腰痛になっているときに特定の筋肉が過剰に緊張しているのは非常によく見られます。
多くの場合に、過剰に緊張している筋肉に注意が行きます。
マッサージや電気の機械、注射、薬などほとんどの処置が過剰に緊張している筋肉をリラックスさせるように使われます。
しかし、人間の体は一つの筋肉と反対の筋肉が対立していることがほとんどです。
一つの筋肉が過剰に緊張していれば、もう一つの筋肉が弱くなっています。
ですから、過剰に緊張している筋肉を緩めても、もう一つの筋肉が弱ければ、やはりすぐに過剰な緊張が出てくることになります。
体のメカニズムでどのように腰痛が出てくるのか、筋肉がどのように関わってくるのかを考えてみたいと思います。
筋肉がこっていたら、もみほぐせば良いと思いますけど。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
筋肉が腰痛起こす?
私たちは便宜上、骨がズレて腰痛を起こすと説明することがあります。
しかし、この説明は分かりやすいように余りに現象を単純化して話したものです。
骨は単独では動くことがないので、筋肉がバランスを取っており、バランスが崩れたときに、骨格や骨盤がズレを起こすのです。
一方の筋肉が過剰に緊張していると、動くはずの関節が動くことが出来ません。
もちろん動かないので血液の循環も余りありません。
そのために悪循環が出来ます。
その結果痛みを出します。
そのようなアンバランスは姿勢にもアンバランスを作り、姿勢にそのまま反映されます。
ですから、姿勢を見るとアンバランスがわかることもあります。
それだけにバランスがとれた筋肉の状態を保つことはとても大切なことです。
姿勢がそんなに大切だとは思いませんでした。
筋肉のアンバランスで腰痛はなぜ?
筋肉のアンバランスで関節が動かなくなるといいました。
関節はほかの筋肉や関節にいつも情報を送っています。
そのために、関節が動かないと筋肉はOnにならない位置にあることになります。
反対側にある筋肉はOffにならなくなっています。
関節の動きがなければ、特定の動作が出来ません。
それを無理してしようとするとoffにならない筋肉は反発しますから、痛みが出ます。
Onにならない筋肉は力が入らないので、自分の体を支えることが出来ず、痛みを出すようになります。
だから、筋肉のアンバランスは痛みを生み出すことになります。
バランスが悪いとは思ってもみませんでした。
どうしても緊張している筋肉に目が行ってしまいますからね。
筋肉のアンバランスで腰痛が危険なのは?
筋肉のアンバランスがあるときに、その部位を支えることが出来ないといいました。
骨盤を支える筋肉がOnにならないと、骨盤を支えることが出来ません。
そういう状態の時に重いものを持つ、中腰になる、ジャンプをするなどするとすでに骨盤を支えることが出来ないですから、非常に大きな負荷がかかってしまいます。
そのため、どこかを痛めてしまう結果になりかねません。
筋肉のアンバランスがあって、骨盤がズレているときに急に負荷がかかるとき、膝だったり、股関節だったりを痛めることになることがあるのです。
筋肉の問題が腰痛を起こしたらどうする?
筋肉の問題で腰痛を起こしたら、多くの人が過緊張の筋肉(Offにならない筋肉)を緩めようとします。
しかし、それは反対に弱い筋肉(Onにならない筋肉)がある場合には効果がありません。
いくらマッサージをしたり、筋肉の弛緩剤を使ったりしても、もう一つの筋肉がOnにならない限り、関節が動くようにならないからです。
温めても、冷やしても、反対の筋肉は変わりません。
ですから、過緊張の筋肉に焦点を当てるのは賢明ではないです。
筋肉の問題で効果が期待できるのは、二つともON とOffが出来るが、片側が過剰に緊張していて、もう片側が正常の場合にのみ効果があります。
しかし、多くの場合は当てはまりません。
判断するのは難しいですね。
筋肉の問題が原因の腰痛にカイロプラクティックの利点
筋肉の問題が原因の腰痛では弱い筋肉(Onにならない筋肉)に焦点を当てることが大切といいました。
カイロプラクティックは、機能異常の関節を動きをつけることが出来ます。
そのことを通して、弱い筋肉が力が入るようになります。
これは、関節の固有受容器というセンサーのような働きをする役割を活性化するからです。
関節の調整が筋肉のバランスを取ることは、カイロプラクティックのオフィスでは日常茶飯事で見ることです。
そういう意味で、筋肉の問題が原因で腰痛になっている場合にはカイロプラクティックが非常に効果的といえるのです。
自分の体にアンバランスな筋肉がないかを調べてもらえば、腰痛も防ぐことが可能です。
カイロプラクターは姿勢分析の訓練を受けていますから、問題のある筋肉の特定が出来ます。
筋肉の問題を解決したいときに頼りになるのがカイロプラクターなのです。
38歳の小学校教員Sさんのケース
Sさんは6年生を担任する女性教員。
忙しかったので腰痛を我慢しながら2学期末成績をつけられてやっと成績表を提出されました。
開放感を感じながら、学期末の行事で忙しくされていました。
教員のレクレーションがあって、ぐっと踏み込んだ瞬間、膝がに激痛が走りました。
足がつけなくなって、引きずるようにしないと歩けなくなりました。
3つの病院で診てもらわれるといずれも膝の靱帯が損傷しているといわれて、手術を勧められました。
年末に親戚と会って、余り元気がなかったので事情を聞かれ、中塚カイロプラクティック研究所を勧められて来院されました。
足を地面につくことが出来ず、どこかに触りながら足をつけないで歩いてこられました。
お話を聞いたところ、踏み込んだ途端痛みが出たということで、靱帯の損傷が一番に疑われるのは順当なことでした。
検査してみると整形外科的検査では靱帯のサインがありませんでした。
筋力検査をしたところ、大腿部の後ろの筋肉が全く力が入らなくなっており、力を入れようとするとシャープな痛みが出ました。
検査によれば靱帯ではありませんでした。
骨盤が大きくズレていて、その原因のために大腿の後ろの筋肉が力が入らなくなっていました。
もう一度無理をされたようなことはなかったか尋ねると、こたつで夜、いろいろなまとめをしていて、そのとき横座りを長時間されていたのがわかりました。
骨盤のズレはその姿勢と同じ形でした。
骨盤を調整し、筋肉のバランスを取ると痛みが50%減少して、初回の施術後に足をつけるようになりました。
続けて施術し、1月の終わりには若干痛みはあるが普通に歩けるようになられました。
2月の終わりには全く問題ないほどに回復されました。
来られたときには参加できないかも知れないと思っておられましたが、無事に卒業式に参加することができました。
筋肉がバランスが崩れていて、体を支えられなくなっていて腰痛が起きていたケースでした。
そのために、足に力が入っていなかったのですが、運動で急に力が入ったために支えきれず痛めた形になっていました。
病院でも障害のメカニズムが余りに靱帯の問題らしい感じだったので、そう診断がついたのでしょう。
私がお医者さんだったらそう診断をつけたかも知れません。
まとめ
筋肉が原因で腰痛になっているときには、さらにひどい問題に移行していくことがたくさんあります。
そうなる前にカイロプラクティックで見てもらわれることをお勧めします。
その段階では病院の検査に引っかかることがありません。
カイロプラクティックは機能のチェックが出来るので、未然に防ぐことも可能になります。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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