「肩が重い」、「肩が鉛が張り付いているみたい」といったコメントを皆さんもよく聞かれると思います。
テレビのコマーシャルやインターネットなどでもそんな言葉を聞かれない日はないほどです。
しかし、この肩こり、当たり前であるにもかかわらず、以外にも余りよく理解されていません。余りに当たり前すぎて研究なされていないのです。
命に関係するような問題はよく研究もされますし、潤沢な研究予算がつくものです。
でもそうでないものは研究トピックとして取り上げられることがなかなか無いというのが実情です。
この肩こり、実は多くの症状の原因になっていると考えられます。
それだけに非常に重要な問題であるのです。
ウツとの関係を知ると驚かれるかも知れません。
今回は肩こりとうつの関係について話してみたいと思います。
肩こりがうつと関係があるって本当ですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
肩こりの人はウツになる?
肩こりを放っておいたらウツになるというと驚かれるでしょうか。
肩こりは実はいろいろな問題の入り口といっていいような問題です。
肩こりが起こるのは、首が前に倒れて、ねこ背になり、運動不足になっている時です。
このねこ背が肩こりになるということは、よく知られていることではありません。
もちろん情報としては、そう書かれていても、ねこ背を解消する手段が、薬やマッサージなどでは難しいために、ほとんどの人がそれを重視しません。
そのためにねこ背を改善することなく、肩こりだけを改善しようとするのです。
その結果肩こりは改善せず、悪化していきます。
すると
肩の痛み、肘の痛み、手首の痛み、
指の痛み、腕のしびれ、手のしびれ、
寝違い、頭痛、内臓の問題など、
本当にたくさんの症状が出てくるようになるのです。
そのような症状が出るようになるとなぜそういう症状が出るようになるのかわかりません。
薬では改善もせず、不思議だと思われるでしょうがレントゲンでもわからないのです。
そうすると病院でも精神の問題として扱われるようになりますし、精神安定剤などが出るようになります。
構造的な問題でなっているので、化学物質では改善しません。
そうなると悪循環です。
良いことが考えられなくなって、ウツのようになっていくのです。
それが実はねこ背から来る肩こりが原因でそうなっているとは夢にも思われないのです。
肩こりでウツのようになるなんて驚きです。
肩こりとウツの関連
脊柱の横には自律神経という体の機能を調整している神経が通っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、
交感神経はストレスに対応して体を戦闘状態にします。
副交感神経は内臓を司り、リラックスしたり修復したりする神経です。
頚椎や胸椎が動かなくなるとこの自律神経がバランスが崩れ、体を戦闘状態にします。
そうすることによって精神的、化学的、物理的なストレスに対応しようとするのです。
一時的であれば、このアンバランスも問題がありませんが、継続的に続くといつも戦闘状態になります。
血圧を上げ、血糖をあげ、内臓の働きを落とします。
この状態ではリラックスできませんから、眠れなくなって不眠になります。
副交感神経が働かないので、体の修復がうまくいかなくなり、内臓にも様々な症状が出るようになるのです。
うつとは交感神経が過剰に働きすぎが続いて、あるときに体が対応が出来なくなった状態なのです。
肩こりの人がウツになる恐ろしさ
肩こりの人がねこ背を解消しないで放っておくと大変な状態に移行していくとお分かりになったと思います。
首がこってくると気分が悪くなります。
副交感神経十分に働かないので、内臓の働きも悪く、食欲にも影響します。
食事がきちんと出来なくなると、体の機能や思考に影響が出てくるのです。
体の神経が働くときに、体は神経の伝達物質を使ってシグナルと伝えています。
食事から得たアミノ酸やビタミンやミネラルなどを使って神経の伝達物質を作っているのです。
体の機能を司っているホルモンも同じように化学物質です。
食べなければ、そのコントロールに影響が出るのです。
私たちは食べたもので体を作っていて、食べたもので体をコントロールし、食べたもので考えているのです。
つまり内臓の不調で食事が乱れてくると考えることも影響が出てくるようになるのです。
こうしてネガティブな思いばかりが優位になるようになると、良いことを考えられなくなって、ウツっぽくなってしまいます。
これを薬物でバランスをとろうと思っても、元々が構造的な問題からの自律神経のアンバランスです。
ケミカルでバランスをとっても根本的な解決にはならないのです。
そのために、多くの人が改善しないうつ症状に悩まれることになるのです。
きちんと食べることが出来なくなると良い体にはなれないということですね。
肩こりでうつにならない方法
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神経の流れを整える。ねこ背を解消する。
ねこ背が改善するということは最優先のことです。
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食事を整える
発酵食品を摂る(ピクルス、味噌、麹など)。
自分で作った野菜、果物のジュースを飲む。
ブロッコリー、ウコン、ベリー類、緑黄野菜を摂る。
ココナッツオイル、亜麻仁油などを使う。
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深い睡眠をとる
寝るために出来ることがたくさんあります。
11時から2時の間に寝ているようにする。
寝る前に風呂に入る。
寝る2時間前にはテレビ、コンピューター、スマホを見ない。
真っ暗にする。
寝室に時計を置かない。
お酒、甘いものを日頃から避ける。
コーヒーを飲まない。
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適度な運動をする。
1日30分歩く。太陽に当たる。
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ストレスコントロールをする方法を持つ
祈り、瞑想、日記、ヨガ、ピラティス、
自然の中にいる、
良い音楽を聴く、
良い香りを身近におくなど
肩こりにカイロプラクティック?
神経の流れを整える一番の方法がカイロプラクティックです。
関節の機能異常のサブラクセーションを取り除くことがねこ背解消の早道です。
サブラクセーションを取り除くと神経の流れが整い、筋肉のバランスがとれ、血行がよくなって、姿勢が改善します。
そのため肩こりが改善します。
姿勢習慣やライフスタイルなど、肩こりに影響するものを改善することで、肩こりが解消していきます。
脊柱のバランスをとることによって自律神経のバランスもとることが出来るようになります。
肩こりからウツになったような場合には自律神経が正常に働くようになると改善するようになります。
肩こりがひどくなってうつっぽくなったときにはカイロプラクターに相談しましょう。
40才言語療法士女性Nさんのケース
Nさんはよく肩がこり、いつも肩こりで悩んでおられました。
肩がこりすぎて、夜眠れず、病院で出してもらった睡眠導入薬を飲まれました。
眠れるようになったものの、眠れたという感じがなく、いつも睡眠不足感があります。
肩こりもひどく、調子も悪く、精神的にも不安定になっておられました。
精神安定剤が出るようになって、いつもどんよりした感じがあるようになられました。
体がだるく、元気がなくなったと言われました。
知り合いに紹介されて来院されました。
食事は朝は抜かれていて、甘いものをかなり食べておられました。
野菜は少し食べられるもののも、フルーツはほとんど食べておられませんでした。
タンパク質は余り摂っておられませんでした。
睡眠時間は6時間。
寝ているけどよく寝たと感じるようなことはないと言われました。
夜はテレビをつけて寝ながら見ておられて、薬が効いてきて寝るような感じと言われました。
でも割と早く目が覚め、何度も時計を確認してしまうと言っておられました。
仕事を終わって帰ってくると結構疲れていて、シャワーを浴びて、ご飯を食べるとグターとしていると言われます。
頚椎の筋肉は非常に硬くなっていて、柔軟性がなく、頚椎の可動域も減っていました。
胸椎の動きも悪く、首はストレートに前に倒れているような姿勢でした。
胸郭の動きも悪く、呼吸も浅くなっていました。
カイロプラクティックの施術で関節の柔軟性をつけ、筋肉のバランスをとりました。
頚椎のカーブを回復することとねこ背を解消する体操をしてもらうようにしました。
食事を整えることをお話しして、3食食べて、タンパク質を増やし、甘いもの断ちを勧めました。
その代わりに余り甘くないフルーツを食べられるように勧めました。
また、テレビは寝る前2時間には見終わるようにして、寝るときにテレビ無しで寝られるように勧めました。
時々お風呂に入ることを勧め、寝る30分前にでて寝るように勧めました。
また時計は寝床の周りに置かないように勧めました。
姿勢がよくなって、肩こりを意識する頻度が少なくなりました。
睡眠も前よりよく眠れるようになったと話されるようになりました。
甘いものがなかなか難しいと言われましたが、努力しておられるのがわかりました。
笑顔が出るようになって、明るく話されるようになりました。
肩こりが解決できずに精神的も病んでしまわれたケースでした。
肩こりはありふれたものですが、そのままに放っておくとひどくなっていくこともあります。
自分で客観的に見ることが難しいので、自分で解決することは難しいものです。
しかも薬が出るようになると依存傾向が出来てより難しくなります。
早めに適切な対処をしたいものです。
まとめ
肩こりからウツになるときに頼りになるのはカイロプラクティックです。
カイロプラクティックは猫背を改善し、自律神経のバランスを改善することによって、肩こりからのウツを改善することが出来るようになるのです。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
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