最近はライフスタイルが変わり、それに伴って姿勢も大きく変わるようになってきました。
トイレが和式が洋式なったり、畳がフローリングになって正座やあぐらが椅子の生活になりました。
こういうライフスタイルの変化が反り腰を作るようになっています。
そのそり腰が、実はスタイルにも関係があると言えば、驚かれる方も多いことでしょう。
今回はそり腰と姿勢について書いてみたいと思います。
反り腰とスタイルが関係あるんですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明します。
そり腰とは
通常、人というのは緩やかな曲線の腰椎の前弯があるのが普通です。
それが過剰になっていることがよくあります。
見た感じで言えば、背中曲がりのお腹突き出し姿勢といったらよいでしょうか?
見方によればバランスがとれた姿勢のように見えるかも知れません。
欧米人には多い姿勢ですので、良い姿勢と思う人も多いのですが、そうではありません。
脊柱全体のS字の弯曲が強まっています。
腰の部分だけを見ると、正常な腰椎の前弯が強まった状態です。
この骨盤の角度がお尻の格好をよく見えさせるのです。
ハイヒール
この姿勢になりやすいハイヒールについて考えてみましょう。
最近では普段着に中学生や高校生まで踵をあげるこのハイヒールを履くようになっています。
踵を高くすれば、つま先立ちの状態で前のめりになるために、お腹を突き出してバランスを取ろうとしてしまいます。
そのままでは倒れるので、ねこ背にしてバランスを取るようにします。
このときに身長が低くなることがわかるでしょうか。
S字カーブの弯曲が強まるために身長が低くなるのです。
健康診断で身長を測ってもらって、身長が知人でいると言われたら、姿勢が悪くなっている証拠です。
格好良くハイヒールを履こうと思うと意識してお腹を引っ込め、胸をぐんと張り出すようにすることが必要です。
最近はハイヒールを履いて膝を曲げて歩いている人をよく見ます。
特に若い人やハイヒールを履くのが初めての方は皆さんそうなります。
膝にも負担をかける姿勢ですから、膝を伸ばすようにしたいものです。
ハイヒールがかっこいいと思っていたんですけど。
そり腰になりやすい習慣
最近は子供をおんぶすることが非常に珍しくなりました。
ほとんどのお母さんが前抱きです。
荷物を持つときにもお腹で持とうとするとそり腰になります。
腕を胸の前で組む姿勢もお腹を突き出すようになります。
堂々とした姿勢に見えますが、実はれっきとしたそり腰です。
体重が増えた方、妊婦さんもお腹が大きくなってくるとそり腰になります。
腹ばいで読書をする習慣もそり腰になる姿勢です。
これはリラックスした姿勢だと思っている人もありますから、肩こりも腰痛にもなる姿勢と聞くと驚かれます。
特に腰痛を訴えて来院される方には多い習慣です。
そり腰のデメリットとは
そり腰が習慣になるとだんだん柔軟性がなくなって、体型化してしまいます。
柔軟性がなくなってくると畳のような硬いところでは仰向けに寝ることが出来なくなります。
仰向けに寝ると腰のところがしっかりと空間が出来てしまいます。
こういう腰つきになっている方は前屈しようとすると前に余り曲りません。
ひどい方になると膝までも手がいかなくなっています。
こういう方は低反発のマットレスで身体が沈むと眠れるので、それが良いと思われるのですが、そのままにしていると余計に柔軟性がなくなってしまうのです。
さらに、そり腰になるとお腹を突き出すようになるので、お腹がぽっこり出ているように見えます。
さらに股関節が回旋を起こすので、見かけ上でお尻が大きくなったように見えます。
女性として余りうれしくないスタイルになってしまうのです。
反り腰になるとスタイルが悪くなるなんてショックです。
そり腰の危険
そり腰があるときには筋肉のアンバランスも存在します。
こういうときにはハムストリングが弱くなっていたり、腹筋が弱かったりします。
この弱い筋肉の拮抗筋である反対側の筋肉は過剰に緊張しています。
しかし、こういう筋肉を緩めると不安定になって腰痛が出るようになってしまいますから注意が必要です。
腰痛が出るときには腰全体の痛みと言われます。腰の両側から締め付けられるような、いやな痛みと言われます。
長い間立つというような場合には辛い思いをすることになります。
長時間座っているのもだんだん辛くなってきます。
立食パーティーやアトラクションの行列なども苦手です。
激痛になることはありませんが、それだけに我慢してしまわれる方もたくさんあります。
我慢している間にだんだん体型化して自分では改善できなくなってしまうのです。
下痢気味になる方も多く、自律神経が過剰に反応して起きます。
腹痛を伴うことは滅多にありません。
大概は肥満気味でお腹突き出し姿勢になっている方に多く、危機感が少ないために、対処されることがないので、悪くなるまでわかりません。
そり腰予防の方法
前屈体操
床に手がつくようになることが大切です。
しかし、腰を丸めないで背中を丸くするようになる方が多いので注意が必要です。
この場合に腰の部分を丸めるようにすることが必要です。
胸はり体操
背中が丸くなることが多いので、背中の柔軟性を取り戻すために胸を張る体操をすることが必要です。
このときはお腹を突き出さないようにすることが大切です。
姿勢習慣
自分がなぜこのような姿勢になっているかをよく考えることが必要です。
必ず生活の中に腰を反らすような姿勢習慣があります。
それを改善しなければ、反り腰を改善することは出来ません。
神経の流れ
神経の流れが悪くなっていると筋肉のアンバランスが出来ます。
こんな時にいくら体操をしても、マッサージをしても効果はありません。
神経の流れを改善するためにはカイロプラクティックが必要です。
カイロプラクティックで柔軟な身体とバランスのとれた身体を取り戻しましょう。
18才高校生女性Kさんのケース
Kさんは肩こりと腰痛で来院。部活ではチアリーダーとして活躍。
長い間立って先生からの指導を受けていると腰が痛くて辛くなるといわれました。
学校でも目立つほうで、元気の良い女性。受験生なので勉強も頑張っているため、肩がこるようになったと言われました。
視力が急に落ちて、そのために余計にねこ背になっているようでした。
姿勢はそり腰でねこ背になっています。
姿勢を検討していくと腹ばいで寝ながらスマホを見ているとのことでした。
お休みの日は少しおめかしして買い物に行くことがあるようで、そのときにはハイヒールを履いていると話されました。
テストも頻繁にあるので、夜遅くまで起きていることも多く、睡眠時間が少ないと言われます。
背中の柔軟性はかなりなくなっていて、カイロプラクティックの施術で柔軟性を回復し、姿勢習慣を改善してもらうように言いました。
また前屈体操と胸張り体操をしてもらうようにしました。
寝ながらスマホはやめてもらいました。
メガネもあったメガネに替えられました。
睡眠時間をきちんと確保して、起きている時間を上手に使うようにお話ししました。
肩こりや腰痛は数回の施術で改善し、元気に勉強を頑張れると話されるようになりました。
そり腰が原因で、腰痛も肩こりも起きていました。
ご自分ではそれが悪い姿勢だと思っておられず、指摘しなければずっと同じ姿勢をしておられたことでしょう。
そのことを理解できて、姿勢をご自分で改善しようと考えられたことはとても良いことでした。
まとめ
そり腰が原因で、見た目にも悪く、腰痛や肩こりを経験するなら、早いうちにそれを改善することが賢明です。
そのためにカイロプラクターはお役に立てるでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
コメント