最近はスポーツ用品店でも、ドラッグストアでもいろいろなサポーターやベルトを扱っています。
来院される方が腰ベルトをしておられることもよくあります。
どこでも手に入るにもかかわらず、意外に皆さんが腰ベルトについてよく理解をして使っておられません。
中には病院で特注のベルトを作られる方もありますが、使っていないと言われる方もあります。
骨盤ベルトをいつも離せないといわれるようなファンの方ではないかと思うような方もおられます。
いったい腰のベルトはどんな働きがあるのか、どういう注意が必要なのかを知っておかれるべきでしょう。
今回は骨盤ベルトのファンの方にお伝えしたいことを書いてみたいと思います。
いつも腰ベルトをしているという意味では、ファンでしょうか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
腰ベルトとは
骨盤ベルトにはいろいろな種類がありますから、売り場に行かれても困られることでしょう。
スチールの入った腰ベルト
スチールが入っているために保持する力が強くなります。
筋肉を完全にサポートしてくれるので、装着後、心強く感じる方も多いです。
一方で動きを制限するので、動きを必要とする場合には邪魔だと感じられるでしょう。
メッシュなどの素材で作られているものがあります。
スチールの入っていない腰ベルト
主に腹部をサポートするため、腹圧が高まります。
保持する力はスチール入りのものと比べるとサポートする力は弱くなりますが、動きはそこそこ出来るので動くときには動きやすいと感じられるでしょう。
ウェットスーツなどの素材で作られているものがあります。
皮の固い腰ベルト
腰と腹筋を締めて腹圧を高める目的で使います。
主にウェイトトレーニングの時に腰に負担をかけないように使います。
大転子ベルト
骨盤を安定させる目的で使います。
妊婦さんやスポーツ選手が使われます。
不安定な骨盤になっている時に必要です。
生ゴムやメッシュなどの素材のものが多くあります。
腹巻きタイプ腰ベルト
腰を安定させるよりは、むしろお腹を冷やさないように、昔の腹巻きのような働きのために使います。
非常に伸縮性のあるサポーターのような材質であることが多いです。
結構種類があるんですね。
腰ベルトのファン
ファンという言葉を使いましたが、ほとんどの方が好きで使っておられるわけで無く、必要に迫られて使っておられるでしょう。
傍から見ると毎日使われるので、ファンのように見えてしまいます。
ただ、何のために使っているのかを考えておられる方は少ないと思います。
腰が痛くないように、腰に負担がかからないようにと使っておられて、使うとどうなるかということは考えておられないことがほとんどです。
腰の筋肉のサポートだったり、不安定な骨盤を安定させることだったり、腹圧を高めて力が出るようにしたりします。
いずれも腰に関する不安を和らげる働きがあるといって良いでしょう。
腰ベルトの注意点
腰のベルトの問題の一つが、使われるとなかなかやめられないという点です。
先ほど不安を和らげると言いましたが、不安が起きるからやめられなくなるのです。
中には24時間つけっぱなしという方もおられます。
人間の身体は基本的に怠け者です。
使わないようにするとすぐに弱くなっていくのです。
筋肉を使わないでいると落ちていきます。
若い人でも骨折してギブス固定すると外したときに筋肉が落ちています。
同様に腰ベルトを長時間着けているとあっという間に筋肉が落ちていきます。
そのためにますますベルトを外せなくなってしまいます。
多くの方が夏になると蒸れたり、かぶれたりすると言われます。
汗をかいたり、暑くなるからです。
それがつけられなくなる一番大きな理由です。
血液循環も悪くなりますので、やはり長時間の装着は気をつける必要があります。
腰ベルトは負荷のかかるときだけ使って、必要最低限使うことをお勧めします。
重い荷物を扱われる方であれば、その時だけ使って、後は外しておかれることです。
筋肉が弱くなるなんて知りませんでした。
ベルトを使われるにしても最短時間にとどめるべきですね。
腰ベルトのファンが必要なこと
腰ベルトはあくまで補助だと考えられるべきです。
重いものを扱ったり、前屈みで作業が続くようなときにはつける必要がありますが、できるだけ短めにするべきです。
神経の流れを整える
元々神経の流れが良くなって、筋肉のバランスが変わったとすれば、腰ベルトは必要ないのです。
できるだけそういう状態になれるように目標を定めましょう。
カイロプラクティックがお役に立つでしょう。
ストレスチェック
ストレスがあるときには腰回りが不安定になります。
ご自分が持っておられるストレスをできるだけリストアップしてみましょう。
その中で、変えることができるものについて変化をつける努力をしてみましょう。
寝不足
身体が十分に休息をとれていないときに、腰痛が起きます。
良く睡眠がとれているときには腰痛が起こる可能性は非常に低くなります。
腰の弱いと思われる方ほど睡眠時間を十分に取りましょう。
運動をする
筋肉は使わなければ、弱くなっていきましょう。
しかし、腰の筋肉は鍛えることが出来ません。
足やお尻周りの筋肉は鍛えることが出来ます。
歩くこと、自転車に乗ることなど出来ることをやってみましょう。
姿勢習慣
姿勢習慣は腰痛を予防するためには一番考えなければならないものです。
ねこ背や反り腰、腰に側弯ができるような姿勢は気をつけるようにしましょう。
Tさんは仕事柄重いものを持ったり、長い時間前屈みで調理をしておられるので、よく腰が痛くなりました。
スポーツ用品のお店で買われた腰のベルトをいつも締めておられました。
しっかりして良いと24時間つけておられました。
夏で暑くなって、かぶれる感じになったので、久しぶりに外されたら、ひどい腰痛になりました。
仕事を休むほどだったので来院されました。
家では畳の生活で、いつも横座りをしておられると言われました。
調理はお好きだと言われるのですが、人間関係が難しいと言われます。
元々話すのが得意ではなく、どちらかと言うと静かな方で、女性の職場はよく話をするので苦手だと言われました。
返事が相手が思っているような返事をしないと陰でいろいろ言われるのが辛いとお悩みでした。
ベルトを着けたら、しっかりしたのでずっとつけていたと言われるのですが、腰は非常に硬くなり、柔軟性がなくなっていました。
腹圧を高めるタイプの腰ベルトを使っておられました。
そのために腹筋や背筋も弱くなっていました。
カイロプラクティックの施術で腰の柔軟性を回復するようにして、腰の体操をしてもらうようにしました。
また、椅子で生活するようにお勧めしました。
腰のベルトは仕事の間のみ最低限使用して、後の時には外すようにお勧めしました。
笑顔をすることがホルモンバランスも変えることをお話しして、心がけて笑われるような生活をするようにお勧めしました。
腰痛は比較的早くよくなられ、笑顔で仕事が出来るようになりましたと話されました。
ベルトの害を知らないで使っておられたケースでした。
必要なときもありますが、必要最小限に利用することが大切です。
依存するときには、筋力が衰えることをよく理解してほしいものです。
まとめ
すべてのことにおいて、なんかに頼ろうとすることは正しいことではありません。
身体が最も効果的に力を発揮できるように、腰ベルトのようなものも上手に利用したいものです。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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