ストレス社会の現代は、意識していなくとも私たちは非常に多くのストレスに囲まれているといえます。
そのため、常に戦闘状態になっていて、身体が休まることがないといってもいいでしょう。
そういう生活を続けているとリラックスすることが出来なくなって、不眠に悩むということも非常に多くあります。
夜眠れないのは、とても辛いものです。
集中力にも関係するために生産性や判断力にも影響が出ます。
大きな問題につながることもあります。
不眠の原因が肩こりにもあると聞くと驚かれる方もあると思います。
肩こりは非常に多くの問題の原因になり得るものです。
今回は不眠と肩こりの関係について書いてみたいと思います。
肩こりで不眠になるんですか?
30万人の施術実績のある中塚カイロプラクティック研究所代表の私が解説しましょう。
不眠の原因
不眠の原因はいろいろありますが、似たような症状でも原因が違うということがあります。
パターンとして以下のような状態があります。
1)寝付きが悪い。
2)途中で目が覚めて寝付けない。
3)朝早く目が覚める。
4)ぐっすり眠った気がしない。
こういう症状が組み合わさって不眠といわれています。
原因としては大きく3つに分かれます。
1)精神的なストレス
仕事上の問題や家族の問題など不安や心配など
2)化学的なストレス
薬、アルコール、カフェイン、糖質、薬など影響
3)肉体的なストレス
生活リズムのシフト、時差ぼけ、病気の症状など
いずれも過剰なストレスのために自律神経のアンバランスが起きて、交感神経が過剰なために、寝るときでもリラックスできないことが原因です。
睡眠チェック
何度も目が覚める
途中で目が覚めるとなかなか睡眠に戻れない
良く寝酒をする
甘いものをよく食べる
健康ドリンクやエネルギードリンクを常用している
寝付けない
いつも眠い
寝た気がしない
疲れがとれない
朝早く目が覚める
こういう症状が一定の期間続いているのであれば、睡眠に問題があるということが出来るでしょう。
こうなるときには、必ず何らかのストレスが原因になっています。
その原因を取り除かないで、薬に頼ろうとしても難しかったり、依存してしまうようになるのです。
生活を整えるだけでも改善することがあるので、まずは生活の見直しが必要ですね。
肩こりからの不眠のメカニズム
興奮状態
一時的に興奮状態になって眠れないということは誰でも経験のあることです。
遠足の前になかなか寝付けなかったという経験のある方は多いことでしょう。
それは問題というわけではありません。
当日は多分早くから眠くなってしっかり眠られたでしょう。
しかし、こういう状態がいつも続くと問題です。
交感神経と副交感神経の働き
交感神経は身体を戦闘状態に置き、覚醒状態を作ります。
副交感神経はリラックスして、身体の修復を図ろうとします。
この二つのバランスが大切なのです。
戦闘状態の姿勢
戦闘状態にいるときには身体を守りの姿勢に置きます。
つまり胎児の姿勢に近い姿勢、つまりねこ背です。
ねこ背になるときに肩がこります。
倒れた頭を起こそうとするために常に背中や首の筋肉が緊張します。
首の筋肉、特に首と頭の間の筋肉が緊張するときは夜寝てもリラックスが出来ないのです。
交感神経の位置
交感神経は頚椎の部位にあります。
そのためにリラックスが出来なくなるのです。
寝具が悪くない
そういうときには枕が合わないと感じたり、寝具が良くないと感じる方も多くあります。
しかし、実は自分の首が柔軟性がないために寝具が合わないと感じるので、寝具が必ずしも悪いわけではないのです。
首の柔軟性がなくなるために自律神経のバランスが狂ってしまうのです。
だから肩こりはありふれた問題であっても危険な問題といえるのです。
肩こりが不眠の原因になるなんて。
実は今肩こりから不眠、本当に多いんですよ。普段元気そうに見える方でも悩んでおられる方はたくさんいらっしゃいます。
睡眠の基本
朝日や昼の太陽の光を浴びて活動し、規則正しくバランスのとれた食事をし、夜は暗くして眠ることが良い睡眠の基本です。
光は非常に重要です。
夜昼逆転した生活をしていると太陽に当たることが少なく、身体の臓器の働きがおかしくなります。
コンビニで夜勤の仕事が続き身体を壊される方は非常に多くあります。
朝、太陽の日を浴びましょう。
寝る直前にはテレビやパソコンや携帯を見るのはやめましょう。
できる限り3食食べるようにしましょう。
身体はリズムが大切です。
朝寝坊をして抜いたり、時間が無くコーヒーだけという状態で眠れなくなっても不思議ではないでしょう。
いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。
休日に寝る時間を変えたり、起きる時間が遅くなったりするとリズムが狂って眠れなくなります。
夜遅く食事を取ると寝ている間も内臓が働く必要があります。
3時間前には食事を食べていたいものです。
また、夜寝るときに電気をつけていたり、テレビをつけたまま眠ると熟睡することが難しくなります。
暗い状態で眠るときに身体がリラックスできます。
多くの方が生活習慣が原因で、このような問題になっておられます。
生活を見直してみることは早道です。
肩こりが原因の不眠の時には
肩こりが原因の時にはねこ背になっています。
ねこ背を改善しないとよく眠れるようになりません。
ねこ背は自分が意識して変えられる内は大丈夫ですが、長くねこ背を続けていると自分では改善することが難しくなります。
そうなってから自分の力で改善しようと思ってもねこ背は改善できません。
マッサージや薬ではもっと難しいです。
そんな時に有効なのがカイロプラクティックです。
カイロプラクティックは関節の機能異常であるサブラクセーションに大きな力を発揮します。
ねこ背を自分で改善できなくなっているときにはサブラクセーションが出来ています。
サブラクセーションが出来ていると柔軟性がなくなり、筋肉のバランスが狂い、肩こりが出来るのです。
カイロプラクティックの施術によって、神経の流れが改善し、筋肉のバランスが整い、柔軟性が回復するのです。
その結果自律神経のバランスが整うために、寝るときにリラックスすることが出来るようになるのです。
53才内装会社経営者男性Dさんのケース
Dさんはいろいろな心配事があって眠れなくなりました。
座り方は普段から悪く、筋力も余りありませんでした。
現場と会社が半々で、結構仕事もされていました。
もともと肩がこる方で、肩がこるとマッサージや整体に行っておられましたが、その場限りだと言われました。
足にも症状が出るようになってますます眠れなくなって来院されました。
お酒を飲むと眠れるけど、飲まないとなかなか寝付けず1時間おきに目が覚めると言われました。
背骨を見てみると頚椎はとても動きがなくなっていました。
特に後頭骨と首の間の筋肉や首の側方の筋肉は極めて緊張していました。
頚椎の回旋も伸展も動きがなくなっていました。
肩甲骨の間あたりも動きが悪く敏感になっていたので、胃の調子を聞くと「良くない」といわれました。
カイロプラクティックの施術で柔軟性を取り戻すようにし、筋肉のバランスを取るようにしました。
首の体操と胸を張る体操をお教えして、してもらいました。
ねこ背になる姿勢を気をつけるようにして、胃を圧迫しないようにお勧めしました。
また食事を取るときにお酢とはちみつを水で薄めたものを飲みながら食べるようにお勧めしました。
施術後に夜とてもよく眠れると言われて、表情が明るくなられました。
ねこ背のせいで自律神経のバランスが狂い、交感神経が過剰に働いている状態で、リラックスできなくなっておられました。
そのために睡眠にも影響が出ていました。
胃の不調でカルシウムの吸収も悪くなっていたと考えられました。
まとめ
肩こりで自律神経のバランスが狂って、眠れなくなります。
睡眠は生活習慣の見直しで改善することもあります。
そうできなければ、カイロプラクティックを試してみてほしいと思います。
薬を使うことなく、赤ちゃんのような深い眠りが出来るようになります。
鳥取県米子に1973年に創業した、国際基準カイロプラクティックを行う「中塚カイロプラクティック」院長。慶応義塾大学にて社会心理学を学び、後に米国ナショナル・カイロプラクティック大学大学院(現NUHS)に留学しDoctor of Chiropracticとなる。国際スポーツカイロプラクティックドクターのディプロマも取得し、アスリートのパフォーマンス向上のための技術や知識を豊富に有しています。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会元会長、
コメント