力学的、化学的、精神的ストレスがあるときには障害を生むことになります。
そのストレスに適応しようとして自分の能力以上のトレーニングをする結果障害が起こります。問題は簡単に見つけることが出来ますが、よく見過ごしてしまいます。
それを認めるためには自分をよく観察することが必要だからです。
それにはトレーニング、レーススケジュール、パフォーマンスを見直し、精神状態、体の状態をも見直す必要がります。
時には専門家に血圧や臨床検査をしてもらうことも大切になるでしょう。
オーバートレーニング
このオーバートレーニング症候群を評価するのは比較的簡単な上に、予防が可能です。
しかし、アスリートはオーバートレーニングし過ぎでかなり悪い状態になって初めてどうにかしようとします。
鍵となるのは自分のトレーニングを客観的に測り、ダメージが起こる前にトレーニングを変えることです。
オバートレーニングにならないように、どれぐらいの間トレーニングスケジュールを変えないで続けていけるでしょうか?
もちろん人によって違うでしょう。
1人1人違います。
しかし、もし同じスケジュールで必要に応じて調整しなければ、数か月から1ー2年で燃え尽きてしまうでしょう。
その間気分がよいかもしれないし、成績もよいかもしれません。
なぜなら酸素摂取量は増加していき、より強く、より速くなるからです。体重も減るかもしれません。
だから自分は間違っていないと思ってしまいます。
オーバートレーニング期に近づくと成績が上がってきます。
(余りよいので他の人が真似をすることもあります。)
1ー2回すごくよいレースがあり、運も手伝ってよいシーズンになることがあるのが難しいところです。
障害
しかし、最初なんのサインもなく力学的、化学的、精神的障害が起こります。
もしかしたら惨憺たるレースを経験するかもしれません。
そんなことが次々起こってきます。
この時期になると前よりも疲れを感じるようになります。
そして「前に感じていた楽しみは一体何処にいったのだろうか?」
「もうアスリートとしての生命は終わったのではないか」と思うかもしれません。
さらには「もう年でこういうことは無理だ」とまで思ってしまうかもしれません。
自分は力学的、化学的、精神的障害に向かって進んでいるのではないか?
もし自分にこう問いかけてみようと思ったならば、もう障害が目の前にきているでしょう。
自分のスケジュールをいつ変更したらよいかどのように知ることができるでしょうか?
さらに大切なのは、どのように自分を評価できるでしょうか?
評価
以下に評価のこつを書いてみましょう。
1、客観的な評価が大切です。自分の進歩を測るためにハートレートモニターを使いましょう。一年を通して3週間毎にMAFテストを使い、特定のエアロビック心拍数でラン、バイクのスピードを測りましょう。
ペースがゆっくりになってきたら障害に近づいていると思いましょう。
2、心拍数をモニターするときには決められた心拍領域をきちんと守りましょう。
長い時間越えた状態にならないようにしましょう。
人によっては心拍数を下げてもオーバートレーニングになることもあることをお忘れなく。
3、記録を付けましょう。
したことをメモに書くだけでもいいでしょう。
どのように感じたか、トレーニング、レース、生活について何でも。
そうすれば自分をよく振り返り評価できるでしょう。
4、誰か客観的に自分のスケジュール、トレーニングをみてくれる人を見つけましょう。
信頼できる人を知っていれば、コーチになってくれるようにお願いしましょう。
5、自分の体を読むことを学びましょう。
あなたの体は、間違った方向に向かっているという小さなサインをたくさん示してくれます。
ちょっとした張り感だったり、
よくわからないけどあまり気づかない症状として睡眠の変化(寝入れないとか、途中で目が覚めてもう一度眠れない)、
食欲の変化(甘いものやカフェインが欲しくてたまらないといったような)があります。
このようなことを記録に残しておきましょう。
まとめ
一番良いのは障害を避けることです。
だから大切なのは予防です。
だから自分に正直でいることをいつも大切にして欲しいと思います。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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