腰痛があって、何とかしようと思って体を鍛えることを決心される方は多くあります。
そんな時に腹筋を鍛えると腰痛がよくなると考えて腹筋を鍛えられる方は決して少なくありません。
「腹筋が弱くて腰痛になる」というのは間違っていませんし、よく言われることです。
しかし、腰痛になる人がすべて腹筋が弱いかというとそういうわけではありません。
中には鍛えていても腰痛に苦しむ人もおられるのです。
なぜそういうことが起こるのはよく考えてみると納得できると思います。
今回は腰痛と腹筋の関係にクローズアップを当ててみたいと思います。
腹筋を鍛えたら、腰痛は改善するんでしょう?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
腹筋と腰痛?
「腹筋が弱いと腰痛になる」というのを聞いたことがある方は結構おられると思います。
果たして、この言葉は正しいのでしょうか?
もちろん正しいといえます。
しかし、腰痛になる人がすべて腹筋が弱いというわけではないのです。
だから「腹筋を鍛えることは腰痛にいい」ということばは一部正しく、一部間違っていることになります。
腹筋が弱くて腰痛になる人もあります。
その場合には筋力を確認してみないとわからないですね。
筋力があるのに一生懸命鍛える必要は必ずしもありません。
原因に合わせた処置が必要になります。
腰痛に腹筋が大切なわけ?
腰は胸郭と違って、肋骨がなく腰椎だけで腰を支えます。
それだけに筋肉の状態は非常に重要です。
筋肉が肋骨の代わりをしてくれる必要があります。
そうでなければ上半身の重さを骨だけでは支えられなくなりますから、弱い筋肉ではよくないのがわかると思います。
腰椎をサポートする筋肉は腹筋だけではありません。
前だけでなく後ろの腰の方にも筋肉があります。
両方が同じようにサポートしてくれなければ、バランスが崩れます。
バランスが非常に大切になります。
腰痛で腹筋を鍛えると危険?
筋肉のトレーニングをされるときに危険なことがあります。
トレーニングをして十分なウォームアップやクールダウンをしていないと筋肉が硬くなることです。
これは老廃物が筋肉に残ったままになるので、それがゆえに硬くなってしまいます。
血液循環をアップやダウンを通して十分に作っていると筋肉は柔らかくなります。
硬くなったら余計に腹筋で腰をサポートできるのではと思われるかも知れません。
しかし、柔軟性がないということは、動きにくく、変化に適応できないということです。
その結果として故障をしたり、腰痛が起きたりします。
筋肉が固くても良くないって難しい。
シンプルじゃないから難しいですね。
腰痛に腹筋を鍛えるときの大切なこと
腹筋・背筋バランス
腰痛があって腹筋を鍛えるときに注意したいことは、腹筋を鍛える理由が存在していることです。
腹筋と背筋は1:1.25の割合の時に腰痛になりにくいといわれています。
バランスが難しい
しかし、このバランスをうまく取るように鍛えるのは難しいことです。
腹筋を100回、背筋を125回というわけにはいかないからです。
鍛え方もいろいろあって、強度も違いますから、回数だけでバランスをよくというのは難しいことです。
バランスの乱れが腰痛の元
バランスが崩れると腰痛を逆に引き起こすことになります。
また、トレーニングの仕方によっては、筋肉を硬くしてしまいます。
それでは筋肉が力を発揮できませんし、腰痛の原因になります。
解消法
追い込むタイプのトレーニングだけではなく、エアロビック的な(心拍数を上げない)トレーニングも入れる必要があるでしょう。
バランスを取ることは大事ですが、自分でそれを取るのが難しいですね。よくわかる人に相談することが大切ですね。
腹筋を鍛えて腰痛を改善しようとしている人に カイロプラクティックがいい理由
腹筋を鍛えて腰痛を改善しようと思っている人にとって、重要なのは、①腹筋と背筋のバランスがとれていること、②柔軟性があることです。
バランスがいいかどうかは自分でわかることが難しいです。
誰かそれがわかる人に評価してもらうべきです。
そんな時にカイロプラクターはそれが出来ます。
また柔軟性がなくなっているときにカイロプラクティックは非常に効果的に柔軟性を回復することが出来ます。
何よりも腰痛を改善するのにカイロプラクティックは非常に役に立ちます。
サブラクセーション(骨格の配列の異常や動きの異常)を取り除けるのはカイロプラクターです。
他の人には出来ません。
サブラクセーションを取り除くことによって、骨格の動きや配列がよくなり、柔軟性が戻ります。
神経の流れが整うことによって筋肉のバランスも整います。
その結果として腰痛になりにくい体になることが可能になります。
28歳JFLサッカー選手のKさんのケース
Kさんは腰痛で病院に行ったところ、腹筋を重点的に鍛えるようにいわれました。
いわれたように鍛えたら余計に痛くなった。痛み止めも効かず、コルセットをしていました。
ゲームの時には邪魔になるので、痛みがあって思うようにプレーが出来ません。
監督に紹介されて来院。
すごく鍛えられたいい体であるものの、筋肉が硬く、腹筋や背筋はカチカチでした。
背骨の柔軟性もなく、過剰な緊張が出来ていました。
骨盤もズレがあり、腰の筋肉や腹筋は鍛えてあるのに力が出ませんでした。
スケジュールを聞くと毎週週末が試合で、毎晩練習があるので休みが取れていないようでした。
月曜日はお休みなものの自分で一生懸命に腹筋を鍛えていました。
明らかに腹筋と背筋のバランスが崩れていて、姿勢もよくありませんでした。
食事も夜寝る前に食べているので、体が休んでおらず、疲れがたまっている感じでした。
練習を見に行くとJFLだけあって、あたりも激しく、ハードな動きをしていました。
アドバイスをして腹筋の鍛えすぎで背筋とアンバランスが出来ている」というとわかりましたといってすぐサイドラインの所に行きました。
すると懸命に腹筋を始めました。
すぐに走って行って「それそれ、それがやり過ぎだっていったんだよ」というと頭をかいておられました。
練習の時に余り考えていないのは明らかでした。
もう少し時間を取って丁寧に話して、わかってもらえました。
骨盤のズレをカイロプラクティックの施術でバランスを取り、食事のタイミングについてもアドバイスしました。
月曜日は完全にオフにするように勧めて、休息の大事さを話しました。
一番の問題はシューズでした。
シューズがフィットしたものがいいと思って小さめのシューズを使っておられました。
彼の足は甲高幅広なのに、使っている靴は外国製の細いかっこいいシューズでした。
小さめなのでそのために下肢の筋肉が力が入らなくなっていて、それが原因で骨盤にズレが出来ていました。
腹筋を鍛えすぎたために、背筋とのバランスが崩れてカチカチになっていました。
そこを説明して、理解していただきました。
シューズを替えてから足の筋肉の力の入らないのは改善しました。
さすがに鍛えてある体だけあって、回復は急速でした。
腰痛は改善して、腰を気にせずプレーできるようになりました。
腹筋を鍛えすぎでカチカチになっていて余計に痛みが酷くなったケースでした。
元々はシューズの問題でしたが、よくしようとして余計に悪くなるというかわいそうな状況でした。
指導の難しさをかんじました。
理解してもらうことも非常に大切で、簡単な対応では改善は期待できないと思いました。
まとめ
腰痛になって腹筋を鍛えるようにいわれたり、本で読まれたて鍛えようと思う方は多くあります。
ご自分の状態を知らないで腹筋を鍛えることは、いい場合もあれば、悪い場合もあります。
問題の所在を明らかにするためにカイロプラクティックを利用されることは助けになります。
カイロプラクティックによってご自分の状況を理解し、それに合わせた形で強くしていくことが、腰痛になりにくい体を作る秘訣です。
あなたもカイロプラクティックで自分の体を見てもらいませんか。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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