けなくなったと喜ばれました。
天気は身体にとってストレスになります。
気圧や温度や湿度のどれも変化が強すぎたり、極端だと影響を受けるようになります。
その典型的なケースでした。
問題があるときにその問題を見つけると気候の影響を受けなくなります。
原因を探すことが重要なポイントです。
まとめ
梅雨に腰痛が出るときにはもしかしたらチャンスかも知れません。
自分の問題を見つけて、改善することが出来るかも知れません。
見過ごしにしないで、身体と向き合う機会としていただきたいと思います。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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