手首にテープやサポーターを巻いている人をよく見かけます。
ちょっと痛々しいですね。
レジ打ちをしている方やコンピューターをよく使われる方には特別よく見かけます。
でも、不思議に思われる方はないでしょうか?
どうして同じ仕事をしていても手首の痛みが起こる人と起らない人があるのでしょう。
仕事の問題であれば、同じような仕事を同じようにしたら、同じような問題が出そうなものですが、そうではありません。
実は手首の痛みには肩こりが関係していると聞くと驚かれることと思います。
今回は手首の痛みと肩こりの関係について解説してみたいと思います。
手首の痛みがなかなか改善しないんですよ。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
手首の痛みの種類
手首の痛みにはいろいろなものがあります。
大まかには靱帯の問題、腱の問題、筋肉の問題、筋膜の問題、神経の問題などがあります。
じっとしていても痛いものや動かすと痛いものや力を入れようとすると痛いものなど様々です。
細かく分析するとどこに問題があるかはわかります。
それぞれの症状に名前がついていますが、余り名前は重要ではありません。
重要なのは問題の原因は何かという点です。
多くの場合には原因を余り追及しようとはされません。
結局対処が大きく違わなければ、余り重要であるとされないからです。
とりあえず名前をつけて処置をされる場合も見られます。
しかし、問題となる原因を見つけないでいては、いつまで経っても改善しない可能性があります。
良くなったり悪くなったりを繰り返すことになります。
肩こりと手首の痛みのメカニズム
猫背が原因
肩こりはねこ背で運動不足が原因です。
ねこ背になって頚椎が前に倒れ込むようになると神経や血管を働きを妨げるようになります。
首から出た神経血管は頚部の筋肉の間を通り、鎖骨の下を通って大胸筋、小胸筋の下を通って腕の方にいき、最終的に指までいっています。
首が倒れるようになるとこの通り道のどこかで神経や血管が挟み込まれるような状態になります。
筋肉のアンバランス
さらに、手首の伸筋、手首の屈筋は4:5の強さの割合でバランスがとれています。
最近ではコンピューターなどのキーをうつようなことが多いためにこの手首の筋肉のバランスが崩れることになっています。
屈筋ばかり使用して、伸筋を余り使わないからです。
人によっては伸筋が萎縮したようになったり、硬化したようになったりしている方もたくさんあります。
そのために、神経や血管がここでも働きを妨げられるような状態になってしまうのです。
結局首と手首の2カ所が悪いために問題が起こっていることが多いのです。
痛くない首にも問題があるんですね。
よくある手首の痛みの処置
ほとんどの手首の痛みの処置は、痛みを何とかしようとするものです。
痛み止めやシップ薬、サポーター、テーピングなどです。
痛みは私たちにとって最も大きな関心事ですから、それにフォーカスすることは大切です。
しかし、痛みだけを見ていては、全体像を見失ってしまいます。
痛み止めは、解決してくれるのではなく、痛みを感じにくくしているだけです。
湿布薬は炎症を鎮めようとするものです。
サポーターは冷やさないようにして、負荷がかかりにくくする目的で使われます。
テーピングは固定や弱い筋肉の補助として使います。
しかし、いずれも原因を考えて行っている処置ではないので、原因を解決することにはならないのです。
手首の痛みの問題は手首と首肩にある
首と肩の問題
手首の問題は2カ所に問題があると書きました。
手首と首肩です。
手首だけを見ていては手首の痛みは改善しないのです。
一時的に痛みが鎮まっても、問題は存在したままなのです。
首が倒れるのを改善する
一番大切なのは首が前に倒れ込むのを改善することなのです。
同じ仕事、例えば同じレジ打ちをして手首が痛くなる人があるのに、手首が痛くならない人があるのは、この首の位置の違いなのです。
ある人は首が起きた状態でレジ打ちをされ、ある人は首が倒れ込んだ状態でレジ打ちをされるのです。
首が倒れた状態で仕事をしない
首が倒れた状態で仕事をする方は、問題が出るのを待っておられるようなものなのです。
リハビリするときでも首が倒れ込んだままでリハビリしたのでは、改善も出来ないのです。
ですから家でスマホを長時間見るような生活をしていて、手首の痛みを改善したいと思っても難しいのは無理ありません。
多くの人がこの点を知らずにおられるために、忘れたような頃に反対の手首にも痛みが出てしまうことさへあるのです。
とても重要なのは、首の位置を改善して、神経の流れが整うことなのです。
首と手首と両方を同時に見ていかなければ、重要な点を見失ってしまいます。。
肩こりのせいでなる手首の痛みを解決する
肩こりの原因であるねこ背は、本当に様々な問題を作ります。
手首の痛みもねこ背が関わっているので、首と手首の2カ所に着目せずに改善しようとしても難しいのです。
しかし、問題が2カ所とわかっても、肩こりの原因のねこ背を改善できなければ、意味がありません。
姿勢化して自分で姿勢を変えられなくなっている場合には、薬やマッサージ、ストレッチなどでは改善は難しいです。
そんな時にカイロプラクティックが非常に大きな力を発揮します。
カイロプラクティックの施術で柔軟性を回復するときには関節の機能異常のサブラクセーションを取り除きます。
頚椎のカーブを回復するようにし、ねこ背を改善し、手首や肘などの歪みを取り除くと神経の流れや血液の流れが改善します。
合わせて伸筋の筋力強化を図るときに、手首の痛みは自然と無くなっていくでしょう。
さらに、ライフスタイルや姿勢習慣に対してのアドバイスをもらうことによって、同じような問題が起きないように予防することが出来るようになります。
Mさんは突然手首が痛くなってものを持ったりするのが辛くなって来院されました。
特に心当たりはありません。
仕事で重い機材などを持ったり、変な姿勢になったりすることが多く、手が使えないので仕事にならないと話されました。
食事は、朝はコーヒーをブラックで飲み、後は食べず、昼は外食、夜は8時過ぎに食べると言われました。
Mさんは首が前に突き出るような姿勢です。
肩は巻き肩でいつも前傾姿勢です。
背中の上の方は背中が盛り上がるような感じになっていました。
柔軟性もなくなって、動きがなくなっていました。
半年前には心臓の手術もされていて、それをかばうように余計にねこ背になっておられました。
カイロプラクティックの施術で脊柱の柔軟性を回復するようにし、上肢の歪みを調整しました。
頚椎のカーブを回復する体操と胸を張る体操をしてもらいました。
食事を3度きちんと食べるように勧め、炭水化物を少なくなして、タンパク質をきちんと摂るようにしてもらいました。
また野菜や果物も食べるように勧めました。
姿勢がかなり良くなりましたが、ある予約の時に待っておられる姿勢がとても悪く、もう一度普段の姿勢も気をつけてもらうようにしました。
それ以降かなり注意されるようになって、痛みが徐々に改善していきました。
首と手首の二カ所で問題が起こっていて、神経と血管の流れを妨げるようになっていました。
姿勢を変えることによって神経と血管の流れが良くなったケースでした。
こういう場合には単に悪い手首だけ見るのではなく、神経や血管の出ている頚椎も同時に見ることが必要です。
まとめ
手首の痛みはたくさんの場合に首と手首の問題が二つ同時に起こったものです。
そのために二つの場所を改善するようにすることが不可欠です。
そういう見方をしてくれるカイロプラクターはあなたの心強い味方になってくれることでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
コメント