多くの人が腰痛に悩んでいて、患者人口3000万人に迫ろうとしています。
それでいてどうしたら良いかみんながよくわかっていないという状況があります。
しかし、どういうチョイス(選択)をするかで、予後(結果)にも大きな差が出来ます。
人生自体が大きく変わってしまった方もたくさんあります。
それだけにそのチョイスを知っておくことは重要なことです。
今回は腰痛になった際のチョイスについて考えてみたいと思います。
腰痛になるとどうして良いかわからず、改善するのを待っている感じですね。
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私がご説明しましょう。
腰痛のメカニズム
多くの場合に歳を取ったから腰痛になるのではないかと思われる人は多いのですが、中塚カイロで一番若い腰痛は5才の男の子でした。
決定的な見てわかるような変化が出来ているわけではありません。
レントゲンで見ても、変化を確認できないことがほとんどでよくわからないものと考えられています。
実際の所、ほとんどの腰痛は機能異常によるものです。
機能異常とは油切れの歯車のようなものと考えられると分かりやすいかも知れません。
動かしてみるまでは見たところの変化がないのでわからないのです。
姿勢の問題や関節のアライメントが狂うことにより、血流や神経の流れが妨げられ、筋肉にアンバランスが出来、関節が柔軟に動かなくなります。
それを補うようにだんだん特定の筋肉が無理をしなければならなくなり、痛みが出るようになります。
ほかにも靱帯、関節、筋膜に問題が起きて痛みにつながっています。
過労、ストレス、寝不足、食事、不良姿勢などが原因になって症状が出てくるようになります。
そんな小さい子でも腰痛になるんですね。
今は、老若関係ないですね。機能が悪くなるのはどの年代でも起こります。
腰痛処置のチョイス
安静
通常多くの人が考えられるのがまず安静でしょう。
休んで寝ていたら楽になると考えられる方は多いでしょう。
安静は処置になるのかと思われると思いますが、原因として書いたことを考えれば、安静が必要になるのはお分かりになるでしょう。
薬、注射
その次に考えられるのが、薬や注射です。
病院に行けばそのような処置を受けるでしょう。
薬で使われるのは痛み止めや筋肉弛緩剤です。
痛み止めは痛みを緩和させることによって、休息がとれるようにしようとしています。
過剰に緊張した筋肉を緩めることによって痛みを緩和しようとしています。
ただし、痛みの原因を取り除いているわけではなく、痛みを感じにくくしているだけですから、根本的に改善しているわけではありません。
運動
運動不足が原因と考えられるときには多くの方がストレッチやヨガやピラテスなどでよくなるのではないかと考えられます。
メカニズムのところで話しましたが、問題は動きの悪い関節があるので、無理に伸ばそうとして傷めることもあるのです。
痛みがある間にすることは問題を悪化させることもありますから注意が必要です。
コルセット・サポーター
筋肉・関節を固定することにより、筋肉や関節に負荷かけないようにする目的で使います。
負荷がかかりにくくなるので、痛みを感じにくくなります。
しかし筋肉を使わないようにするために、筋肉が弱くなっていきます。
腰痛の危険
チョイスというと「そのままに放っておく」というのがあります。
多くの方が今ひとつ良くならないから、そのままにしておくことにされます。
しかし、問題があるときに身体がそれを教えてくれているにもかかわらず、無視するというのは余り賢明なチョイスとはいえません。
原因を取り除かないと問題は悪化していくのです。
痛みがコンスタントにあるという状態は、身体を戦闘状態、つまり交感神経優位の状態においてしまいます。
そうすると血圧が上がったり、血糖値が上がったり、覚醒状態になったり、消化器系に血液が余り送られなくなったりします。
そうなることで、眠れなくなったり、精神的にも不安定になってしまいます。
免疫力が落ちたり、他の病気になりやすくもなります。
ですから、痛みはできるだけ早く取り除くことが必要になるのです。
腰痛になったらすること
まず大切なのは問題が何かを明らかにすることです。
問題が明らかにならないのに何らかの処置をするというのは、明らかに効果的ではありません。問題を明らかにすれば必要なことが決まります。
睡眠
10時半までには寝ましょう。
部屋を暗くしましょう。
お休みの前日でも夜更かしは避けましょう。
寝る2時間前までには飲食を終えていましょう。
寝る30分前にお風呂には入りましょう。
食べるものに気をつけましょう。
3食食べましょう。
食事を抜かないようにしましょう。
食事の間が開きすぎないようにしましょう。
甘いものやカフェインを控えましょう。
アルコールは休肝日を作りましょう。
適度な運動をしましょう。
運動する習慣の無い方は5分間歩くだけでも良いことです。
30分ウォーキングすることはとても良い運動です。
日記、瞑想をしてみましょう。
一日の終わりに日記を書くことはある種のリラクゼーションになります。
スマホの瞑想アプリ「マインドフルネス」はとてもやりやすいです。
初心者の方でも瞑想が出来るでしょう。
神経の流れを整えましょう。
カイロプラクティックは機能異常を評価して対処する方法があります。
原因を考える意味では非常に重要です。
ライフスタイルや姿勢習慣を相談すると適切なアドバイスを貰えるでしょう。
46才ソーシャルワーカー女性Kさんのケース
Kさんは腰痛になっていろいろなことを試されました。
薬、マッサージ、整体、ストレッチなどを試したと話されました。
でも良くならないし、いろいろするとやった後は余計に悪くなったようだと言われました。諦めていたら、同僚に紹介されて来院されました。
Kさんは優しい方で、断ることが出来なくていろいろなことを抱え込んでしまうと話されました。
仕事も病院で人が足りず、二人分ぐらいの仕事をしているので、余計に無理になってしまうと話されました。
食事は気をつけておられますが、食べる時間が夜は遅くなると話されました。
そのために朝は余りお腹が減っていないけど、食べていると言われました。
睡眠時間は5時間くらいで、朝が辛いと言われます。
コンピューターを使われることが多くあり、そのときの姿勢が背もたれを使わないので、背中を丸くして前屈みになっていると話されました。
骨盤は少し珍しいパターンになっていて、単純な方法では楽にならない状態でした。
カイロプラクティックの施術で脊柱に柔軟性をつけ、腰椎の体操をしてもらいました。
座り方をお教えして、深く座ることを意識してもらうようにしました。
食事は夕食もお弁当にして2食持って行くように勧めました。
仕事に関してはNoという勇気を持たれるようにお話をしました。
弁当を持って行かれるようになったら、睡眠時間が余分にとれるようになって、一度の施術でも楽になっていきました。
頑張り屋さんで、努力もされたので、腰痛を忘れるようになられました。
問題がどこにあるかを分析して施術することが非常に重要だと感じるケースでした。
全体的にアプローチしなければ、問題が解決しない場合がたくさんあります。
そういう意味で原因となっている問題がなんなのかを見つけることは非常に重要だと思います。
単なる症状を抑えるような対処では、すぐにまた同じ問題で苦しむことになるでしょう。
まとめ
腰痛になって処置のチョイスに悩むとき、まず原因を探りましょう。
原因を明らかにせずには処置も決まりません。
そんな時にカイロプラクターは大変お役に立てることでしょう。
カイロプラクターとともに考えるときに本当の原因と対処法が見えてくることでしょう。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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